シベリアン・ニュースペーパー

シベリアン・ニュースペーパー

"コミカル・サルート"
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 シベリアン・ニュースペーパーのセカンド・アルバム『コミカル・サルート』。曲目を眺めてみると、全11曲のうち半数近くの曲はすでにライブで披露済み。目新しさに欠けるかと思っていたが大きな間違いであった。

 ライブ・パフォーマンスを見て「これはいける」と感じたバンドであったはず。だが、今まで実際にナマで見てきた聞いてきたシベリアン・ニュースペーパーは一体なんだったのだろう。これでもまだまだ気に入らないところはたくさんあるだなんて、一体彼らの頭の中ではどんな音が鳴っているのだろうか。

 ステージで見ることのできる「ものすごくいい瞬間」の彼らをぎゅっと凝縮して詰め込んだかのようなアルバムだ。

 エモーショナルで、攻撃的。美しく、奥深くて、ちょっぴりパンク。でも、とっても優雅。

 彼らはインストゥルメンタル・バンドだ。ギターの轟音やプログラミングされた機械音が鳴らされるようなインスト・バンドではない。アコースティック。電気の通っていないところでも演奏できてしまうようなインスト・バンドである。そういった楽器だからこその温かみや優しさはもちろんある。だが、そこにコトバはない。

 それでも、まるでそこに「MC」がいるかのように思えてくることがある。「シンガー」ではなく、マイク片手に言葉を使って韻をふみながら何かを表現していく「MC」。歌いあげるというよりも語りかけているかのように聞こえてくるヴァイオリンの音色。弾き手の息使いまでも伝わってくるかのような演奏は聴くたびにさまざまな情景を浮かばせ、いろいろなことを考えさせる。

 アルバムのタイトル・ソング"コミカル・サルート"で華やかに幕を開け、中盤"クオリア"や"オンディーヌ"のようなライブではなかなか聞くことのできない一面ものぞかせつつ、最後を飾る"サン・ジェルマンの殉教"までシベリアン・ニュースペーパー・ワールドぎっしり。

 今後、どこまでどんなふうにその世界は広がっていくのだろう。前作『Asiatic Spy(エイジアティック・スパイ)』から1年8ヶ月で届けられたこの作品を聴いていると、ひとつのジャンルに収まりきらない音楽の可能性を追求できるおもしろい存在のバンドであり続けてほしいと思うのである。



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