アンリエッタ(Anrietta) – 「デビュー作『Memoraphonica(メモラフォニカ)』に込めた願いとは。」 – part.1

インストもののポストロック・サウンドにも 「歌」 があっていいんじゃないか
インタヴュー 「デビュー作『Memoraphonica(メモラフォニカ)』に込めた願いとは。」 2012.05.01

Anrietta

 シガー・ロスやムームを思わせる幻想的な世界観に柔らかなポップネスが注がれ、天国的な癒しを持った女性ヴォーカルが聴き手を甘く優しく包み込んでいく。眼を閉じ、じっくりと耳を傾けていれば、なんとも色鮮やかな情景が浮かび上がってくることだろう。北欧系ポストロック/エレクトロニカに日本のアニメやサウンド・トラック的な感性が加わった美しい音楽で人々を魅了するのが、スマッシング・マグに初登場となるAnrietta(アンリエッタ)である。

 都内を中心に活動する平均年齢23歳の5人組バンドということもあり、初めて名前を耳にする人の方が多いだろう。だが、その界隈ではじわじわと評価をあげており、この度、デビュー作『Memoraphonica(メモラフォニカ)』をついにリリースする。というわけで、今回はこのアンリエッタというバンドに迫るべくメール・インタビューを敢行。バンドのリーダーであり、メイン・コンポーザーであるギターのgenki itaya(板谷元気)、そして紅一点の女性ヴォーカルのkokko(コッコ)から、バンドのこれまでの歩みからデビュー作についてまで、いろいろと回答を得ることができた。

__ スマッシング・マグに初登場ということもあり、まずはバンドの結成に関して教えてください。

genki:僕とドラムの根本が同じ大学の軽音サークルに所属していたんですけど、そこでバンドをやろうって話になって始まりました。結成当時は違うヴォーカルが居て、まずは3人で1曲音源を作ってからメンバー募集を始めたんですよね。ベースのJP(ジェイピー)は、もともと交流があって音源も気に入ってもらえて加入する形になって、ギターのマイクはmixi(ミクシィ)に募集を載せたときに、ギターを募集してないのに応募してきたんですよ(笑)。ヴォーカルのkokkoさんはJPの後輩にあたるんですが、初期のヴォーカルが抜けた後にサポートで歌ってもらったんですが、ポテンシャルの高さを感じてすぐに正式メンバーになってもらいました。

__ ”Anrietta(アンリエッタ)”というバンド名の由来をお聞かせ下さい。

genki:Henrietta(アンリエッタ)っていう小惑星があるんですが、それにちなんで名付けました。あと、このままじゃ”ヘンリエッタ”って読んじゃうなぁと思ったんで、女の子の名前を意識してAnrietta(アンリエッタ)という名前に決まりました。

__ アンリエッタは、ポストロック、エレクトロニカ、ドリーム・ポップといった要素が強い幻想的な作風が持ち味だと、個人的には感じます。繊細な音遣い、情感豊かな女性ヴォーカル、そして各楽器の音色の重なりを上手く生かしながら、立体的で映像性の高い作品を構築する。結成当初からこういった音楽を志向していたのでしょうか?

genki:そんなに大層なものじゃないですが、ありがとうございます(笑)。結成当初にもなんとなく大まかな方向性は見えていましたね。僕が当時、意識していたのは、”インストもののポストロック・サウンドにも「歌」があっていいんじゃないか”という点です。元々、アンリエッタの前にやっていたバンドもそういう雰囲気のバンドだったんですが、それはもっとアンビエントで即興的な音楽だったので、曲として構築されたものを作りたいなという気持ちはありました。

__ 今年の2月に”アイスランド・ナイト”というイベントに出演されていましたし、聴いていても感じるところですが、シガー・ロスやムームといったバンドからの影響はやはり大きいのでしょうか? また、他にも影響を受けたアーティストがいれば教えてください。

genki:北欧系統のバンドから受けている影響は間違いなく大きいと思います。いわゆるポストロックやエレクトロニカといったジャンルでは、ストリングスやグロッケンなんかは使われていて当然の音色であって、そういった感性は割と自然に身についたんじゃないかなと思っています。ただ、僕は日本のアーティストも大好きで、具体的にあげていくと「高木正勝」、「菅野よう子」、「world’s end girlfriend (ワールズ・エンド・ガールフレンド)」、「Spangle call Lilli Line (スパングル・コール・リリ・ライン)」辺りは、特に影響を受けているかと思います。他のメンバーたちもアンリエッタをやっていく上で好きなアーティストで通じる部分はありますが、割と主軸になってるものは違っていたりして、そこらへんも面白いかなと思います。

–>part.2

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Text:
Takuya Ito
takuya@smashingmag.com
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