ハワイアン6 in “1997” @ 新木場スタジオコースト 2010.10.17
未来を指し示す光
テキストレポート – ハワイアン6「未来を指し示す光 」 in “1997” @ 新木場スタジオコースト 2010.10.17
ファック・ユー・ヒーローズのライブが終わってすぐに、屋内にあるメインステージまで走った。2010年の”1997″大トリとなる、ハワイアンシックスのライヴが目前に迫っていたからだ。到着するとすでにフロアはぎゅうぎゅう詰めの状態になっていて、ハワイアンシックスの人気を再確認したと同時に、この日のライブへの期待度を肌で感じた。
「The Lightning(ザ・ライトニング)」からライブが始まった。ヴォーカル、ユウタの力強い叫びが哀愁を帯びたメロディに溶け込む。明るく光り輝く「Star Falls On Our Hands Tonight(スター・フォールズ・オン・アウワー・ハンズ・トゥナイト)」、これぞハワイアンシックスという代名詞のような、激しく突き刺さるような鋭いメロディの楽曲「Black Out(ブラック・アウト)」と繋がった。序盤は暗い曲から明るい曲を繰り返し、息もつかせぬ展開にステージに釘付けになった。
「Rainbow Rainbow(レインボー・レインボー)」では、ドラム・ハタノの「回れー!」の合図でフロアにいくつものサークルモッシュが出来上がった。モッシュやダイブで必死になっていたオーディエンスたちが、一斉に笑顔になる瞬間だ。私はその光景が好きでたまらない。知らない人と肩を組んで回ったり、まるで汽車のように繋がりくるくる回ってる人たちなんかもいた。今年は中央に柵が設置されていたため、大きなひとつの輪になることがなかったが、思い思いに多くのオーディエンスがサークルを作っている様子は、自由に楽しむことを象徴しているように思えた。
アンコールでは「Brand New Dawn(ブラン・ニュー・ドーン)」と、“諦めない歌”と称される「Ever Green(エヴァー・グリーン)」が披露された。自分を信じることや、夢を諦めないことを語りかけてくる2曲である。言葉にすると簡単だが、どれだけ体力の要ることで、どれだけ難しいことか。自分を見失いかけるときもあるけれど、そんなときに彼らの曲には背中を押される。明日からまたがんばろう、というエネルギーをもらうことが出来る。CDだけでは味わえない、ライブならではの感動がそこにはあった。
ライブ後には、ベース・トオルに向けての”トオル”コールが巻き起こった。彼がどれだけファンに愛されている存在なのかを物語っているようだった。明年1月21日のワンマンライブをもって、脱退が決まっているトオルを名残惜しむような光景にも見えた。しかし彼はそれを見ていつも通りにこにこ笑っていた。客席にダイブをして声援に応える。ライブを見ている限りは、ステージ上にもフロアにも悲しみを感じることはなかった。現メンバーで最後の“1997”のステージであったことも本人たちは触れることはなかったし、湿っぽい雰囲気はこのイヴェントには不要だったのだろう。最後の最後まで、バンドもオーディエンスも含め笑顔の絶えない“1997”らしいなぁとしみじみ思わされた。
来年、どんなイヴェントになるのかは想像もつかない。けれども彼らは止まることはないはずだ。いつかもっともっと大きなイヴェントになって、1人でも多くの人に彼らの思いが伝わる日が来るのを、私は心待ちにしている。それまでこのイヴェントがずっと続きますようにと、私たちは祈るばかりである。今から来年の“1997”が楽しみで仕方ない。
— set list —
The Lightning / Star Falls On Our Hands Tonight / Black Out /
Light And Shadow / A Piece Of Stardust /
I Believe / Eternal Wish,Twinkle Star / Rainbow Rainbow / Fantasy
— encore —
Brand New Dawn / Ever Green
Information
Photos:
Terumi Fukano
terumi@smashingmag.net
Terumi Fukano's Works
Text:
Itsumi Okayasu
okayasu@smashingmag.net
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