Super Furry Animalsスーパー・ファーリー・アニマルズ
ウェールズの賛歌


Super Furry Animals
 グリフは名義は違えど、グリーン・マンの常連さんとしていろんな形で出演しているし、ステージに上がっていないギトもフェスには遊びにきている。じゃあ、なぜ、グリーン・マンにスーパー・ファーリー・アニマルズは出演しないのか? これまでグリーン・マン・フェスティヴァルに抱いていたささやかな疑問だった。グリーン・マンがスモール・フェスティヴァルを保つために、スーパー・ファーリー・アニマルズを出演させないのだろうか? それとも、グリーン・マンを特別な場所としてファーリーズが拒み続けているのだろうか? なんていう勝手な憶測をしてみたりしていたわけで真意はわからないけれど、6年目の今年、満を持しての出演がアナウンスされた。ウェールズでスーパー・ファーリー・アニマルズが観られるのだ。Izumikumaさんの話によると、数年前のイギリスでのファーリーズのライヴはモッシュどころか、ダイヴまで起こっていたこともあるという。地元でファーリーズ、ダイヴまで起こることはなくても、何だかやんちゃなお祭り騒ぎのようなシーンを目にしてしまうのだろうか? と半分ドキドキ、半分ワクワクしながらその時を迎えた。

Super Furry Animals  これまでたっぷり降った雨もファーリーズの登場のためかのようにピタリとやんだけれど、ライトに照らされる地面は水をたっぷり含んでピカピカ光っている。1歩歩けば、後ろに泥をひとはねという具合にスカートに模様が描かれていくのも、もうこれだけの雨と泥に見舞われるとどうでもよくなる。ただ、寒さだけは我慢できず、これ以上濡れたくないと完全に手ぶらでメインステージに向かうと、しっかりお酒で体を暖めて、準備万端とばかりに集まってくる人、人、人。オープニングの"スロウ・ライフ"を、あの場所であの瞬間にあのオーディエンスとともに、私の目の前で……というだけで完全にノック・アウトされてしまった。"リングス・アラウンド・ザ・ワールド"や"ハロー・サンシャイン"、そして珠玉の"ジャクスター・ポーズド・ウィズ・ユー"に、やっぱり一番の盛り上がりは"ザ・マン・ドント・ギヴ・ア・ファック"。とにかく隣あう者がすべて同士でいっしょに肩を組みながらご機嫌に歌う、歌う、歌う。もう、これから先、これ以上のファーリーズを見る日なんてくるのだろうか? と思えてきてしまうほどだ。会場で、至ってフツウに仲間と談笑している姿はまさに田舎のお父さんなギトもステージに上がってベースを構えば、ミュージシャンだったことを思い出させてくれる。それにしてもバンフが"アリガトウ"と日本語で言ったのは何かの聞き間違いなんかじゃないよね? フェス仕様のセットだったためか、それとも本国でのライヴだったからなのか、日本のライヴではライヴ後半に、加速するかのように演奏される"ドゥ・オア・ダイ"や"カリメロ"といった曲は演奏されることはなかった。でもそういう曲がないことがまったく気にならないし、それこそが今のファーリーズそのものなんだと、むしろそういう類の曲は必要なかった。

Super Furry Animals  ライヴが始まるまでは、闇に包まれたウェールズの山をバックに、ステージ、照明、オーディエンス……それらすべての光景を含んだライヴ全景を見ようと、後方にいるも、最終的にはステージの真ん前、今回のフェスで一番の危険地帯、モッシュピットになだれ込んでしまっていた。それはそれは男臭いお祭り騒ぎの渦が巻き起こり、ステージが見えないどころの問題ではないくらいの熱気の発信源と化していた。"エス・エフ・エー!エス・エフ・エー!"ともう一度ファーリーズを呼ぶのはカワイイ女の子の黄色い声なんかではなく、野太い野郎の声。そう、ここの国ではスーパー・ファーリー・アニマルズの音楽は、まさにウェールズの男たちの賛歌だったのだ。このウェールズで地元の英雄ファーリーズと、ファーリーズをこよなく愛する人たちは陽気この上なかった。ライヴが終わってももう一度ファーリーズを求める"エス・エフ・エー!エス・エフ・エー!"コールが続くも、ファーリーズがステージに戻ってくることはなかった。ステージの照明が落ち、SEが流れ、スタッフが撤収しても、それでも。"エス・エフ・エー!エス・エフ・エー!"という声は闇に響き続けた。

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The Green Man Festival 2008 (intro)



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button2008

buttonザ・グリーンマン・フェスティヴァル特集 : ジェームス・ヨークストンキング・クレオソートスピリチュアライズドフェンス・コレクティヴスーパー・ファーリー・アニマルズザ・ぺスカリブー (15th to 17th Aug. @ グラヌスク・パーク、クリックホウウェル、ブレコン・ビーコンズ国立公園)
button静から動へ:マルコム・ミドルトン(20th May. @ 京都アバンギルド)
button点と点が線になる:レイチェル・ダッド(17th May. @ 京都アバンギルド)
buttonスープは冷めない距離で、音楽は人肌を感じる距離で:アリー・カー(5th Apr. @ 大阪マーサ)
buttonCD review : オフ・ザ・レーダー:アリー・カー(25th Mar.)
buttoncolumn : ケイティ・タンストールに吹く風(10th Mar.)
button狼少年が描く世界:スフィアン・スティーヴンス(21st Jan. @ 心斎橋クラブクアトロ)
button完全敗北宣言:カリブー(13th Jan. @ 代官山ユニット)


button2007

button無意味にこそ意味がある:ホット・チップ (2nd Sept. @ コネクト・ミュージック・フェスティヴァル 2007、インヴァレアリー・キャッスル)
buttonジェットコースターに乗ってゴスペルを:ポリフォニック・スプリー (2nd Sept. @ コネクト・ミュージック・フェスティヴァル 2007、インヴァレアリー・キャッスル)
button音を楽しむということ:プライマル・スクリーム (1st Sept. @ コネクト・ミュージック・フェスティヴァル 2007、インヴァレアリー・キャッスル)
buttonステージとオーディエンスとの距離:キング・クレオソート (31st Aug. @ コネクト・ミュージック・フェスティヴァル 2007、インヴァレアリー・キャッスル)
button1娘+3親父=スコットランド:ティーンエイジ・ファンクラブ (1st Sept. @ コネクト・ミュージック・フェスティヴァル 2007、インヴァレアリー・キャッスル)
buttonジェットコースターに乗ってゴスペルを:ポリフォニック・スプリー (2nd Sept. @ コネクト・ミュージック・フェスティヴァル 2007、インヴァレアリー・キャッスル)
button偉人の幻影を観た:ジ・エイリアンズ (31st Aug. @ コネクト・ミュージック・フェスティヴァル 2007、インヴァレアリー・キャッスル)
buttonキング・クレオソートがいるべき場所:キング・クレオソート (29th Aug @ バー・アンド・キッチン、ロンドン)
buttonCD review : ビー・スティングス:ビー・エム・エックス・バンディッツ(14th May.)
button時間を経て確立された揺ぎないバンドの軸:ザ・クーパー・テンプルクロース(10th Apr. @ 心斎橋クラブクアトロ)
buttonCD review : アストロノーミー・フォー・ドッグス:ジ・エイリアンズ(24th Mar.)
buttonCD review : ペーパークリップス・アンド・サンド:ジョー・マンゴー(9th Feb.)
button飾らないオトコ達の職人芸:キャレキシコ(19th Jan. @ 福岡ソウル・バード)
button2006

button歌い手は酔いどれがちょうどいい:アラブ・ストラップ(14th Dec. @ 京都メトロ)
buttonCD review : ザ・ハッピー・ソング:ジ・エイリアンズ(19th Oct.)
button地中に張り巡らされた根:モハーヴィ・スリー(7th to 8th Oct.)
buttonザ・グリーンマン・フェスティヴァル特集 : サーキュラスジ・エイリアンズグリフ・リースキング・クレオソートバート・ヤンシュキャレキシコ洞窟でのスペシャル・ライヴ - グリフ・リース (18th to 20th Aug. @ グラヌスク・パーク、クリックホウウェル、ブレコン・ビーコンズ国立公園)
button再び輝きを : ジ・エイリアンズ(25th Aug. @ ナイト & デイ、マンチェスター)
buttonイッツ・ア・ショウ・タイム : コールドプレイ(15th July @ インテックス大阪)
button無防備の産物 : ベル・アンド・セバスチャン(1st Jun @ 大阪なんばハッチ)
buttonCD review : ブラック・ゴールド : キング・ビスケット・タイム (30th May)
buttonCD review : エリアノイド・スターモニカ EP : ジ・エイリアンズ (8th May)
button裸の王様はだあれ? : アークティック・モンキーズ (2nd Apr. @ ゼップ大阪)
button間と呼吸感、そして全てが確信犯 : ザ・ホワイト・ストライプス (9th Mar. @ ゼップ大阪)

無断転載を禁じます。The copyright of the article belongs to Kuniko Yoshikawa and the same of the photos belongs to Izumi Kumazawa . They may not be reproduced in any form whatsoever.counter
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