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ドブロ・ギターとウォッシュボードとドラムを抱えた、なんともあか抜けない3人組のジャケットだけで食いついてしまった「聖職者ペイトンのもう、すんげぇバンド」。ギターとヴォーカルの"レヴ"・ペイトン、ドラムスのジェイム・ペイトン、そして、"ウォッシュボード"・ブリーズィ・ペイトンの、ペイトン家の夫婦と弟によるインディアナポリス出身のファミリー・バンド。
のっけから、乾いてひしゃげたドブロと、ジャグ・バンド然としたザックザックとしたリズムの、フックの効いたハイ・テンションな演奏にヤラれてしまう。曲のタイトルは「金払えねぇ〜よ」とか「ママのフライド・ポテト」とか「おまえのいとこが警官だってな」とか「ウォルマートが地元の商店をぶっ潰した」とか「柿の木の歌」とか。
なんでも、3年間のツアーで手売りだけで25,000枚のアルバムを売り上げた、らしい。この現場直結な空気がいちばんの魅力。YouTubeで見れる嫁さんブリーズィの、推定体重90キロの全身をシェイクさせて「快活に」洗濯板をかき鳴らす姿がもう、たまらない…苗食かパレスで見てみたい。
「聖職者」ペイトンの、アーミッシュ風なのかホーボー風なのかよくわからん顎髭(ユダヤ風じゃないとは思うが…)が、北部っぽいのかどうなのか。テネシーやミシシッピ・デルタの南部のそれとはまた違ったテイスト。かといってバディ・ガイ(数々のヴィンテージ・ギターを弾き倒した新譜『スキン・ディープ』がもう圧巻)のような、シカゴ・ブルーズの都会的なモダンさとも無縁。
さしずめ、レッドネック(白人労働者)・ブルーズの伝道師といったところか。北部の古都出身ということで、ジグやポルカなど、とくにリズムにはヨーロッパ移民の音楽の要素も入っているのだろう。この辺り、E.アーニー・プルーの小説『アコーディオンの罪』を思い浮かべる。
アコーディオンは入っていないけれども、移民たちや奴隷たちがもたらした新大陸のハイブリッドなフォークロア音楽に違いない…つまり、早い話、パーティーでみんなで踊るための音楽。
彼らの公式サイトでは洗濯板も売ってます。「ブリーズィは売り物じゃないからゴメン!」だって。
reviewed by ken
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