特集『コンドウトモヒロ・歌の色』
コンドウ トモヒロ @ Asahikawa CASINO DRIVE (22nd Jan '05)
part.3 - 旭川編
「旅人の歌」
旭川の街は静かだ。碁盤の目に区切られた通りや、メインストリートに西武や丸井今井が立ち並んでいるところなんかは、リトル札幌(旭川の人は嫌がるかもしれないが。本州の人間からするとそう見える)といった趣なのだけれど。店が閉まる時間も、人がストリートから減り始める時間も早い。一晩中お祭り騒ぎの渋谷などとはまったく違う、落ち着いた、でも少し寂しい匂いのする街だ。
この日のライヴは、そんな街の色に合わせるように、静かに時間が流れていった。昨年のフジロックから立って唄うスタイルでライヴを続けてきたが、コンセプトに合わせて今日は座って唄う。途中MCで「旭川は、座ってしっとり、お酒でも飲みながらやるのがいいかと思って」といっていたように、ギターを抱え、じっくりと言葉をひとつひとつ丁寧に紡くように唄っていく。
前日の札幌とは雰囲気もセットリストもがらっと変えてきた。1曲目はJERRY LEE PHANTOMのカヴァー”This boring rock”。原曲が持っている熱っぽさはそのままに、まったく違う表現をしているところが面白い。普段のライヴでもよくやっているので、ぜひ一度聴いてみて欲しい1曲だ。”静かな世界へ”では夏がでてくる歌詞を「真冬を彩る雪に」と変えて唄う遊び心も見せる。札幌でも聴かせてくれた”きみはどこに?”は今日はギターが優しく響くアルペジオバージョン。札幌と2日間とも観た人でも、違うストーリーを感じられたのではないだろうか。”恋に落ちたままで”は弾き語りの中ではアップテンポで、バンドでやってもハマる曲なのだが、こういう静かな流れの中だとまた違った感じで聴くことができる。歌詞が際立ってくるし、曲の根幹の部分、もともと持っている良い部分がむき出しになって心臓に突き刺さってくるようだ。緩やかな曲が続いた後に、ガツッときて、ライヴを引き締めるポイントとなる曲だった。
ラストはPEALOUTの”旅人の歌”を持ってきた。初めて訪れて、初めてライヴをやる場所。観る側も、おそらくほとんどが初めてコンドウトモヒロのライヴを目にする、という中で、その人たちが少しでも知っている曲を聴かせたい。そんな気持ちがあったのだろうか? 北の大地まで旅をして歌を届ける姿とこの曲が重なるような気がして、胸が熱くなった瞬間だった。
今回の旅はこれで終わるけれど、また別の場所で音を響かせる”歌の旅”は続いていく。そんなふうに思えた北海道2daysのラストだった。
- set list -
1.This boring rock(JERRY LEE PHANTOM)/2.静かな世界へ/
3.透き通った地図をもって/4.TODAY/5.きみはどこに?/6.恋に落ちたままで/
7.走る風のように、落ちる雨のように。8.旅人の歌
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report and photo by wacchy
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The official site
PEALOUT
http://www.pealout.jp/
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