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Korn、そしてLimp BizkitやKid Rockなどのラップボーカールを使ったバンド達がシーンをリードしている中で、カート・コバーンの死が単なる一つのロックミュージック史上の出来事となり、「シアトル」と言うマジックワードが何時の間にか何処かへ消えてしまったかの様に感じるアメリカのロックシーン。そんな時代の変化さえも省みず、80年半ばから現在もその音楽性を守り抜いて来たシアトルのバンドが居る。それが、The Melvinsだ。彼ら自身は「シアトル」と言う言葉で括られる事を嫌って来た訳だが、彼らこそ正にその典型的な重く沈むようなサウンド作りに貢献し、Nirvanaを始めとした後続のバンド達に多大な影響を与えて来た。
そのKing Buzzo(Vocals、Guitar、Main Songwriter)率いるThe Melvinsは、99年に一代プロジェクトとなる、三枚のアルバムを年内にリリースする計画を発表する。それが、『The Maggot』『The Bootlicker』 『The Crybaby』の三部作だ。(おそらくレーベル側の判断であると思われるが、『The Crybaby』は当初の予定より遅れて2000年になってからのリリースとなった。)ここで注目して欲しい点は、その短期間にアルバムを三枚リリースしようとした努力ではなく、各アルバムの内容の濃さだ。彼らが過去に発表した作品を耳にした事は在ったが、此れほどまでに充実した内容のものは無かったと思う。
まず始めにリリースされたアルバム、『The Maggot』。これは、ギター中心のアルバムで、躍動感溢れる「動」を表し、ヘッドバンギングしたくなる曲からサバス譲りの重い曲まで収録され、単純にカッコイイと言うしかない。中でも興味深いのは、あのJudas PriestもカバーしているFleetwood Macの名曲、"The Green Manalishi (with The Two Pronged Crown)"のカーバーだ。スローで重く、Buzzの声がこの上なくマッチしている。次にリリースされたのが、『The Bootlicker』。これは先のアルバムと対照的にベース中心のアルバムで、「静」を表している。呪文を唱えるような曲から始まり、最後はアコースッティックギターを使い、バンドの別の側面を提示している。(『The maggot』『The Bootlicker』供に、収録時間40分ジャスト)最後には、次のアルバム『The Crybaby』の、最初の曲の触りが収録されている。
その最初の曲とは何と、70年代アイドルスターだったLeif Garretをボーカルゲストに迎えたNirvanaの代表曲"Smells Like Teen Spirit"のカバーで、これが申し分の無い出来。The MelvinsがNirvanaの曲をカバーしていると言う事自体が凄い。(このアルバムでは、全ての曲にゲストを迎え共演している。)その他Jesus Lizardによる曲や、元HelmetのべーシストであるHenry Bogdanをスティールギターに迎えたカントリー調の曲も在る。そして、98年一緒にツアーしたTOOLと共演したdivorced(The MelvinsのDaleとTOOLのDannyによるドラムの掛け合いも聞き応え十分)と最後まで飽きない。
現在これら三枚の日本盤は出ていないと思うが、是非輸入盤を捜して聞いて欲しい。彼らが如何に自分達の音楽を愛し、数多くのバンドに影響を与え与えられて来たか解かると思う。
reviewed by 南慎治.
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