ファック・ユー・ヒーローズ in “1997” @ 新木場スタジオコースト

前を向いてひた走る、彼らの勇姿
テキストレポート – ファック・ユー・ヒーローズ「前を向いてひた走る、彼らの勇姿 」 in “1997” @ 新木場スタジオコースト

Fuck You Heroes

  19時20分になると、タイムテーブルの予定時刻より5分遅れで主催者であるファック・ユー・ヒーローズが屋外ステージに姿を現した。彼らのステージを待ちわびていたかのように多くのオーディエンスが詰め掛けていた。

「すべては整ったぜー!」と、その言葉を皮切りに怒涛のライブがスタートした。10分で6曲も一気に演奏する激しい展開であった。ベース・ヴォーカルのリョウスケが演奏しながらダイブをしてきたり、途中ビデオ撮影をしていたカメラマンがカメラを担いだままダイブしていたりと、そんな光景を見ていて笑いがこみ上げてきた。オーディエンスもバンドも、はてはスタッフまで常に自由に暴れまわる様子は見ていFuck You Heroesて痛快であった。「窮屈じゃなかったかな。もし窮屈だったりしたら…メールしてください(笑)」とギュウヅメ状態の私たちに問いかけてきたことや、ステージ脇や後方に出演したバンドが総出でライブを見に来ていたことが、彼らの人柄を表しているようで印象的だった。
 
 ライブ中盤にこんなMCが続いた。「このメンバーでやる最後の“1997”です・ハワイアンシックスに明日死んでもいい今日を見せてやってください。」「“1997”を始めてからバンドを辞めた奴、トオルちゃん(ハワイアンシックスのベース)も辞めちゃうけど、俺たちが“1997”を止めたら、“1997”は終わってしまうから。俺たちは続けます。」。この日1日あまりにも楽しくて、どんな場所にいてもあちこちから音が聞こえてくるあの会場の雰囲気に浮かれていて、少し忘れかけていたことがあった。

Fuck You Heroes 今までは、ファック・ユー・ヒーローズの3人とハワイアンシックスの3人で主催していたこのイベントも、来年はこの6人が顔を揃えることはないのだ。リョウスケが言っていたように、“1997”はこれからも続いていくのであろう。本人たちにとっても、私たちオーディエンスにとっても、今まで共に遊んできた仲間を1人失うことになるのだ。多くの人が喪失感を感じていたのではないだろうか。来年はどうなるのだろう…?と不安に思う人もいたかもしれない。心の片隅にそんなもやもやを抱えていたはずの私も、気が付いたら笑顔でライブを見ていた。そういえば会場中見渡しても、悲痛な面持ちの人はいなかったように思える。

 出演バンドも、オーディエンスも今を精一杯楽しむことが、「2010年度の“1997”が今までで一番最高だった!」と胸を張って言えるようにすることが、トオルへの1番のプレゼントになるとわかっていたからだ。だからこの日の彼らのライブはいつもに増して気迫がこもっていたように感じた。見えない未来を嘆くより、前を見据えて今をひた走る彼らの姿がとてもまぶしく見えた。

 アンコールを含めた全17曲。息もつかせぬセットリストで、堂々と今年の屋外ステージのトリを飾ったファック・ユー・ヒーローズであった。

Fuck You Heroes

–>フォト・レポート or ハワイアン6

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Information

Photos:
Terumi Fukano
terumi@smashingmag.net

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Text:
Itsumi Okayasu
okayasu@smashingmag.net

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