ウォッチング・ザ・スカイ 2011 @ 上野水上音楽堂 2011.04.24

メインアクトを失いながらも、3回目の開催に踏み切ったお花見フェス
特集:イントロ – メインアクトを失いながらも、3回目の開催に踏み切ったお花見フェス @ 上野水上音楽堂 2011.04.24

Watching The Sky 2011

 2009年の立ち上げから、今年で3回目を迎えたウォッチング・ザ・スカイ。昨年に続き、取材に行ってきた。今年の目玉はなんといっても37年振りの来日を予定していたランブリン・ジャック・エリオットの出演。しかし、東北地方太平洋沖地震、福島の原発事故の影響を受けて、来日キャンセルが報じられる。開催そのものも危ぶまれるのではないかと懸念していたところ、その穴を埋めるべくハンバートハンバートの出演が決定。様々なイベントが「自粛」という名のもとに立ち消えていくなか、本イベントは開催に踏み切った。

 当日はイベントを祝福するかのように、天候にも恵まれた。数日前までは雨予報、前日も悪天候だったにも関わらず、真っ青な空からギラギラと太陽が照りつける。客席には日差しを遮る屋根がついているため、野外で座って音楽を聴くにはちょうど良い気候だ。会場へやってくるお客さんの表情もまた晴れ渡っていた。今年の出演陣はおおはた雄一、曽我部恵一、ハンバートハンバート、アン・サリー、オーバー・ザ・ラインの計5組。おおはた雄一による短い弾き語りで幕を切ると、その後はそれぞれが1時間程度とたっぷりある持ち時間を使って音を繋いでいく。

 この日、もっとも印象的だったのは、各アーティストのステージが終わった後、おおはた雄一とアン・サリーがステージに立ったときのこと。このデュオでの演奏は事前に発表されておらず、リハーサルも当日にステージ裏で行ったという。演奏を終えると、おおはたは「ありがとう」という言葉を何度も繰り返した。最後まで残ってくれたお客さんに、こういった時期にも関わらず来日を果たしたオーバー・ザ・ラインのふたりに向けてだ。第1回目から3年連続で出演しているおおはたにとって、出演者という立場以上の気持ちがあったのかもしれない。音楽を演奏できること。聴いてくれるファンがいること。そのふたつを繋ぐ場があること。そんなことへの強い感謝の気持ちが、繰り返される言葉に込められているように感じられた。

 今年度のレポートでは、残念ながら曽我部恵一のみ掲載許諾が取れなかったため非掲載となっている。その他の出演者の記録はすべて写真に綴っているので、その1枚1枚からウォッチング・ザ・スカイの空気感を感じ取って頂ければと思う。

おおはた雄一

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Text:
Takehiro Funabashi
funabashi@smashingmag.com

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