サケロック @ ユーストリーム 2011.3.21

本日のライブは延期。代替公演をハマケンの部屋から
テキスト・レポート @ ユーストリーム 2011.03.21

 この度の地震の影響で、様々なライブの延期や中止が相次いで発表される中、動画をリアルタイムに配信できるユーストリームを利用したライブ中継が多く見られる。ユーストリームにはツイッターやフェイスブックなどと連動したチャット機能があり、動画を見てる人の反応が映像と同時にわかるので、パソコンのモニターを前に、ライブ会場にいるかのような時間の共有ができる。

 サケロックは昨年12月に発売された4枚目のアルバム『MUDA(ムダ)』の発売記念ツアーの最中だったが、11日に起こった大地震の影響で札幌と東京の2公演の延期を決定。だが、渋谷公演が予定されていた3月21日0時、所属するレーベル、カクバリズムのツイッターからユーストリームでサケロックのライブを配信をするとのつぶやきがあった。場所はなんと、トロンボーン担当のハマケン(浜野謙太)の家からであると。

 予定の19時頃にパソコンの前で映像が始まるのを待つ。右側のタイムラインには配信を待つ人たちのつぶやきがどんどん上がっている。10分後、パッと映像が流れ出すと生活感の漂う和室にメンバー4人と社長の角張氏が正座をしカメラを見ながら話し始めた。地震のこと、ライブが延期になってしまったことなどを淡々と話した後、いつもライブでみる彼らと変わらないアットホームさでこちらを安心させてくれた。

 ものまねや雑談など普段のライブのMCのように20分ほど喋った後、メンバーは楽器を持つ。「大丈夫じゃないから、音は小さく!」(マンションに住んでる為)と家主であるハマケンは言う。推定6畳の一室、家主自慢の高級本棚をバックにアコースティックギターとトロンボーンとウッドベースとスネアドラムがひしめく。「近隣から苦情がくるのでは?」という心配がつぶやかれながらも、「進化」が始まった。現場の音は小さいのだろうが、マイクで拾っているのかこちらに聞こえてくる音は悪くない。「老夫婦」、「今の私」、そして新譜『MUDA(ムダ)』から「KAGAYAKI(カガヤキ)」も披露した。演奏中に余震があったが、「みんな一緒に揺れてるから大丈夫」とギター星野が発言すると、タイムラインにも次々に賛同のつぶやきが見られた。

 「普通の生活を早くできることを祈っています。」と星野が言うと、サケロックのライブではお馴染み、ハマケンのエキセントリックなスキャットで始まる定番曲「生活」でラストを締めくくる。こじんまりとした一室から流れてくる耳慣れた音楽は終始温かく、ライブ会場やCDで聞いているいつもの演奏に安堵感を覚える。大地震はあらゆる「いつもの」感覚を奪って行ってしまった。電車も電気も仕事も遊びもいつも通りの生活ができなくなってしまった。不安や恐怖で身動きが取りづらい現状。それを前向きに動かす原動力として、音楽は生活のそばで鳴り続けていて欲しい。

※延期になった3月12日の札幌公演は5月15日(日) 札幌ペニーレーン24に。3月21日の東京公演は5月20日(金)渋谷AXに振り替え決定。詳細は後日スマッシュカクバリズムのHPで発表。

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Text:
Hiromi Chibahara
tammy@smashingmag.net

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