コンドウトモヒロ(PEALOUT)・インタヴュー
「もっと唄いたいっていう気持ちは、10年間変わっていない」
--Part.5--
--結成10年ですけど、特別な感じは?
「特にないかな。10年目だから、じゃあ、アルバム作るときに過去の曲をリテイクして…とかそういう話もまったく出なかったし。あっという間だったしね。10年って感じがしないからかもしれない。実生活だとバンドの方が充実してたから、1こ1こ歳をとってる実感ってすごくあったのね。でも実際バンドのことだけ考えるとあっという間だったかなって」
--充実して歳をとっていけるっていいですよね。
「そう、それはすごく幸せなことだと思う。多分やりたいことができてるからだろうな。迷ってたり、ちゃんとやりたいことじゃなかったりしたら、こんなに充実した感じを得られはしなかったのかなぁって」
--迷うことってなかったんですか?
「いろんなことで迷ったりってことはあったけど、自分がやりたいことは一貫してるから。それはすごくシンプルなことで、俺に関しては歌を唄いたい。演奏したいライヴをしたい、っていうのはまったくこの10年変わることがない。それは今も、単純にもっと唄いたい、もっと唄う場所を作っていきたいっていう気持ちは変わってない。まわりの装飾部分で悩むことは多いけど、歌を唄うことに関しては迷うことがないから。
今バンドがメインで活動してるけど、空いた時間があれば弾き語りでも歌っていたい。1カ月30日あって、バンドで2日しかライヴやらない、残り28日空いてる、だったらその空いたスペースになんかいれないと、せっかくこの時間があるのにもったいないと思うくらい。だから弾き語りは基本的に誘われればことわらないのね。俺にやって欲しいという場所があるなら、どんどん行こうと思ってるから」
P.S.
9月18、19日の下北沢2daysを皮切りに、PEALOUTは全国ツアーに出る。9月から12月までの3カ月、ワンマン、イベント合わせて全20本。「殺るか殺られるか」くらいの緊張感があるというPEAOLOUTのライヴ。日程的にも体力面でもハードになりそうだし、もしかして弾き語りはお休みかなぁ…、などど勝手に心配していたのだが、ツアー中も変わらずやっていくそうだ。「ツアーは基本的に土日使って行くから、平日は空くでしょ。その間も唄っていたいと思うから」。"当たり前でしょ?"って顔でそういわれて、『あぁ、この人は心の底から"ヴォーカリスト"なんだな』と改めて思った。
今まで、何か不思議と惹きつけられるな、と思いながら上手く見つけることが出来なかったコンドウトモヒロの歌の力とか、魅力の源になっているものが少しだけ見えた気がした。「もっと唄いたい」という単純で真っ直ぐな思い。それが全面に押し出されて、歌から伝わってくるから、聞いた人はその力に取り憑かれてしまうのだ(本人に言うと『人を悪魔みたいに!』というのだが…)。
その力は弾き語りだけじゃなく、当然PEALOUTの方にも色濃く出ているわけで、今の、PEALOUTの近藤智洋を存分に見られるであろう作品のリリースも、ツアーも楽しみで仕方がない。「2本見ないと後悔するよ」と公言してはばからない東京での2days、「いろんな所に音を運びたい」という思いで久々に訪れる場所、そして「スペシャルな感じでできたらいいな」とまた凄いことが起こる予感のツアー最終日。すべての場所ですべての瞬間に"歌いたい、演奏したい、ライヴがしたい"という思いを全力でぶつけてくるだろう。見る側もそれを全力で受け止めて、投げ返すくらいの気持ちでいたいと思う。
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interview by wacchy and photo by saya38
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