ウィルコ・ジョンソン(Wilko Johnson)@渋谷クラブクアトロ 2012.10.02

ウィルコのマシンガンが火を放つ!
テキスト・レポート「ウィルコのマシンガンが火を放つ!」@渋谷クラブクアトロ 2012.10.02

「10月2日午後8時すぎ、ロックコンサートに集まった人々で満員の渋谷クラブクアトロにマシンガンを持った3人組が乱入し、客席に向かって銃を乱射した後、西に向かって逃走した模様です・・・」
 何だか物騒な話に聞こえるが、乱入した3人組は何を隠そうマシンガン・ギターで有名なウィルコ・ジョンソンが率いるウィルコ・ジョンソン・バンド、撃ち抜かれたのはウィルコのパブロックを楽しみに集まったロックキッズのハートだった。

ウィルコ・ジョンソン Wilko Johnson

 ウィルコ・ジョンソンは言わずと知れたパブロックの雄、ドクター・フィールグッド(Dr Feelgood)のギタリストで、バンドの中心的存在だ。ピックを使わない鋭い独特のカッティングと、狂気を帯びた目つきでギターをマシンガンのように抱えて観客を狙い打つパフォーマンスは彼のトレードマーク。そのウィルコが生み出すギターロックは数多くのフォロワーを生み、日本でもシーナ&ザ・ロケッツの鮎川誠をはじめ、ルースターズ、ミッシェル・ガン・エレファント等数多くのミュージシャンたちからリスペクトされている。

Wilko Johnson ドクター・フィールグッド結成40周年となる昨年には、ジュリアン・テンプル監督による映画『オイル・シティ・コンフィデンシャル』が公開され、それに合わせてウィルコの単独ツアーも行われた。東日本大震災直後に行われた心斎橋クラブクアトロでのライブの記憶もまだ新しいのではないだろうか。さらに、今年5月にはドクター・フィールグッドの初期4作にDVDを加えたボックスセット『オール・スルー・ザ・シティ』とともに、ウィルコの伝記本『ルッキング・バック・アット・ミー (Looking back at me)』も発売された。そんなウィルコが、今年もまた日本に戻って来てくれた。

Wilko Johnson ベンジャミン・テホヴァルによるブルース、フォーク、ロックを織り交ぜたすばらしいパフォーマンスで暖まった会場に、ウィルコ・ジョンソン・バンドが登場したときには、待ってましたとばかりに歓声が沸き、会場が揺れる。ウィルコが手にしているのは、ドクター・フィールグッド時代から現在まで変わらない、赤色のピックガードが印象的なブラック・ボディのフェンダー・テレキャスター。もちろん、ギターは「時計仕掛けアクション」用に赤色のカールコードでアンプにつながれている。

Wilko Johnson ステージではウィルコ・ジョンソン・バンドの楽曲とともにドクター・フィールグッド時代の曲を披露。「オール・スルー・ザ・シティ」を始め、「ゴーイング・ホーム・バック」、「ロクセット」、「スニーキン・サスピション」とオーディエンスの期待に十二分に応える内容で、会場の盛り上がりを見るにこれらの楽曲の人気の高さがわかる。中でも、「ドント・レット・ユア・ダディ・ノウ (Don’t let your daddy know)」では体全体を使ってギターをかき鳴らしたかと思ったら、ギターと会話を始めるウィルコに、会場は大盛り上がり。「やっぱり、あのテレキャスターはウィルコの体の一部だったんだ!」と確信を新たにした。

Wilko Johnson これらの曲を支えるリズム隊の威力もまた格別だ。ブロックヘッズ(The Blockheads)以来の盟友であるノーマン・ワット・ロイ(Norman Watt-Roy)のうねるようなベースは、ウィルコ・ジョンソン・バンドに欠かせない。それと同時に、こちらもブロックヘッズのメンバーであるディラン・ホウィ (Dylan Howe) の叩く突き上げるようなドラムも、演奏に力強さを添えていた。 

 今日のステージの終わりを告げるウィルコの短いMCの後に演奏された「バック・イン・ザ・ナイト」で会場は大盛り上がり。「でも、あの曲はやらなかったな」と思っていた矢先に、「バック・イン・ザ・ナイト」から間髪入れずにあのリフが響き渡ったときには、喜びで跳ね上がりそうになった。その後、「ありがとう」といってステージ脇に引っ込んだのも一瞬、「しゃらくせえ」とばかりにステージに飛び出してきた3人はアンコールにまで応えてくれた。ロックキッズにはたまらない、特別な夜になった。

ウィルコ・ジョンソン Wilko Johnson

 エネルギッシュなステージングで幕を開けたウィルコ・ジョンソンのジャパンツアー2012。カミソリのようなギターカッティングとマシンガン・ギター、時計仕掛けアクションでステージを駆け回る姿は健在だった。今回のツアーでは、10月3日の名古屋クラブクアトロ、10月4日の大阪梅田クラブクアトロに加えて、10月6日には朝霧ジャムのレインボー・ステージに登場する予定。野外の大きなステージでマシンガンをぶっ放すウィルコの姿が今からとても楽しみだ。

ウィルコ・ジョンソン ジャパンツアー2012
10.3 (水) 名古屋クラブクアトロ 
10.4 (木) 大阪梅田クラブクアトロ

朝霧JAM2012

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Photos:
Koichi "hanasan" Hanafusa
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Text:
Ryuichi Tanaka
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