広がり続ける「踊ろうマチルダ」の熱

梅田シャングリラの動画&テキストレポートも有り〼
広がり続ける「踊ろうマチルダ」の熱

「踊ろうマチルダ」は現在、東名阪ワンマンライヴの真っ最中。21日の梅田シャングリラでは、スマッシング・マグのカメラマン、中島たくみが立ち上げた、スチール写真家で結成された動画チーム「MOVING SHATORUS」によるDVD撮影が行われました。少しではありますがその映像と、24日に鴬谷キネマクラブで行われる、千秋楽ライヴのお知らせです。中ほどに、レポートもありますので、そちらも併せてご覧ください。
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「踊ろうマチルダ」とは釣部修宏のソロ・プロジェクト。一風変わったその名前は、オーストラリアに古くから伝わる民謡からとられています。その曲とは、”ワルツィング・マチルダ”、一時はオーストラリアの国歌の候補にもあがったほど、現地ではつとにしられたものです。

 “ワルツィング・マチルダ”とは、直訳すれば、「マチルダとワルツを踊る」となり、その言葉は、「放浪する」という意味を持っています。

 ひとりで放浪するにあたって、唯一の財産となる荷物に「マチルダ」という名前をつけ、それと「共に踊る」(=荷物と揺られる=放浪する)という、いくぶん背伸びをしたような言葉の響きは、それだけでこちらの中にひとつの像を結んでくれはしないでしょうか。

 そんな「踊ろうマチルダ」という名前を冠して活動を続ける釣部修宏の歴史をひも解くと、そもそもは、ブルーハーツのマーシー(真島昌利)に影響されて、楽器を手に取ったそう。さらには、ポーグスを筆頭とする「アイルランド」の音色に惹かれ、何よりトム・ウェイツの枯れた色香にさらなる憧れを抱きながら、路上から、「唄うたい」のキャリアをスタートさせたといいます。

 福井の路上で歌い込んでは声を枯らし、東京へ。さらに路上での演奏を繰り返して叩き上げた後は、高円寺ムーンストンプ、新百合ケ丘のチット・チャットなどでライヴを重ねた。釣部修宏名義で発表した『平成トラッド』、ナンシー・ウイスキーというバンドを結成して『Parade For Junkman』を、そして再びソロとなり、ここでいよいよ「踊ろうマチルダ」という名前を得て、『Hush』、『夜の支配者』、『故郷の空』という3枚のミニアルバムを発表してきました。ここまで、ほぼ口コミのみで活動しています。

「踊ろうマチルダ」のライヴは、釣部ひとりで弾き語りの形をとることもあれば、ウッドベースに黒田元浩、アコーディオンに小春(チャラン・ポ・ランタン)を加えた3人編成となることもあります。今年はそのバンド編成で、遂に「フジ・ロック・フェスティヴァル」のジプシー・アヴァロンにも出演し、その知名度は今なお、うなぎのぼりです。

 スマッシング・マグも、ワンマン、春一番、そしてインタビューと、幾度も記事を掲載してきた縁もあり、新たな試みとして、レポートとまではいかないまでも、動画の力で、よりその雰囲気を感じていただけたら…と思っています。そして、生で見ていただければ、応援する者として、これほど嬉しいものはありません。

 冒頭で触れたように、梅田の映像の一部を使ってライヴ動画を作りましたので、是非ご覧になっていただければ嬉しく思います。今回紹介する動画は、前述の3人にフィドルのまるむし(赤犬)を加えた「関西限定」のセットです。

 見れば、どんな歌を唄うのか、声色や雰囲気もわかるはず。軽めのレポートと共に、ご覧ください。
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踊ろうマチルダの勢いは止まらない

 踊ろうマチルダ、ワンマンライヴ@梅田シャングリラ。ここに集った人は、ライヴの後の余韻が相当なものだったはずだ。もちろん、自分も例外ではなかった。

 この日は、”踊ろうマチルダ”という、名前そのままのテーマソングから始まった。この曲は、特別な想いが詰まっているそうで、本人曰く、「フルアルバムで入れたい」とのこと。幾度か音源を発表しているが、「あえて」収録しなかった曲だ。そこには、かつてのやさぐれた気持ちが歌われているが、転調があることにより、前向きな想いが溢れ出てくる展開となっていた。

 通常の、「釣部(ギター、ヴォーカル)×黒田(ベース)×小春(アコーディオン)」によるバンドセットは、すでに完成されている。が、関西限定で参加する「まるむし」のフィドルが、踊ろうマチルダの「枯れた」雰囲気をいっそう引き立てていた。

 シャングリラの中は終始お祭りモードだった。動画の2つめに収録されている”ギネスの泡と共に”など、歌声がそこかしこから立ちのぼり、大合唱となっていた。オーディエンスはそれぞれ、自分なりのものさしで、釣部が紡ぐ歌詞と自らの過去を重ね合わせたりしているのだろう。その沸き起こる感情の先で、酔いしれたり、騒いだりしているのだ。

 秋田在住の釣部が、ツアーの度に被災地の現状を目にしたことで生まれた”この町の行く末”、天国に旅立った友人のことが歌われる”さよなら愛しい人”、故郷から秋田に移り住むまでを歌った”放浪の唄”、「おいらと結婚してくれ」と叫ばれる、本編最後の”マリッジイエロー”…未だ音源化されていない楽曲も、ことごとくオーディエンスを刺激していた。

 釣部は、決して難しい言葉を使わない。英語の歌詞も無く、日本語の言葉で歌う。「故郷」、「月」…それらのフレーズが、「踊ろうマチルダ」という風変わりなアーティスト名をつけるに至った背景を、等身大で映し出すのだ。

 この日は、アコーディオンを担当する小春(チャラン・ポ・ランタン)の誕生日ということもあり、幕間のチャランポのライヴ内で、釣部がケーキをプレゼントするという演出があった。その後に、”ロシアンガールはもういない”(釣部修宏名義)のカバーで返すと、そこに釣部本人が乱入、最近ではお目にかかることのない、昔の楽曲が聴けたことを喜ぶオーディエンスも少なくなかった。

「今日は楽しかった、熱かった!」

 釣部の口をついて出た言葉は、オーディエンスの口をついて出た言葉と同じだった。ステージこそあれど、その間を仕切るものは何ひとつ無かったのだ。

movie by MOVING SHATORUS
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11/24(木) @鴬谷 東京キネマ倶楽部
「踊ろうマチルダワンマンライブ東京」

open18:30/start19:30
ticket オフィシャルHPで取扱い中の「1階指定席」が残券わずかとなりましたので、急遽1階立見席を発売!!
◆1階席:全席指定・前売¥3500(drink別)…<残席わずか!!/イープラスでのみ受付>
◆1階席:立見・前売¥3500(drink別)…<50枚限定/こちらでのみご予約受付開始!!>
◇2階席:全席指定・前売¥3500(drink別)…<完売御礼!!>

※バンド編成(ウッドベース黒田元浩・アコーディオン小春)予定。ワンマンライブ。

※DJでDR.IHARA参加決定!!

DR.IHARA ( CLUB SKA )
‘80年代後半より自身のDJとしてのキャリアをスタート。
「LONDON NITE」「CLUB SKA」のメンバーとして SKA,REGGAEを中心にRHYTHM and BLUES,SOUL等の ROOTS MUSICをPLAYし続ける。2008年、LONDON NITEを退いた後も GAZ’S ROCKIN’ BLUES, FUJI ROCK FESTIVALでのPLAY~バンド「KILL DEM」結成等、 精力的に活動。自身の「REBEL ROCK」を押し進める。

【主催・制作】I・C・Planning
【協力】東京キネマ倶楽部

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Text:
Taiki "tiki" Nishino
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