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スカ好きなら、ギャズ・メイオールの名前を知らない人はいないだろう。スカ/ジャマイカンR&BのNO.1クラブDJとしても名高い彼は、ロンドン・スカ番長の異名をとり、日本のオーセンティック・スカバンド、スカフレイムスの1stアルバムをプロデュースも手掛けた。また、自らもトロージャンズというバンドを率いてフジロックにも出演したり、昨年のプリンス・バスター来日時に、DJとして今はなき新宿リキッドルームに集まったルーディたちを熱狂させたのは、記憶に新しい。(個人的に、彼のDJを見れなかったのは悔しくてたまらないが……)
このアルバムは、そんなギャズの数多いレコード・コレクションの中から、彼自身がセレクトしたトップ・スカチューン25曲をまとめたものだ。スカが生まれたとされる'60年代初期の名曲が、これ以上は入りきらないよってくらい、目一杯詰め込まれている。アーティストの一例を挙げてみても、スカタライツのオリジナル・メンバーでもあるドン・ドラモンド、レゲエ/ダブの大御所リー・ペリーの率いる ジ・アップセッターズ、彼らの曲名からレゲエという呼び名が生まれたという説まであるザ・メイタルズ、ジャマイカ国内で20曲連続No.1ヒットを飛ばすという快挙を成し遂げたデスモンド・デッカー、エチオピアンズなどの名プロデューサーとしても名高いデリック・ハリオット……。ジャマイカの音楽シーンで名立たる人たちばかりが、一枚の中に凝縮されている。
どの曲も名曲ばかりだが、その中でも個人的に特にオススメしたいのが、アップセッターズの「Ten Penny Nail」とデリック&ナオミの「So Wonderful」。前者は、「Nail、Nail、Ten Penny Nail」というサビが印象的な、アップテンポの王道ダンスチューン。後者はアップテンポなリズムに乗せたラバーズ特有の甘い歌詞を、男女ツインボーカルで聞かせるムーディなナンバー。さすがに20年以上にも渡ってロンドンでクラブイベントを続けてきたギャズの選曲だけあって、全25曲69分にも及ぶ中にも捨て曲など見当たらない。
梅雨が明けると、暑い夏が待っている。夏こそレゲエ! というあなた、この夏を乗り切るオトモにぜひ、こんなホンモノの一枚はどうだろう? もちろん片手には、レッド・ストライプかマイヤーズ・コークも忘れずに。
reviewd by imakaz
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