button平安神宮奉納スペシャルライブ (NHK総合)
(26th Oct '03)

- イケナイコト-
 観てはいけないものを観た。昼間はメチャメチャ気のいい兄ちゃんが夜になって本性をあらわし、イケナイコトをしている。そんな感じだ。

 7月29日に行われた東京スカパラダイスオーケストラの凱旋ライブとなる「平安神宮奉納スペシャルライブ」が、10月26日にNHK総合で深夜に放送された。正直、もう寝そうになっていた。だが、深夜のNHK総合に興奮させられたのは確かだ。それは久しぶりにするセックスを超える興奮だった(多分)。

 スカパラのライブを観るのは初めて(全員がジェットヘルメットを被っている姿は見たことがあるが)で、しかもテレビだったにもかかわらず、その妖しさに一気に持ってかれた。特別スカに詳しいわけでもないが、「これはスカを超えている」そう思った。

 スカは基本的に暖かいイメージを抱かせる。デビュー当時のスカパラも例外ではなかった。ファーストの「スカパラ登場」は暖かさ、楽しさ、明るさといった雰囲気を確かに持っている。だがこの日のスカパラはそれに加え、ブランキーやミッシェルガンが持つあの独特の緊張感と似たものを持っていた。

Tokyo Ska Paradise Orchestra


 大雨と暗闇の中で演奏する1曲目の「The Last Bandolero」、続く「5 days of TEQUILA」はもう昼間の優しい兄ちゃんの姿とはかけ離れていた。ウラ打ちの心地よいリズム。それは実はイケナイコトへと誘う魔の手だった。「CALL FROM RIO」のような暖かく優しいスカは、大人が子どもを丸め込む時に囁く甘い言葉に似ていた。そこまで妖しいオーラを持ちながら、彼らは笑う。満面の笑顔だ。「きっと楽しいから早くおいで」と言わんばかりに。

「ONE EYED COBRA」で見せる、加藤隆志(guitars)の姿はその象徴だった。ギターソロを弾く彼は目を閉じ、歯を食いしばり、全身で感じている。加藤だけでなく「The Look Of Love」での北原(trombone)、NARGO(trumpet)、「(WE KNOW IT'S)ALL OR NOTHING」での茂木(drums)も……。いや、全員だ。全員が全員と感じている。それを観てしまった僕もまた同じだ。東京スカパラダイスオーケストラに触れた全ての人間が感じている。

 雨は激しくなり、雷が鳴る。「SKULL COLLECTOR」だ。冷牟田(alt sax/agitate-man)の「dirty punk rock!!!」との叫びに平安神宮が狂喜する。続く「Howlin' Wolves」では鳥居を壊さんばかりの乱舞。はっきりいってヤバイ。ステージ上の男達は一向にイケナイコトへの誘いをやめない。子ども騙しのキャンディのように「DOWN BEAT STOMP」へと展開し、子どもが泣き止めばまた妖しい笑顔でイケナイコトを始める。

「もうやめられないよ。だけどこのことを誰にも言っちゃいけないよ。秘密にしておいてくれたらまたイケナイコトをしようね。キャンディもたくさんあげるから」そう囁き、最後にまたキャンディをくれる。子どもはキャンディ欲しさに言うことをきく。だが本当は、またイケナイコトがしたいのだ。それに気付いた頃、今度は自らイケナイコトをし始める。


report by taisuke and photo by maki


*なお、写真は9月に開催された朝霧ジャムでのものを使用しています。あしからず。

The official site of

東京スカパラダイスオーケストラ is;

http://www.skapara.net/
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