ウォッシュ? @ 新宿ロフト 2010.02.13

バンドは、楽しい
テキスト・レポート「バンドは、楽しい」@ 新宿ロフト 2010.02.13

Wash 2010年1月20日にリリースされた、ウォッシュ?の5枚目のアルバム『love me(ラヴ・ミー)』を聴いた印象は、「なんて瑞々しいのかしら!」の一言に尽きる。奥村大(Vocal & Guitar)、南波政人(Vocal & Guitar)、岡啓樹(Bass & Chorus)、長谷川道夫(Drums & Chorus)の4人から成るウォッシュ?は、2002年に結成(途中でメンバーチェンジあり)。すでに長いキャリアを積んでいて、メンバーだって決して若くないのに(ごめんなさい)、なんだろう、このフレッシュな感じは。ド直球なタイトルと、もぎたての果実のような楽曲群に、ただただびっくりだ。

Wash 冷たい雨に打たれながら向かった夜の歌舞伎町で、その驚きはさらに大きくなる。ウォッシュ?のライブがかっこいいというのはさんざん聞かされていたけど、予想を遥かに上回るかっこよさ。そして面白さ。彼らの鳴らす音楽は、とにかくピッチピチでイキが良くて、ひとつひとつの音が目の前ではじけるようだ。ステージから発せられるエネルギーはどこまでもポジティブで、自然とこっちも元気になる。なにより、4人の「バンドが好きだー!!」という気持ちがビシビシ伝わってきて、「そうやんな、バンドって楽しいやんな」とうなずかずにはいられない。バンドやったことないけども。

Wash バンドのカラーを決めているのは、入れ替わりでフロントに立つ奥村と南波だ。共にギター&ボーカルの2人のキャラの対比が面白い。スマートに鳴らす奥村と、ダイナミックに響かせる南波。ライブで見ると、よりはっきりと違いがわかる。異なる個性は、そのまま各々が作る曲に反映されている。奥村の少しひねくれた色気と、南波の突き抜けた明るさ。そして、岡と長谷川の柔軟性が双方をつなぐ。ベッドルームの孤独と繁華街の猥雑さを合わせ持つウォッシュ?の音楽は、ライブハウスで感情を叩きつけたい時も、スタジアムで胸の高鳴りを解放したい時も、きっと耳に馴染むはずだ。

 スピーカーによじのぼったり、お客さんの傘を奪ってメアリー・ポピンズのように踊ったり、フロアで無理矢理ブレイクダンスをしてクルクル回ったり、演奏中にギターを放り出してビールを買いに行ったりしながら(以上、すべて南波の行動。笑)、ウォッシュ?は「バンドは楽しい」という不変の事実をこれでもかと見せつける。同時に、亡友であるレピッシュの上田現やタイフーン24のmiya38に捧げる歌をさらりと折り込み、音楽のリレーを続けることも忘れない。彼らは、継承していくことの必要性もまた知っているのだ。
Wash 生き生きとしたウォッシュ?の音楽に触発され、お客さんが次々と羽を広げていくのがわかる。早く飛びたくてウズウズしている感じだ。それを見たステージ上の4人が、「よっしゃ、飛んでみ」と背中を押す。ライブって、コミュニケーションの上に成り立っているものなんだな、と改めて思う。こうした原点を押さえているからこその、ウォッシュ?の若々しさ、瑞々しさなんだろう。3月28日には、盟友エアロノーツとの共同イベント「猿犬(エンケン)其の十」が控えている。「バンドは楽しい! 音楽も楽しい!」というシンプルで力強いメッセージを掲げ、兄者たちのバンドライフは続く。
Wash 
— set list —
 
シアトルは今日も雨だった / I don’t care / マッチョ / slip / I know I know / Candle / ビリーバー / 台風38号 / アノアレ / 僕の思いは目的もなく月に刺さる (カヴァー曲、上田現 ) / Twilight
 

Text by Satori

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