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ひとりで聞くのは勿体無いので
2006年4月17日に発売になったばかりのスコット・マシューズのデビュー・アルバム『パッシング・ストレンジャー』。
その2日後に到着したこのアルバムを初めて聴いた瞬間、なんだかこんな日本の地方都市で独り占めしているのがもったいないような気がするくらい「いいアルバム」だと思った。
何をもってして「良い」ものかというのは、人それぞれ違うことはもちろん承知しています。それでも、敢えてここでご紹介。
しかしながら、この英国ウォーバーハンプトン出身のアーティストに関する情報は今のところ、オフィシャル・サイト上のものくらいかもしれない。それほど大々的にメディアで取り上げられているというほどではないように思う。
大化けするかもしれないし、しないかもしれない。それでも、このアルバムの発売に先立ってシングル・カットされた"Elusive"という曲に対する反応はかなりいいらしい。
そういう自分も、この曲がラジオから流れてきた時に初めてこのアーティストのことを知った人間のひとりなのだが。
その"Elusive"という曲、ちょっとクリス・マーティン(コールドプレイ)っぽく聞こえたこともあって、そんな曲ばっかりだったらどうしようかと思ったのだが、自分の直感に従いアルバムを買ってみることにした。
シングルは良くてもアルバムを買って失敗と感じることも多々ある。しかし、結果的に今回は大当たり。"Elusive"はあくまでもラジオ向きな曲で、アルバムに収録されている曲は全く違う趣を持っている。
本当にいろんな音楽が好きな人なんだと思わせる曲がたくさん詰まっていた。1990年代のいわゆるオルタナティブ・ロック調な曲、まるで『グレース』のジェフ・バックリーかと思わせるようなものや、クリードっぽい、もしくはサウンド・ガーデンを彷彿とさせるような力強い曲もあり。
それ以外にも、最近のロバート・プラントのようなワールド・ミュージックの要素を取り入れた曲もあり、初期のブラック・クロウズのようなサザン・ロックのテイストや、フォークとまではいかないがアコースティックで弾き語りっぽいものはニック・ドレイクを思い起こさせるし、
カラッとしたブルースも個人的にはかなりのツボ。一瞬デイブ・マッシューズ・バンドが頭をよぎったものもあった。
その歌声もさることながら全てがバランスよく収まったこのアルバム、できればヘッドフォンで聴いてもらいたい。
アコースティック・ギターといっても冷たい感じのするものあるのだが、このアルバムで聞ける音はとにかく全てが温かい。
アルバムのレコーディングではスコット本人がギターだけでなく、ベースやパーカッション等さまざまな楽器を担当したらしい。
さて、実際にライブではどうなのだろうか。そんなことが気になり始めた。ともかく、簡単に試聴ができますから、マイスペースのサイトで。
reviewed by miyo
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