テラ・メロス (Tera Melos) @ 朝霧アリーナ 2010.10.10

乗れなくてなんぼの美学
テキスト・レポート – テラ・メロス「乗れなくてなんぼの美学」@ 朝霧アリーナ 2010.10.10

Tera Melos
 正直なところ、アレ? と思った。というのは、もっともっと変態変拍子一辺倒で、混乱しか残さずに放置されてしまうことを予想していたからだった。アルバムの音源の方が、もっとやんちゃなのに、ライヴの方がライヴ以上に丁寧に再現されすぎていた、そして変態変拍子一辺倒なんかではなくて、とてもキャッチーだったり、プログレが顔をのぞかせてみたり、というギャップ想像の範囲を超えていたからだった。
 
 だからって、納得がいかないライヴだったかというと、そうではなく、むしろ逆に、次はそうきたか!の連続を体験させてくれたのだった。ただ、テラ・メロスを説明するに並べられるキーワードが、ライト、サンフランシスコ、ヘラだったりするのだから、そのギャップを埋めるのに時間がかかっていただけだったのだ。いや、嫌いじゃない、このギャップを埋める作業。フェスの醍醐味は、いつしか守りに入っている自分の趣向をブチ壊してくれる瞬間に遭遇できることなのだということも改めて感じた瞬間でもあった。

Tera Melos  違う顔をどんどん見せる彼らだったのだが、やっぱり真骨頂の変拍子の曲になると、待ってましたとばかりに、見ているこちら側の人たちのダンスの花が咲き乱れた。乗れるもんなら踊ってみろ! と挑戦状をこちらに向けられているかのようにどんどんとエスカレートしていくばかり。もう一体誰がどの楽器が、曲の旋律の主導権を持っているのかすら悟らせないという堂々巡りは、ステージ前にいる人たちの数だけのリズムの取り方で、乗らせていく。その絵は見事にバラバラ。ステージにいる側の、みんな一斉に乗らせないという決意と、他人は知らないけれど、テラ・メロスを頭ではなく、直感的に身体で感じて心地よく乗るこちら側との、勝負のようにも見えた。音楽は全員が全員、同じ解釈をしなければならないものではないという図がこういう形でも現れた2日目の午後だったのだ。
Tera Melos

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Text:
Kuniko Yoshikawa
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