近藤智洋バンド メンバー・インタビュー(27th May '06)
近藤智洋ファミリー
- part2 -
--レコーディングもいい雰囲気だったみたいですね。
城戸:かなり良かった。レコーディングの後に近藤さんからもらったメール、読んでオレ泣いちゃった。
ピロ:近藤さんの文章って感動するよね。ホントびっくりするくらい。もう感動して、ものすごい長文を送り返しましたね。「オレ、CD手売りしますよ!」くらいの勢いで。そこまでさせるくらい素晴らしかったですよ。
--どんな内容のメールだったんですか?
工藤:「すごくうれしい」っていうことを書いた後に、だいたい一文につきひとカッコあって、自分の言ったことに自分でつっこんでるの。それくらい舞い上がっちゃってる文章で(笑)。
城戸:とにかくいいレコーディングが出来てうれしい、ホントにありがとう、というのがほんまに伝わってくるメールやった。はっきりいって僕らは近藤さんのためにやってるっていうよりかは、自分もうれしくて、自分のことのように思ってやってるから「近藤さん、そんな。こちらこそありがとう」て言いたかった。それはみんな一緒の気持ちやと思う。
城戸:録ってる時も、近藤さんのソロやのに、自由なんですよ。普通だったらもっと「ああして、こうして」ってなると思うんですけど、すごくのびのびとやらせてくれる。めっちゃ気ぃ使ってくれるから。
ピロ:「とりあえずやっちゃって!」といってくれるから、こっちも「じゃあやっちゃおう!」みたいな。
城戸:近藤さんの中でこだわりがあったとしても、こっちが出してきたものを「とりあえずやってみよう!」て感じだから、楽しくできます。
--ライヴの時の音造りも同じように「こうして」というようなリクエストはないんですか?
工藤:ないですね。素材を渡された時のデモにベースの音も全部入ってる場合もあれば、ギターだけの時もあって、ベースがあれば参考にさせてもらいますけど特に指定はない。それで、実際に音を出したときに違ってたらもうちょっとこっちの方向、みたいのはありますけど。
近藤さんって自分の中で音に対する「アリ、ナシ」がすごくはっきりしていると思うんですよね。とりあえずやらせてもらって、じゃあそれでいこうかっていうのと、それはちょっと違うね、っていうのがいい意味ではっきりしている。
城戸:その割に、言い方がすごい優しいから、こっちが自分のプレイに対してなんか言われても「じゃあ、そんな感じでやります!」って素直に思える。本当に僕らを尊重してくれるんですよ。力を100%以上に出してくれる。僕は普段いろんな人と一緒にやっているけど、その中でも特にそれは感じます。のびのびできるから、音を出すのが恐くない。
--レコーディング前後でバンドは変わりましたか?
全員:う〜ん。
ピロ:良くなった、というのはもちろんあるけど、僕の中では自然なんですよね。今の状態でもレコーディング前の状態でも。僕はこのバンドに、近藤さんとヒロシくんとよっちゃんが3人でやっていた中に入った時、その段階で自然だったんですよ。緊張もしなかったし、逆にワクワク感があって。バンドとしてすでにかたまっているけど、その中に僕が入っても逆に面白いんじゃないかな? と思ったくらいでしたから。1回目のライヴ終わって「いないよなこんなバンド。アコギがいてドラム、ベースとパーカッション。こういう編成面白いかもな」と。そこから今まで、すごく自然に来た感じはしてます。
城戸:でも、絶対レコーディングして良くなっていると思う。より、ひとつになった。
--メンバーから見た近藤さんはどんな人ですか?
城戸:King Of いい人。
工藤:そう。それはまさにそう。近藤さんを知ってるバンドの人に「一緒にやってるんだ」って話すと、みんなに「近藤さんいい人だよね」っていわれる。アルバムに関しても、今回自主制作なのにホントにいろんな人が助けてくれる。すごくバックアップされていて、それはやっぱり人柄だなぁと思います。
城戸:それだけ人を動かせる力があるってことだよね。ホントにすごい。
工藤:完成されたB型って感じ。こういうと全国のB型の人に悪いんですけど(笑)、なんかB型って、自己中心とかわがままとかいうじゃないですか。確かにそういう要素はあるんだけど、人に気も使えるし、でも自分の意見はきちんともっている。素晴らしいなってホントに思う。
城戸:たまに僕がいらんこと言うと「ヒロシ、そういうことは言わないほうがいいよ」とか言ってくれて。そういうときにオレはうれしくなる。アニキ的なところも僕にはあります。
--ピロさんはどうですか?
ピロ:ものすごくホントに優しい人で、まわりがきちんと見えている。視野がすごく広いんでしょうね。その中で自分というポジションを持っていて、例えばこのバンドだったら近藤さんが軸になってるわけじゃないですか。でも、どういうふうにやっていけば上手くいくのか、とか多分考えてないと思うんですね。自然に「彼らがこうだから、こういうふうにしておけば大丈夫だ」っていうところが見えていると思う。これは僕の考えなんですけど。そういうふうに自然体なのがひとりの男としてカッコいいなと思いますね。
工藤:褒めまくり(笑)
--それでは、最後に『近藤智洋』というアルバムについて、それぞれ思うことを。
ピロ:このアルバムは本当に素晴らしい出来だと思っていて、とにかくたくさんの人に聴いてもらいたいです。近藤ワールドを味わって欲しい。買ってもらうのはもちろんなんですけど、ラジオとかネットでもかかると思うし、色んなところで情報をつかんで、まず聴いてもらいたいっていうのが一番の気持ちですね。
城戸:……うまく言葉がでぇへんな…。すごくいい作品というのはもちろんで、音も良くて曲もいいし詞もいいし。だから逆にこれがダメっていう人がいたら、まず僕んとこに来い! 「ちょっと、話ししようぜ」みたいな。近藤さんっていう人の人柄がそのままストレートに伝わるアルバムだと思うから、だから『近藤智洋』っていうアルバム名で、これをダメって言う人は近藤さんを否定するような人なので、そういう人は僕はキライです(笑)。
工藤:アルバムのタイトルを何にするんですか?って聞いたときに、まだレコーディング中だったから決めてないかな、と思ったんですけど「もう決まっている」って教えてくれて。昔から、これだっていう1枚が出来たら、自分の名前をタイトルにしようと決めていたらしいんですよ。で、今度『近藤智洋』にするって。「えっ、1枚目から!?」と思ったんだけど、でも近藤さんの中ではそれくらいの自信作。その中に今まで2年間やってきたことが糧になっているわけじゃないですか。そういう作品で一緒にやれたっていうことがすごくうれしかった。出来上がりも、今までライヴでやって来たものだけじゃない、ギターがゲストで入ってくれてたり、いろんなドラムのアイデアがあったりとか、すごくいろんなものがふくらんでいるんです。月並みな言い方ですけど、本当にオススメです。
城戸:純粋にいろんな人に聴いて欲しいですね。これが売れるような世の中やったらすごく素敵だと思います。最近売れてるようなものよりも、こっちを聴いて下さい!
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-- outro --
普段はそれぞれ別の場所で活動をしているメンバーが、近藤智洋という人に対してここまで真剣に言葉を選び、考え、話しをしたことに感動した。城戸君が話していたように、近藤さんの活動を、本当に他人事ではなく自分のこととしてとらえている。もう、この3人は"ゲスト"ではなく"ファミリー"なんだと思った。いや、3人だけではなく、このアルバムに関わった人は、きっとみんながそうなのだろう。近藤ファミリーの力が集結して出来上がった作品は、言葉ではうまく説明できないような、いろんな想いで溢れている。
そんなアルバムを持って、7月にはこのメンバーで札幌、名古屋、大阪、東京と初のツアーに出る。旅の中でますます結束が強まって、より良い形になっていくであろうバンドの変化を観るのが楽しみで仕方がない。いいライヴになることは確実だ。近藤智洋という人間に惹きつけられ、大好きだと掛け値なしに言い切る素晴らしいミュージシャン達が本気でプレイするのだから。これを見逃す手はない。今からスケジュールをしっかり空けて、その日を待とう!
"近藤智洋アルバム発売記念ライウ゛"
7月10日:札幌 スピリチュアル・ラウンジ
7月15日:福岡 クロージング・タイム(弾き語り)
7月19日:名古屋 クラブ・アップセット
7月20日:大阪 梅田ハードレイン
7月22日:三軒茶屋グレープフルーツムーン(弾き語り)
7月25日:下北沢クラブ・キュー
*その他にもライウ゛がたくさんあります!
詳細はオフィシャル・サイトでご確認下さい。
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interview and photos by wacchy
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2006
Interview : 近藤智洋ファミリー:近藤智洋バンド(06/05/27)
Interview : 『鳴っている音は自分の中にずっとある。』:近藤智洋(06/05/12)
『今伝えたいことを、今の声で。』:近藤智洋(06/05/10 @ 下北沢 440)
『多彩な力を感じてほしい』:近藤智洋(06/04/22 @ 三軒茶屋グレープフルーツムーン)
声の続きが観たくなる:コントロール・フリーク!!(06/04/21 @ 吉祥寺プラネットK)
CD Review:『On The Street』新井 仁
CD Review:『シルトの岸辺で』Beyonds
『近藤智洋・ライヴ週間記』 : 下北沢/札幌/旭川/福岡 : 近藤智洋(06/03/16-23 @ Tokyo,Sapporo,Asahikawa,Fukuoka)
photo report:Hariss(06/03/19 @ 旭川カジノドライウ゛)
下北沢のような…、でも間違いなく札幌の空気 : In The Air(06/03/18 @ 札幌スピリチュアル・ラウンジ)
photo report : Tomohiro Kondo(06/03/16 @ Shimokitazawa Club Que)
photo report : Beyonds(06/02/17 @ Daikanyama Unit)
楽しくてカッコいい。それがアンダーステイトメンツだ! : アンダーステイトメンツ(06/02/02 @ 新宿ロフト)
進化するアコースティックイウ゛ェントF.O.V : Focus On Voice Osaka 2(06/01/21 @ Shinsaibashi Club Jungle)
2005
声の表現者 : Focus On Voice Osaka 1(05/10/28 @ Shinsaibashi Club Jungle)
三色音色 : 近藤智洋、花田裕之、古明地洋哉 (3rd Oct @ 三軒茶屋グレープフルーツムーン)
夢うつつ : Jude (7th Oct @ 渋谷AX)
「帰れっ!」て言われても帰らない!! : Lonesome Dove Woodrows @ Shimokitazawa Shelter(5th Oct '05)
笑顔の種をもらった夜 : the castanets (19th Sep @ 下北沢クラブ・キュー)
真っすぐにロックする男達 : Bandwagon (17th Sep @ Shimokitazawa Shelter)
Nobuo Shinohara & Michio Joh : Focus On Voice V (2nd Sep @ Shimokitazawa 440)
photo report : Tomohiro Kondo (2nd Sep @ Shimokitazawa 440)
photo report : Hiroya Komeiji (19th Aug @ Shimokitazawa Club Que)
photo report : DUSK (19th Aug @ Shimokitazawa Club Que)
はじめまして、あふりらんぽ。また会いましょう、あふりらんぽ! : あふりらんぽ (18th Aug @ 下北沢シェルター)
「PEALOUT LAST STAND 響音 最後の狂鳴」レポートを終えて : ピールアウト (1st Jul @ 渋谷クラブクアトロ)
ツアーファイナル、東京。会場に溢れた"Peace,Energy And Love" : ピールアウト (1st Jul @ 渋谷クラブクアトロ)
大阪は最後まで熱かった! : ピールアウト (26th Jun @ 心斎橋クラブクアトロ)
長くて短かった名古屋の夜 : ピールアウト (24th Jun @ 名古屋クラブクアトロ)
photo report : Pealout (24th Jun @ Nagoya Club Quattro)
「ありがとう札幌!」、「ありがとうピールアウト!」 : Pealout (18th Jun @ Sapporo Bessie Hall)
ツアー初日、福岡ラストライヴ。とにかくライヴへ行け! : ピールアウト (11th Jun @ 福岡ドラムサン)
一生忘れられないツアーになった : 激初期衝動シンポジウム ファイナル feat.スロス・ラヴ・チャンクス、ロスト・イン・タイム、 ファック・ユー・ヒーローズ and ピールアウト (29th May @ 下北沢クラブ251)
場所がなければ自分たちで作ればいい : 激初期衝動シンポジウム Vol.5 feat.ロスト・イン・タイム、 ファック・ユー・ヒーローズ and ピールアウト (27th May @ 大阪サンホール)
PUNK=楽しむための音楽 : 激初期衝動シンポジウム Vol.4 feat.ロスト・イン・タイム、 ファック・ユー・ヒーローズ and ピールアウト (26th May @ 名古屋ハックフィン)
超個性派動物園 : focus ON VOICE feat.ジョウミチヲ(DUSK),篠原信夫(the blondie plastic wagon),浜田亜紀子(GO!GO!7188),TOMOVSKY and オンガシューヘイ(understatements (25th May @ 下北沢440)
旅の仲間 : コンドウ トモヒロ (24th May @ 三軒茶屋グレイプ・フルーツ・ムーン)
"想い"を歌にして : POST5 : feat. ハンサム兄弟、GRiP、ザ・ブロンディ・プラスティック・ワゴン (11th May @ 下北沢クラブキュー)
photo report : ザ・ブロンディ・プラスティック・ワゴン : (11th May @ 下北沢クラブキュー)
column : あの歌が聞こえる : ピールアウト (23rd May)
つながっていく"激ロック"という意志 : 激ロック ファイナル : feat. モーサム・トーンベンダー, ジェリー・リー・ファントム, 花田裕之+ウエノコウジ+楠部真也, ズボンズ and ピールアウト (4th May @ 新宿ロフト)
photo report : ピールアウト : (8th Apr @ 渋谷 O-West)
追う者と受ける者が出会う特別な夜 : ピールアウト : (27th Mar @ 下北沢クラブキュー)
特集『コンドウトモヒロ・歌の色』 : コンドウトモヒロ : (21st Jan @ 札幌サウンド・クルー)
暖かな歌 : リサ・ローブ : (19th Jan @ 渋谷クアトロ)
さらに加速度を増すユダのドライヴ : ユダ : (6th Jan @ リキッドルーム恵比寿)
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