アン・サリー @ 日比谷公園大音楽堂 2010.04.04

柔らかな陽光を感じるステージ
テキスト・レポート 「柔らかな陽光を感じるステージ」 – アン・サリー in Watching The Sky 2010 @ 日比谷公園大音楽堂 2010.04.04

Ann Sally

 歌手と医師、そして2児の母という3つの顔を持つ女性シンガー。それがアン・サリーだ。彼女の澄んだ歌声は、どこまでも広がる高い空にすーっと染み渡っていくようだった。
 
 2009年の12月末以降、ライヴ活動を行なっていなかった彼女。東京では今年初めてのステージになるとのこと。久しぶりに生演奏で声が聴けるとあって、多くの人達が出番を待ちわびたのではないだろうか。寒空の下で、じっと登場を待つオーディエンスの姿が印象に残っている。
 
 ライヴはカバー曲、「週末のハイウェイ」からスタート。春の暖かさを感じるようなアレンジで、ゆったり奏でられていく。するといつの間にか、彼女の周りに光が集まっているような錯覚に。歌から伝わる温度を、しっかり感じられている証しだろう。そしてなんと、この曲のオリジナル・シンガーの佐藤奈々子(『スウィート・スウィンギン』に収録)も会場に来ていたとか。写真家として活躍していることもあり、アン・サリーのライヴ撮影を担当していたようだ。
 
 次いで春をイメージした、「はなのような人」や「そよかぜ」など、この時期にちなんだナンバーを。始めのMCでは、「ハラハラと桜が舞う中、午後を過ごしてほしかった」と、天候のことを気にしていた彼女。けれど会場には、充分すぎるほどの温もりが取りまとっていたように思う。まさに柔らかな陽光を、浴びているような感覚だ。
 
 なかでも深く記憶に残っているのは、子守り唄のようなゆったりしたメロディで歌われる、「のびろのびろ大好きな木」。言葉を発することなく、人々を見守っている木のことを描いたこの曲。聴いているだけで、優しい気持ちと生きる活力が湧いてくる。彼女自身も改めて歌詞に感動し、涙ぐむ場面も。幅広い年代から愛されるナンバーなだけに、子連れで来ていた人はきっと親子で楽しめたはずだ。
 
 終始、和やかなムードで進められた彼女のライヴ。歌そのものを、じっくり楽しむことができる時間だった。そして医者や母として多忙な日々を送る彼女のステージに、運良く居合わせたことを嬉しく思う。いつの日か、春風を感じながら彼女の歌を聴きたいものだ。

Ann Sally

アン・サリー ライヴスケジュール
10/04/17 @ 向島 洋らんセンター屋内展示棟
10/05/01 @ 京都 円山公園音楽堂
10/06/27 @ 福島 FOR 座 REST

詳細はこちらでご確認ください。

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Information

Photos:
Takehiro Funabashi
funabashi@smashingmag.com

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Text:
Ai Matsusaka
ai@smashingmag.com

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