アルバム・リーフ (The Album Leaf) @ 名古屋クラブクアトロ 2011.11.16

美しい空間の創造
テキスト・レポート「美しい空間の創造」 @ 名古屋クラブクアトロ 2011.11.16

The Album Leaf
 音・光・映像が見事なまでにシンクロし、美しい空間を創造するアルバム・リーフの公演には素敵な感動が詰まっていた。

 昨年の4月に東名阪ツアー、同年9月にはメタモルフォーゼへの出演を果たし、さらに1年ぶりとなる今回のツアーと精力的に来日公演を行っている彼等。昨年の名古屋公演はスマッシング・マグでもレポートさせていただいたのだが、私的にメタモのライヴがとても印象に残っている。あの幻想的で美麗なサウンドスケープが、夜の深い闇から朝陽が差しこむ絶妙な時間帯で披露されてさらなる感動を呼ぶ。そんな最高のシチュエーションでのライヴが格別であった。

The Album Leaf ただ、この日はハー・スペース・ホリデイのラスト・ツアー名古屋公演と被っていたためか(翌日の東京はこの2つとアタリ・ティーンエイジ・ライオットまで被っていたが)、客入りは去年の単独と比べると寂しい感じであったのは否めない。とはいえ、集まった人々はうっとりと彼等の魔法に魅了されていたことだろう。定刻から10分程過ぎた所で静かに暗転。トレードマークの葉っぱがスクリーンに映し出され、そのままオープニングの「アンティル・ザ・ラスト」が美しく華やかに鳴り響く。リリカルな鍵盤の旋律に連れられ、優雅にストリングスとトランペットの音色が折り重なり、スクリーンに映し出される映像と共に心を傾かせる。続く「ゼア・イズ・ア・ウインド」では雲の中を移動していくような映像のもとで、力強く浮かび上がるリズムと温かみのあるジミーの歌声がほろっと涙腺を刺激。そして、曲が終わると「ありがとう、Thank You Very Much」と日本語を交えて感謝の意を述べていた。

The Album Leaf 昨年の単独では5人、メタモでは4人でのステージだったが、今回は4人でジミーがギターを弾くシーンが目立つ。しかし、各メンバーが多芸で曲毎に演奏する楽器を入れ替えていくのは相変わらずで、練り上げたアンサンブルは見事。ライヴならではの力強さが楽曲の奥行きを深め、その佇まいからはちょっとしたオーケストラのようにも感じさせた。セットリストは、キャリアを総括するようなもので歌ものとインストが半々ぐらい。情感豊かな楽曲の数々が美しく、そして身に染みた。

 また今回のライヴでは、新曲も2曲披露されたのだが、優しい響きを持った音色が徐々に空間を満たしていくポストロック的でらしい曲調が印象に残っている。もちろん、東日本大震災復興支援のために書き下ろされた配信限定の新曲「ライジング・サン」も演奏。前身のトリステザ時代から何度となく訪れてきた日本が大きな被害に遭った、だからこその強い想いが支援に大きく傾いたのだろう。ジャズ風味のドラムから静かな音響とストリングス、それにトランペットが絡む幽玄なハーモニーを聴かせてくれた。

 そして、アンコールではなんとニルヴァーナのカヴァーで「オン・ア・プレイン」を披露。それがまたエレクトロニカと哀愁の色を加えた形で滋味深い楽曲に仕上げていた(ちなみにこちらは、ネヴァーマインドの20周年のトリビュート・アルバムに収録されている)。そのまま「レッドアイ」~「ヴァーミリオン」と煌くメロディとライヴ感ある力強さが共存するインスト・ナンバー2連発で締めくくり。ちなみに東京公演ではアンコールが2回あって、そのセカンド・アンコールで「2214」と「ブロークン・アロー」を披露したそうで羨ましい限りだが、期待を裏切らない見事なパフォーマンスで感動の夜を演出したのはさすがであった。

— set list —
Until the last / There is a Wind / Shine / Falling from the sun / Stand still / 新曲 / Rising sun / Always for you / On your way / 新曲 / We are / Almost there / Brennivin / Wherever I go / The outer banks

— encore —
On a plane(Nirvana) / Red-Eye / Vermillion
The Album Leaf
*写真は11月17日の東京公演のものを使用しています。

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Text:
Takuya Ito
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