フォールズ (Foals) @ 名古屋クラブクアトロ 2011.2.18

著しい成長
テキスト・レポート「著しい成長」 @ 名古屋クラブクアトロ 2011.2.18

Foals

 昨年のフジロックよりもさらにパワーアップしていたという印象を強く受けた。その時も予想を遥かに超えるものであったが、ホーリー・ファックの後をしっかりと受け継いだ今日のステージで。まさかこれほどまでに会場を大揺れと昂揚感で満たすとは。名古屋では約3年程前に一度ライヴをしているが(その時はミッドナイト・ジャガーノーツとの共演だったが、客入りはそんなによくなかったと記憶している)、そのときと比べると本当に大きく成長している事を実感した。間に行った一日限りの東京公演やフジロックを未体験のまま約3年ぶりにライヴを見た人は特に驚いたのではないだろうか。比べ物にならない存在となって名古屋に再び戻ってきてくれたのだ。

Foals 繊細なギター・ストロークとしっとりとした歌声から始まる「ブルー・ブラッド」でライヴはスタートしたが、徐々に浮かび上がってくる迫力・スケールがまるで段違いなのだ。緻密な構成力と深い表現力を示した秀作『トータル・ライフ・フォーエヴァー』という伏線はあれど、ステージではかなりアグレッシヴで音圧が半端ない。続けて1stアルバムから「オリンピック・エアウェイズ」を演奏し、以前の彼等の真骨頂といえる踊れるロックを表現していく。ハンドクラップから始まり、大きな波のように揺れる会場。苗場でも体感したが、1stアルバムによるスイッチング効果で見事に興奮の坩堝へと叩きこむ。早くも披露された代表曲「カシアス」の効力も絶大で、全力で観客の期待に応えていく姿勢には頼もしさすら感じた。所々でバンドと観客が息を合わせる様に演奏したりもする点も随分とこなれてきている。

Foals この日も熱を帯びたアンサンブルによって”踊らす”がより顕著になっているのが印象的であったが、表現力の深さに感心したことも大きかった。音のひとつひとつを見事に整合化し硬軟・静動のコントラストを生かしながら緻密な音世界を造形していく。「ホワイト・リメインズ」、「アフターグロウ」、「トゥー・トゥリーズ」という2ndアルバムの曲の連発は、それまでの自分達の領域から飛び出して得た表現力を確実に示していたように思う。声と演奏のハーモニーが十分に聴かせるというベクトルに傾いていた。その繊細な世界を慎重かつ力強く表現していくという難しい作業をいとも簡単にこなしていたのが何より印象的であった。

Foals 特に苗場でも歓喜を覚えた「スパニッシュ・サハラ」のスケールにはこの日も驚かされた。繊細に紡がれる音色が密に結びつき、有機的なグルーヴへと発展し、美しくエモーショナルな音絵巻を形成していく。彼等の成長はこの1曲の表現に詰まっているといっても過言ではないかもしれない。それぐらい大きな力が働いているように全身で感じるのだ。とはいえ、ライヴの中盤では機材に昇って落ちかけてやんちゃな一面を覗かせたり、MCからあどけなさが以前と変わらずに伝わってくる辺りは彼等らしい。芯の部分はやっぱりフォールズなんだなと安心してしまう。

 深海の如きサウンドスケープに酔いしれた後は、再び踊りの時間でお楽しみ。軽快で鋭敏なビートに乗せられる「レッド・ソック・プギー」をまず演奏し、そしてお馴染みの「エレクトリック・ブルーム」ではヤニスがタムを叩いて繰り広げる打楽器の狂騒が凄まじい興奮をもたらして本編の幕を一旦閉じる。あそこまで煽られて熱くならない人はいないってぐらいの盛り上がりであった。

Foals アンコールではハイテンションで躍動感のある「フレンチ・オープン」、「ハマー」と畳みかけ、最後の最後に「トゥー・ステップ・トゥワイス」をぶちかまして締めくくり。狭いステージにホーリー・ファックの面々も飛び入り参加しての大人数でのどんちゃん騒ぎに、会場の興奮は最高潮に達していた。約3年ぶりに訪れた名古屋でその雄姿を思う存分に見せつけたライヴであった。メリハリのついた、また力強くも洗練されたステージ運びは、見事としか言いようがなかった。

 文句なしの成長を遂げているフォールズの飛躍はまだまだ続くことだろう。次はどんな世界を探り当て、僕達に示してくれるのか。早くも次作品が待ち遠しいばかりだ。

— Set List (原文のまま)—

Blue Blood / Olympic Airways / Total Life Forever / Cassius / Balloons / Miami / What Remains / Afterglow / 2Trees / Spanish Sahara / Red Socks Pugie / Eloctric Bloom

— Encore —
The French Open / Hummer /Two Step,Twice
Foals

–>photo report Holy Fuck(Review)

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Photos:
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Text:
Takuya Ito
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