グラストンベリー

Glastonbury

"グラストンベリー"
(国内盤 / US import)

Glastonbury

"Music from Glastonbury: The Film"
(US import)

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 あのフジ・ロックの元になったイギリスの野外フェスティバル『グラストンベリー』(以下、グラスト)。このDVDはそのグラストが刻んだ37年の歴史をダイジェストで収めたものだ。農場経営者であるマイケル・イービスの所有地を解放しフリー・コンサートから端を発したこのイベントも、今では参加者が15万人とも20万人とも言われる巨大イベントに発展した。ビョークに、ブラー、ジョー・ストラマー、デビット・ボウイなど収録されているアーティストの知名度も、超が付けられるような一流どころが盛り沢山だ。監督はジョー・ストラマーやセックス・ピストルズのドキュメントを手掛けたジュリアン・テンプル。

 グラストの映像に関していうと、これまでCSで放送されたものを何度か見た記憶があるが、この作品は、そのどれとも似て非なるものだ。決してアーティストをメインとして取り扱っていない。会場の風景、観客のコメント、行政側からの視線、グラスト近隣に生活をする普通の人々。グラストを構成しているものは決してアーティストだけではないことが良くわかる。巨大に膨れ上がったこのフェスティバル全体を映し出そうと試みるのであるならば、その姿勢は当然の帰結といえるのかもしれない。この姿勢が一つはっきりと映し出したのは、アーティストのステージだけを見ていてはわからないものが、グラストにはあるという事。そして、そこにこそ、このフェスティバルの大きな価値が詰まっているのではないかという事だ。

 そんなグラストの風景は、フジ・ロックと見比べるととんでもなく無秩序な印象を受ける。映し出されるフェスのダーティーな一面。ドラッグに不正入場、トラべラーズ達の暴動。(解決のためにお金のやり取りさえしている。)決してきれいごとだけじゃ済まされないフェスティバル運営の内面を映し出す。ただ、そんなちょっと目をつぶりたくなるような面にさえも明らかな意思や思想が内包されているのが面白い。それがぶつかり合い、交錯し、感動的な場面ばかりではないリアリティーを画面に映し出す。

 その点では、日本にある既存のフェスティバルはかなりソフィスケイトされている印象が強い。必要以上に秩序だった主催側のアナウンスや、ステージが中心になってしまう会場レイアウト。参加者の居住性を高めるためとはいえ、それは自分達のための余白を消し去ることになってしまうのも事実だ。そんな意味では、グラストはたっぷりの余白がまだまだ残されている。歴史はあちらのほうが長いのに、だ。ヌーディストも、セクシャルマイノリティーも屈託のない笑顔でグラストを楽しんでいる姿が印象的だ。「観客はこの会場からポジティブなものを持ち帰るんだ」というコメントに、グラストの強い影響力、自由とは何ぞやを強く考える姿勢を伺わさせる。この場所は、生き方を叫ぶ場所であり、最後に流れ着く砦であり、再び飛び立つ滑走路でもあるのだ。

 とは言え、日本だって、フェスティバルに参加する事は一つの意思の現れだと思う。グラストが万能だというわけでもないだろう。そもそも万能なフェスティバルなんて面白くとも何ともない。どんなにソフィスケイトされようと、そこに参加者の、自分の意志が入ることが、フェスを楽しむ最大のコツだと改めて実感する。

 この作品を見て、グラストに行ったことのない自分がどうしてこれほど実感を持てたのかと考えると、やはりフジロックでの体験があるからだろう。そんな、フジロックに行った時のワクワクやドキドキが見事に甦る2時間。必見です。

reviewed by sakamoto


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