カーティス・メイフィールド

Curtis Mayfield

"The Curtis Mayfield Story"
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Curtis Mayfield

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Curtis Mayfield


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"Curtis Mayfield & The Imporessions - Universal Masters Collection" : The Impressions - Curtis Mayfield & the Impressions: Universal Masters Collection
"Curtis Mayfield : The Anthology (1961 - 1977) " : (Curtis Mayfield & The Impressions - Curtis Mayfield: The Anthology (1961-1977))
"People Get Ready : A Tribute to Curtis mayfield " : (Michael Hill & Vernon Reid - People Get Ready - A Tribute to Curtis Mayfield)


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連載リレー・コラム - 第6回
これを聞かずに、死ねるか!


誰にだってあるだろう、宝物のような歌やアルバム。
そんな歌やアルバムのことを話してみよう。

 

一番やさしくしてくれた人


 今日はつらいことがあった。

 自分はもう、いい齢した大人だ。12才のガキとは違う。つらくてもその場で泣き喚くわけにはいかない。だけど12の時と違うのは、今の自分には音楽があるということだ。家に帰るとすぐにカーティス・メイフィールドの音源を引っ張り出し、誰もいない部屋で膝に顔を埋め、"She Don't Let Nobody"を聴く。前半のスキャットに身を委ね、コーラスの部分をふと一緒に口ずさむ頃、少しラクになっている自分に気づく。なんだ、さっきまでのつらさなんて、大したことないじゃないか。この曲を聴くだけでこんなに幸せな気持ちになれるじゃないか。実際、魔法だと思う。今まで何回音楽に、カーティス・メイフィールドに救われてきたことだろう。

 カーティスの歌声の魅力が最大限に引き出されるのは、スロー〜ミディアムにかけてのテンポの曲ではないかと、ひそかに思う。もちろん"Move On Up"のファンキーなホーン・サウンドも、確かに震えがくるくらいカッコいい。時々酒が飲める店でこの曲がかかると、珍しく「もうちょっと強いの頼んでもいいかな」という気にもなる。だけど、ほとんど神がかったまでの、身を包むほどの優しさ。カーティスのそんな一面に触れるためにはBPMは少し抑え目のほうがいい。代表的な例はもちろん、説明不要の大名曲"People Get Ready"だ。

「こんなに誰かに優しくしてもらったことなんてない」

 この曲を聴いた時、そんな気がしてボロボロに泣いた。歌詞は当然英語だから、当時はいくつか理解できない箇所もあったけど、そんな些細な部分はどうでもよかった。美しい夜明けを告げるような、神秘的なイントロのギターとピアノの絡み。そしてカーティスがゆっくりと語りかけてくる。「用意はいいかい、もう列車が来てるよ。荷物? チケット? ノー、ノー。そんなもの要らない。ただ飛び乗ればいい。必要なのは信念、そして感謝の心。それだけ……」ゆっくりと曲が進み、疲れきった心にやっと少し活力が戻ってきた頃、それを辛抱強く待ってくれていたかのように、キーが静かに半音上がる。肩をぽんと叩かれ、「もう行けるだろ、大丈夫だよな」と励まされているみたいに。 ひとりぼっちの部屋でヘッドフォンを被ったまま、涙が止まらなくなった。

 カーティスは晩年照明の落下事故により下半身不随となり、1996年奇跡の復活を遂げるも、その3年後惜しくもこの世を去った。今でも彼のアルバムを聴くと泣けてくる。それは(大袈裟にいうなら)恩人ともいうべきこの人を偲んでのものなのか、それとも彼の曲が相変わらず優しすぎるからなのか、自分でもわからない。ただ、いずれにせよ、彼の歌声はいまだにあまりに素晴らしい。遺されたレコードは、自己が滅してもなお人を癒し続ける、世界に残された至宝である。その事実だけは揺らぐことなく永遠に続く。




written by joe

button2006

button火口に溜まった"優しさマグマ" : ベン・ハーパー & ジ・イノセント・クリミナルズ (2nd Jun. @ 横浜ブリッツ)
buttonロックンロールの夢 : ナイロン (6th May. @ 東高円寺UFOクラブ)
button変態どもの宴 : 赤犬 vs DMBQ / Guest 水中、それは苦しい (5th May. @ 新宿ロフト)
buttonCD review : 和洋折衷の見事な成功例 : クローヴァーズ (27th Apr.)
buttonあえてもう一度、この言葉で! : ザ・キャプテンズ (23rd Apr. @ 新宿フェイス)
button原稿ひとつ吹っ飛ばしたギターの轟音 : ザ・ホワイト・ストライプス (5th Mar. @ ゼップ東京)
button新生ビヨンズの新たなる一歩 : ビヨンズ (17th Feb. @ 代官山ユニット)
buttonギターは○○で弾け! : ザ・50回転ズ(13th Feb. @ 下北沢クラブ251)
buttonようし、充電完了。ありがとう! : ナイロン (12th Feb. @ 新宿マーブル)
buttonフランツ・フェルディナンドは卑怯である、という説 : フランツ・フェルディナンド (10th Feb. @ 日本武道館)
buttonブッキング・センスの妙 : インビシブルマンズ・デスベッド w/ 遠藤ミチロウ、鳥肌実 (29th Jan. @ 秋葉原グッドマン)
button雪と音楽に打ちのめされた日 : 板橋・森山グループ (22nd Jan. @ 東京厚生年金会館)
button新宿ロフトはタイムマシンだ : パーソンズ (19th Jan. @ 新宿ロフト)
button100万言でも敵わねぇよ : ナイロン (14th Jan. @ 東高円寺クラブUFO )

button2005


button淡々としたリアリティー : くるり (21st Dec. @ 神奈川県民ホール)
button"JET"を付ければ、夜はカッコ良くなる : ギターウルフ (16th Dec. @ 代官山ユニット)
button素敵なお行儀の悪さ : デトロイト7 (14th Dec. @ 渋谷クアトロ)
button不協和音の意味 : インビシブルマンズ・デスベッド (3rd Dec. @ 月見ル君想フ)
button信州ロックンロール旅情 : (Dec. @ 長野)
buttonファンがライヴをつくりあげるのだ : オアシス (18th Nov. @ 代々木第一体育館)
button富士の麓で、大爆発が : フロッギング・モリー / どこへ行くモーサム、どこへ行く武井 : モーサム・トーンベンダー (1st Oct. in 朝霧ジャム)
button人生に迷ったときに : 勝手にしやがれ (30th Sept. @ リキッドルーム恵比寿)
buttonこいつら、わかってんなあ : インビジブルマンズデスベッド (12th Jul. @ 下北沢251)
button苦しくとも、水中を追う! : 水中、それは苦しい (27th June @ 高円寺クラブライナー)
buttonColumn : これを聞かずに、死ねるか! : Elvis Costello "Armed Forces" (27th June)
button自分の席で観やがれ : ジャック・ジョンソン with G.ラヴ & スペシャル・ソース (2nd June @ 東京国際フォーラム)
button湧き出すエネルギー : 渋さ知らズ (1st Apr @ 新宿ピットイン)
button若者よ、老舗の店に行こう : シオン (11th Mar @ リキッドルーム恵比寿)


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