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アイルランド出身の3人組、God Is An Astronaut(ゴッド・イズ・アン・アストロノウト)。2007年7月18日、彼らのアルバムが初めて日本のレーベルから発売された。
それがこの『ファー・フロム・レフュージ』。彼らにとって3作目、最新作となるアルバムである。本国では4月にすでにCDとダウンロード形式で発売されていた。ボーナス・トラック付で紙ジャケ仕様となっている日本盤。いわゆるポスト・ロックと呼ばれる音楽は、日本でもそれなりに人気があるようだと改めて感じさせられる。だが、「やっと日本盤。長かったよなぁ。」というのが正直な感想だ。
2003年にデビュー・アルバム『The End Of The Biginning』を発表。おそらく、私が初めて彼らの曲を聞いたのは2004年の初めごろだったかと思う。ギター轟音系というよりも、シンセサイザーを中心とした聞きやすいインストゥルメンタルの楽曲という印象の反面、オフィシャル・サイトに置かれてあった映像は核爆発を連想させるものなどがあり、かなり衝撃的だった。ライブではそんな映像をバックに演奏するようだ、という程度の認識。それでも、オンラインで購入できるということで、即買い。
2005年にはセカンド・アルバム『All Is Violent, All Is Bright 』を発売。前作よりもロック色が強くなり、ぜひともライブを観てみたいという想いが強くなった作品であった。残念ながら、いまだに彼らのライブは体験できていない。ここ3年ほどの間に、1、2日の差でロンドンで入れ違うなど、何度か機会を逃してしまっている。今回、日本盤が発売されたということで、「彼らのライブがここ日本でも見られるかもしれない」という淡い期待を抱いてしまいたくなる。
昨年10月に発売された5曲入りEP『A Moment of Stillness』を経て発売された『ファー・フロム・レフュージ』。オープニング・トラックの"Radau"とそれに続くタイトル・トラックの"Far From Refuge"は今までの作品に比べて力強く、骨太で、何度聞いてもドキドキする。しかしながら、その後は一気にトーン・ダウン。静かに、美しく、そして堅実に、だが、まるでBGMのようにさらっと流れていってしまう。中盤から後半にかけてもドラマティックな展開はない。冒頭の2曲で期待感が高まってしまったがゆえに、アルバムを「ひとつの作品」として捉えるには、なんとも複雑な心境になる。
アルバムはあくまでもアルバム。作品ごとに違う味わいになるものなのだろう。では一体「ライブ」という場で彼らがどういうものを表現しているのか、やはりこの目と耳で確かめてみたいと思う。今度こそニアミスのないように、そう願う。
reviewed by miyo
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