Battles(バトルス)- 『Gloss Drop(グロス・ドロップ)』

盆踊り、再び

CDレヴュー 『Gloss Drop(グロス・ドロップ)』 2011.10.21.

 今年(2011年)のフジロック2日目の午後、グリーン・ステージでバトルスが演奏しているときに、ステージ後方では面白い光景が展開されていた。ひとりの男が音楽に合わせて踊っていたら、その振り付けに合わせてたくさんの人が同じように踊っていたのだ。面白そうだからと次々に人が集まってきて、そこだけまた局地的なフェスになっていた(これとかこれ)。そうしたお客さんたちによる自然発生的な盆踊り感を演出したのは、もちろんステージにいるバトルスで、ずっとダンサブルな音楽ではあったけれども、以前は、音楽を解析してダンス・ミュージックとして構築するような、真面目というか、知的な正確さを旨とする演奏をしていた。それはプログレッシヴ・ロックの現代版と受け止めた人も多かった。

Battles しかし、この『グロス・ドロップ』にあるのは、そうしたプログレッシヴ・ロックに通じるような実験的な姿勢は残しつつ、もっと肩の荷を下ろして楽しもうよ! という要素が加味されたものだった。もともと演奏力はある人たちだから、緻密な演奏を積み重ねて構築された印象は変わらない。だけど、それをもっと多くの人たちに共有されることを願った音楽に進化している。

 改めていうまでもないけど、バトルスの2ndアルバムになる『グロス・ドロップ』の制作時に、バンドの重要人物と目されていたタイヨンダイ・ブラクストンが脱退して、このアルバムを残された3人が最初から作り直したものになっている。ライナー・ノーツによればタイヨンダイはツアーを嫌っていたのこと。しかし、バンドはライヴも積極的にやりたいという意思があったようでタイヨンダイとの溝ができたようだ。このライヴ重視というのは、見事に新譜に反映されていて、トライバル(民俗的な)リズムで踊りだしたくなる明るさがある。前作『ミラード』では「アトラス」くらいしか親しみやすい曲がなかったのに比べ、今作では「アイス・クリーム」をはじめとして、余裕があって楽しくなるような雰囲気がある。それがフジロックの集団ダンス大会につながったのではないだろうか。

 11月に来日して東名阪でライヴをおこなう。またフジロックのような楽しさを再現できるのか。楽しみにして待とう。

大阪 2011/11/09 WED @ 梅田アカソー
OPEN 18:00 / START 19:00 

名古屋 2011/11/10 THU @ 名古屋クラブクアトロ
OPEN 18:00 / START 19:00 

東京 2011/11/11 FRI @ 渋谷AX
OPEN 18:00 / START 19:00

詳しくはビートインクのサイトにて

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Text:
Nobuyuki "Nob" Ikeda
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