アンリエッタ(Anrietta) – 「デビュー作『Memoraphonica(メモラフォニカ)』に込めた願いとは。」 – part.3

言葉を音と離して独立させたくない
インタヴュー 「デビュー作『Memoraphonica(メモラフォニカ)』に込めた願いとは。」 2012.05.01

__ 曲調の広がりに伴ってという部分もあると思いますが、kokkoさんの情感豊かなヴォーカルに、真っすぐな強さが加わった感じも受けました。アンリエッタの幹である彼女の歌声、それをバンドとしてどう生かそうと心掛けていますか?

genki:これはむしろ逆かもしれませんね。作曲段階である程度、歌の方向性は考えてあるんですが、曲のデモを渡すとそのさらに先のものを提示されることが多いです。彼女の歌声にバンドが生かされているのかもしれません。もっと言うと彼女の歌の引きだせる部分は、まだまだあると感じていて、そこを引き出すことがバンドとしての課題かもしれませんね。

__ 続けて、歌詞についてお聞きします。聴いた感じでは詩は全て英語のようですが、これは結成当初からなんでしょうか? 本作の詩について、ご解説いただけたらと思います。

kokko:あ。これ英語じゃないんです(笑)。「いつも何語?」って聞かれたときは”造語”って答えてるんですけど、ホントのところただの”でたらめ英語”なんです。なんというか・・・音楽で人に何かを伝えようとしたときに、そこには言葉が必要なのか?? と個人的にずっと疑問に思っていて、言葉がなくても伝わるものは伝わるっていうことを前から確かめたかったんです。で、実際こういうスタイルでやってみて、言葉の響きや音の感じを大切にできるのはとてもいいし、表現したいことが音だけで伝わることもあるんですけど、やっぱり言葉でしっかり伝えることも必要だと思うようになって、7曲目の「Grassky」だけは英語で書きました。これからもしかしたら日本語で書くこともあるかも・・・。でもやっぱり言葉を音と離して独立させたくないので、歌詞カードとかをつけることはないと思います。

__ 2年前に発表した2ndデモ音源の3曲(1曲目「Aqua(アクア)」、5曲目「amaranthine (アマランシィ)」、8曲目「thaw(ソウ)」)は、本作に全て収録されていますね。当初から収録するつもりだったのでしょうか?またそれらの楽曲は再録されていて、「amaranthine (アマランシィ)」のホーン・アレンジが顕著ですが、深化した楽曲からさらに説得力を増しているように感じました。

genki:この3曲は元々入れようと思っていました。というのも、メインで曲を書いているのは僕なんですが、この2曲はドラムの根本とギターのマイクがそれぞれ書いたものなので収録したい! という気持ちは強かったです。実はこの曲たちは、再録されている部分とされていない部分があって、当時じゃなければ出せない音っていうのと今だから乗せられる音をミックスしたイメージです。それぞれさらに魅力を引き出せたんじゃないかなと思っています。あと、実は「amaranthine」はうちらでは「アマランザイン」って読んでるんですよ(笑)。元々、曲を作った根本がマンガから取ってきた名前なんですね。

__ Aureole(オーリオール)とコラボレーションした『Latency(レイテンシ)』についてはいかがでしょうか。しっとりとしたピアノの調べと繊細な歌を中心にして、アルバムの中でも特にゆっくりと染み入る様な楽曲に仕上がっています。

genki:この曲は一昨年の秋にExcept Four Senses(エクセプト・フォー・センシズ)というイベントで、イベント会場限定音源として作った曲なんです。2ndデモと同時進行で作ってましたね。オーリオールの森さんから話をいただいて、データのやりとりで作り上げました。ピアノと2番の歌メロをオーリオールに入れていただいたのですが、やっぱりオーリオールは音楽的な実力がしっかりしているので、僕らには出せないような音を提示してもらえて、アンリエッタだけでは生まれない質感になったと思います。

__ アルバムからは、先行で1曲目の「Aqua(アクア)」のミュージック・ビデオが発表になってます。なぜ、この曲を選んだのか、PV制作のいきさつ・内容についても、合わせてお話を聞かせてください。

genki:僕らにとって「Aqua(アクア)」は、アンリエッタというバンドとして名刺代わりになる曲なんです。特別な理由があるっていうわけじゃないんですが、メンバー全員一致で決まりました。制作は知り合いの繋がりやアイスランドナイトで共演の縁もあって、Akira Kosemura(小瀬村 晶)さんなどのPVを手がけるyuma saitoさんにお願いしました。けっこう自由に作ってもらいましたね。

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Text:
Takuya Ito
takuya@smashingmag.com
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