Mudy on the Sakuban @ Nagoya Club Rock'n'Roll (11th Feb. '08)
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結成して1年程度、しかも全員が現役の大学生からなる、トリプル・ギター、ベース、ドラムのインスト・バンド。地元・名古屋でその圧倒的なステージが噂となり、今年3月にはその勢いをすべて封じ込めたデビューミニアルバム「VOI」がリリースされる。
mudy on the 昨晩は2006年1月に、現役の学生で結成されたバンド。伊藤浩平(Dr)、朴木祐貴(B)、山川洋平(G)、森“HARAGURO”ワティフォ(G)、フルサワヒロカズ(G)の5人によるインスト・バンドだ。初めて見たときの衝撃は今でも忘れられない。イベントにたまたま出演していた彼らの演奏力に度肝を抜かれた。とにかく全体のまとまりがよかったのだ。バンドとして、アンサンブルとしての力がずば抜けていると感じた。ところが、デモCD-Rを買って自宅で聞いたとき、ライブとのあまりの違いにちょっとがっかりしてしまった。それだけライブ力が高かったのだ。それから1年、さらに成長した今を封じ込めた音源を世に放つ。
この日は昨年のフジ・ロック・フェスティヴァルでルーキー・ア・ゴー・ゴーに参戦したマス・オヴ・ザ・ファーメンティング・ドレッグスのレコ発であるスリーマンイベントの2番手。注目の高いバンドだけに、ライブハウスはかなりの動員。ムーディー・オン・ザ・昨晩のホームグランドのようにライブをしているライブハウスだが、これまでステージ前が埋まることはあまりなかった。しかしこの日は違った。ステージ前方に、スタートを待ちわびるオーディエンスが詰め寄せ、いまかいまかと音を待っている。観客数は確実に増えている。そして、ステージにかける期待も確実にあがっている。
その期待に十分応えたステージだった。新作も含め、アルバムに収録される6曲という短いステージではあったが、十分に見ごたえのあるステージだった。ギターの山川はステージ中央で常にドラム、ベースとのコンタクトをとる。彼がバンドマスターとして全体のつなぎ役に徹しているおかげか、バンド全体のまとまりがとてもタイトにまとめられている。当然、個人個人の演奏レベルも高いが、この"結合力"が、合体したときのスパーク度がとても気持ちいい。ブレイクに入る瞬間、暴走する瞬間、その瞬間瞬間がきちんと区切られている。その区切られた中でトリプルギターは好き勝手に暴れ、飛び、跳ね、叫ぶ。
スタートは定番ともなっている「パウゼ」。ギターのカッティングから入り、中盤まではメロディアスな流れをみせつつ、終盤にかけて一気に激しさを増す。見えているはずの道から一気にひきずりおとされ、転げ落ちるように彼らのペースに引き込まれてしまう。照明がさらに落ち、青白い中をぼんやりとシルエットが浮かび上がる。ステージの中盤は彼らが注目を集めるきっかけとなった「ニュータイプ理論」。静かな展開から始まるこの曲は、彼らの代表曲ともいえる曲。途中で一気に覚醒したニュータイプたるトリプル・ギター?は自由自在に暴れまくる、ギターが歪む。
まだタイトルのついていない新曲を合わせて計6曲という短いステージながらも、十分に存在感を示したライブだった。途中、山川のギターネックが折れるというトラブルに見舞われながらも、スリーマンの二番手、30分ほどのステージを走りきった。
「こんばんわ、ムーディー・オン・ザ・昨晩です」というフルサワのMCはどことなく抜けていて、思わず失笑してしまう。しかし、曲に入った瞬間その失笑を興奮に買えるだけの力は確実に持っているバンドだ。3月からは初の全国ツアーもスタートする。今年一年、いろいろなところでこの名前を目にすることだろうと思うが、ぜひ目だけでなく耳で、カラダで感じて欲しい。
-- setlist --
パウゼ / POLICE / ニュータイプ理論 / 新曲 / kau's/205
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comment and photos by yoshitaka
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