モグワイ (Mogwai) @ 名古屋クラブクアトロ 2011.11.24

至福の光と轟音に包まれて
テキスト・レポート「至福の光と轟音に包まれて」@ 名古屋クラブクアトロ 2011.11.24

Mogwai

 モグワイはやはり会場に足を運び、ライヴを体験してこそのバンドである。アンコールでの壮絶な轟音の波状攻撃による締めくくりは、次元そのものを塗り替えていた。

mogwai 個人的に今年で彼等を見るのは3回目。2月発売の新作『ハードコア・ウイル・ネヴァー・ダイ、バット・ユー・ウイル』の発売日に東京で行われた全曲演奏スペシャル・ライヴ(翌日には通常公演もあった)、7月のフジロックの約30分(envyのレポートを担当したために最後まで見れなかった)、そして今回の東名阪ツアーの名古屋公演になる。翌日の東京公演も含めれば1年の間に6公演とこれだけ頻繁に来日している海外バンドも珍しいといえば珍しい。昨年にはメタモルフォーゼに来てるし、09年には単独ツアーとサマーソニックにも出演していたし。しかしながら、それもファンから愛され、求められ続けているからだろう。何度体験しても毎回違う風景に連れていってくれる。あの美しい旋律と轟音が織り成す世界、それを全身&全心で受け止めた時の歓喜と感動は計り知れない。
 
Mogwai 今回は新作発売に伴ったツアーという事もあるが、サポート・メンバー(ルーク・サザーランドという方で、主にストリングスを担当)が加わった体制でのライヴだったことがこれまでとは違う新鮮味に拍車をかけた。オープニングの「ホワイト・ノイズ」から彼の奏でる閑雅なストリングスが、モグワイの鉄壁のアンサンブルに美しく溶け込んでいる。「ハンテッド・バイ・ア・フリーク」でも荘厳な音のヴェールにもの悲しい色を与え、スチュワートがベースを弾き、ルークがギターを担当した「ユア・ライオネル・リッチー」ではギター三重奏が明滅する光とともに重厚な音が轟く。しかも本編ラストの「メキシカン・グランプリ」ではヴォーカルを務める主役級の活躍ぶりで、心地よいドライヴ感と轟音が炸裂する中で彼の歌声が滑らかに鼓膜に響いてきた。その中でも中盤に披露されたストリングス入りの「クリスマス・ステップス」の閃光のようなストロボの明滅と壮麗な轟音が圧巻。狭いステージに5人の弦楽隊が並び立つ絵も壮観であったし、ヴァイオリンの旋律が悲壮な音色でエンディングを綴った点も含めて感動的だった。

Mogwai また、ライヴの中心に据えた新作「ハードコア・ウイル・ネヴァー・ダイ、バット・ユー・ウイル」の楽曲群が、手探りの状態で放たれた2月の公演の時とは練度が段違い。完全にバンドに馴染んでおり、鉄壁のアンサンブルで構築されていくサウンドが会場を酔わせ、飲みこんでいく。前述した「ユア・ライオネル・リッチー」は沈みゆくような静からずっしりと重い轟音が襲いかかる様に、こんな迫力とドラマのある曲だったのかと感心したぐらい。ただ、過去曲も随所に盛り込まれてはいたが、本編の轟音度はやや低めだった印象はある。当然ながら、前日の大阪公演とはセットリストが違う。

Mogwai しかし、それもクライマックスへの布石だったのか。アンコールでは集まった人全てが待ち望んだ「モグワイ・フィア・サタン」がまず披露される。息を呑むような静寂から瞬間の奇跡が訪れ、光と音が会場中を埋め尽くす神秘。轟音を至福の域にまで変貌させるその構築の妙、モグワイはやはりライヴという場を味わってこそだ。そして、轟音トリプルギターがリードする怒涛の「バットキャット」がトドメとばかりに叩きつけられ、完全に意識や感覚が現実から切り離された。今日のライヴはこの最後2曲で全部持っていかれたといっても過言ではない。それぐらい圧巻の締めくくり。そしてこの最高のクライマックスにモグワイの怪物ぶりを再認識するのであった。

— set list —
White Noise / Rano Pano / I Know You Are But What Am I? / How to Be a Werewolf / I’m Jim Morrison, I’m Dead / Christmas Steps / Killing All the Flies / Death Rays / Hunted by a Freak / You’re Lionel Richie / Auto Rock / Mexican Grand Prix

— encore —
Mogwai Fear Satan / Batcat

Mogwai

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Text:
Takuya Ito
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