エミ・マイヤー @ 日比谷公園大音楽堂 2010.04.04

日本語の新たな一面に出会える歌
テキスト・レポート 「日本語の新たな一面に出会える歌」エミ・マイヤー in Watching The Sky 2010 @ 日比谷公園大音楽堂 2010.04.04

Emi Meyer

 背筋をピンと伸ばして、まっすぐな姿勢で歌とピアノを響かせていくエミ・マイヤー。彼女のライヴは、ほどよい緊張感とオーガニックな温かい空気感に満ち溢れていた。
 
 この日の本編でトップバッターを務める彼女は、アメリカを拠点に活動するシンガー・ソングライター。3月に全曲日本語で歌う2ndアルバム、『パスポート』を発売し、大きな話題を集めたばかり。そして5月に行なわれるツアー、「Emi Meyer “Tour PASSPORT”(エミ・マイヤー”ツアー パスポート”)」を控えている中、ここ日比谷野外音楽堂に姿を見せてくれた。今回は弾き語りではなく、3人のメンバーを加えてのバンド編成で出演となる。
 
Emi Meyer 風が冷たく吹く会場に、まずしっとり溶け込んできたのは、「シティ・オブ・エンジェルズ」。体を解きほぐすように、軽やかな音が全身に染み込んでくる。そして彼女の凛とした表情と時折見せる穏やかな笑顔に、なんともいえない心地よさが。早くも心に晴れ間が広がるのを、実感できる瞬間だった。
 
「音楽に浸りながら、日が落ちるまで楽しみましょう」。そんな一言から始まったのが、ブラジリアン・リズムの要素を含んだ「庭園」だ。日本詞で紡がれるこの曲は、何度聴いても懐かしさと新鮮さを届けてくれる。それほど独自性のある世界観を、持ち合わせている証拠だろう。群を抜いたソングライティング・センスに、改めて感服してしまった。
 
 後半では、「登り坂」や「パスポート」など日本詞の楽曲を中心に披露。かすかな音色までも大切にしたサウンドに、何度も意識を奪われてしまった。まるで詞の中にある感情の揺れを、正確に表現しているかのようだ。彼女のスモーキーな歌声から生まれるムードにも、ピッタリ調和した演奏である。
 
Emi Meyer 初めて目にした彼女のバンドでのステージ。弾き語りとはまた違った、彩りのある音模様を味わえたように思う。そして言葉の美しい響きと奥深さを、たっぷり感じさせてくれるライヴだった。今後もバイリンガル・ヴォーカルとして、さらに独特の世界観を確立してほしいものだ。
 
 ちなみに5月に開催のツアーも、この日と同様のバンド・メンバーで演奏するとか。幅広いアプローチを見せる曲達を、ぜひ生演奏で楽しんでほしい。まだ知らない日本語の世界に、きっと出会えるはずだ。

Emi Meyer

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Text:
Ai Matsusaka
ai@smashingmag.com

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