ボリス (Boris) @ 名古屋アップセット 2011.12.16

久々の土地で研ぎ荒まれた音が轟く
テキスト・レポート「久々の土地で研ぎ荒まれた音が轟く」@ 名古屋アップセット 2011.12.16

Boris

 直前に行われた過去最大規模のUSヘッドライン・ツアーを成功に収め、絶好調のヘヴィロック・トリオ、Boris(ボリス)が久方ぶりの東名阪ツアーである。活動拠点を海外に置き、国内のライヴも東京公演(イベントで関西に行く事はちょくちょくあった)がほぼメインになってるので、名古屋へ来るのはなんと4年半ぶりのこと。2007年1月に行われたポストメタルの雄・アイシス(Isis)の来日公演、そして5月に行われた暗黒神・サン O)))との轟音共闘ツアー、実にそれ以来だ。しかも彼ら自身がヘッドライナーという形でこちらに来るとは、かなり貴重な出来事だろう。そんな名古屋公演の模様を追った。

 まずはゲストのEternal Elysium(エターナル・イリジウム)がプレイ。地元・名古屋で長らく活動を続ける重鎮といえる存在で、現在では世界にもその名を轟かすドゥーム/ストーナー・ロックの雄である。こちらも3人組という編成でボリスとは旧知の中。昔から対バンなどを通じてお互いを刺激し合い、切磋琢磨してきた。僕は愛知県に住んでいる事もあって彼等のライヴは結構観ているのだが、本日も強烈にヘヴィでサイケデリックな音塊を会場に叩きつける。「Views On C#」で始まり、フラワー・トラヴェリン・バンド「Satori pt.3」のカバーを含め、ラストの「Agent Of Doom」まで50分超のステージ。その重く煙たいサウンドは全感覚を揺らし続けた。

Boris そして30分程のインターバルを挟んで、視界を遮る大量のスモークの中でボリスが登場。本日も第4のメンバーともいうべきギタリスト・栗原ミチオを加えた4人編成でのライヴで、序曲の「Riot Sugar(ライオット・シュガー)」を豪快に打ち鳴らして、会場を早くも制圧していく。雷鳴が轟くかのようなヘヴィ・リフと強靭なリズムが鼓膜を蹂躙。時折のサイケデリックなギターの轟きにも脳が揺さぶられる。続いては打って変って勢いよくドライヴするロックンロール「8」、「Statement(ステートメント)」を畳みかけるように披露。そのタイトでアグレッシヴな演奏に会場の熱気もグングンと上昇していく。それもやはり外人ウケがいいのか、前方の方にいる外国人のノリ具合が印象的で頭を振って、拳をあげ、非常に興奮している様子が伝わってきた。

Boris セットリスト自体は直前のUSツアーを基にしたものとなっており、全世界に向けて総攻撃をしかけた今年発売の3作品(『New Album(ニュー・アルバム)』、『Attention Please(アテンション・プリーズ)』、『Heavy Rocks 2011(ヘヴィ・ロックス2011)』)からの選出がメイン。ジャンルという境界線を軽々と越えてあらゆる方面に揺さぶりをかけていくボリスの姿勢がライヴの流れにも随所に表れていた。「Attention Please(アテンション・プリーズ)」ではWata(ワタ)のキャラクターを生かしながら暗く妖しい風景を拡げ、「フレア」ではポップという要素を武器にまで昇華。ツアーの少し前に、彼等が来年発売の新作ゲーム『極限脱出ADV 善人シボウデス』に楽曲を提供したという情報も飛び込んできたが、常に新しい音を創造/具現化し、ボリスとして成立させてしまう術には毎回驚く他ない。

Boris 途中の「久しぶりに名古屋に戻ってこれて嬉しい。来てくれたみなさん、ありがとうございます。」というAtsuo(アツオ)の謙虚なMCには驚かされたが、彼等自身も久々の東名阪ツアーを楽しみにしていたというのはあったのだろう。直後の「Missing Pieces(ミッシング・ピーシィズ)」では、個人的に9月の東京京都で体験した時以上の轟音に全身が震えたし、オープニング時以上にメンバーの姿が見えないスモークの中で披露された「Aileron(エルロン)」における異世界へと誘うようなサイケデリックな大轟音は、まさにこれぞボリスというべき時間が流れていた。しかしながら、ラストにポップで温かい「Looprider」を演奏した辺りがまた感慨深い。この曲は絶対に演奏されないと個人的には勝手に思っていたので、驚きが非常に大きかった。

Boris そして、アンコールにも応えてくれて、「終電、大丈夫?」というアツオの思いもよらぬ言葉のあと、披露された最終曲は「決別 -farewell-」。神々しい光と轟音が表出し、混じり合うように空間を浸食していって次元そのものを塗り替えていく。いつもは始まりで体感することが多いこの曲での締めくくりは何とも深い余韻を残したのであった。個人的には、今年は4回もボリスを体験することができたが、その中でも本日は特に印象的。100分を超えるライヴに大満足である。

 しかし、これでまだ終わりではない12月30日(金)には東京の代官山ユニットで9dw(ナイン・デイズ・ワンダー)を迎えて2011年を締めくくる。少しでも気になっている方は、世界と戦う音をぜひとも肌で味わったほしいものだ。

– Boris “ Hope ” Japan tour 2011 –
12.30 (fri) 代官山 UNIT
OPEN 17:00 START 18:00
3,000YEN (adv.drink fee charged@door)
Guest: 9dw

詳しくはこちらでご確認ください。
 
— set list —
Riot Sugar / 8 / Statement / Attention Please / Party Boy / フレア / Spoon / Missing Pieces / Window Shopping / 1970 / Pink / Aileron / Looprider

— encore —
決別 -Farewell-
Boris

–>photo report

Share on Facebook

Information

Photos:
Yoshitaka Kogawa
yoshitaka@smashingmag.com
Web Site / twitter
Yoshitaka Kogawa's Works

Text:
Takuya Ito
takuya@smashingmag.com
twitter
Takuya Ito's Works

Write a comment