オトコンポ ((M)otocompo)@ 代々木ザーザズー 2012.10.07

初めてのオトコ体験
テキスト・レポート「初めてのオトコ体験 」 @ 代々木ザーザズー 2012.10.07

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 「ほとんどビョーキ」なるフレーズをご存じだろうか? 80年代に映画監督の山本晋也が深夜テレビで放った当時の流行語なのだが、同時期に出現した斬新なテクノ・ポップやニュー・ウェイヴといった音楽、宝島やビックリハウスといった雑誌に象徴されるようなサブカルチャーの刺激的な「気分」を表現するのにうってつけの言葉でもある。今から30年近く前の話ではあるけれど、現在も「ほとんどビョーキ」のニオイをぷんぷん放つ、濃い血脈が実は存在している。

otocompoそんな彼らの名前はオトコンポ((M)otocompo)。エレクトロ・ニューウェイヴ・デュオとして活動していたモトコンポ(MOTOCOMPO)から男性だけがスピンオフしたがゆえにこの名前。以下オトコ達と呼びたいわけだが、構成員はギター&リーダーのカツメソ、シンセドラムの平野奇之子、アナログシンセのカート・トシキ、そしてシンセ(&裏番長&防災ヘルメット&拡声器)担当のドクター・ウスイ(Dr.Usui)のオトコ四名。

otocompoライヴ後に会場限定の無料音源を配布するかと思えば、今年9月に埼玉スタジアムコンコースで行われたフェス「ぐるぐる回る2012」でのライブの模様をユーストリームで完全放映してみたりと、とにかく活動ぶりはアノ手コノ手&神出鬼没である。
 
 3連休となった10月、オトコ達は「OTOCOの東京3連戦」と題して毎日ライヴを行うこととなっていた。初日に引き続き代々木ザーザズーでのライヴとなった二日目、お揃い状態のメガネにボーダーTシャツ姿、立てた人差し指に力もみなぎるオトコ達がステージに現れると、いきなり普通にステージから降りて来て、何故かお客さんに対して指さし確認(もちろんお客さんに拒否権なし)。

otocompo 思わず面喰らっていると、大音量で鳴り始めたのはシンセサイザーの電子音と、その上にかぶさるようなヴォコーダーによるヴォーカル。終始真顔に徹するオトコ達の表情とはうらはらに、ステージングは異常にアクティブ。基本、シンセ卓前でのパフォーマンスなのだけれど、「その場スパーク」っぷりがスゴいのだ。
 
otocompo  彼らのサウンドの基本は、裏打ちのリズムにテクノポップな電子音、つまり「スカとエレクトロ」だ。スカ(とエレク)トロ、とうっかり省略してしまうと、たちまち掲載文事故となる危険なコンセプトである(たぶん)。エモーショナルなリズムにクールな電子音、そしてツッコミどころ満載の小芝居的パフォーマンス。これらの洗礼をしばし浴びた後、始まったMCがまた人を喰っていた。…のだけれど、さらにシュールなのは絶妙な間合いで合いの手を入れる男性のお客さん達。まるで歌舞伎の大向うのように絶妙なタイミングで返しを入れてくるのだ。すわ仕込み客か、と思うとそうではないらしく、「オトコ好きする」コアな方々であるようだ。

 ライヴ後半、シュールなメンバー紹介が展開されたかと思うと、日曜夕方のテレビでおなじみ、あの落語番組のテーマがハイブローな電子音楽に変身し(もちろんメンバー全員ステージで正座だ)、某韓流アイドルのあの少女的な曲が野太いオトコ感満載なアレンジで演奏される。うっ、ほとんどビョーキだ、これは。
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「OTOCOの東京3連戦」の最終日、翌日のライブの前には路上サプライズなライヴも行ったという彼ら。とにかくフットワーク軽く出現し、ストレンジなパフォーマンスとトンガった演奏で見せる、魅せるオトコ達。10月中には関西で行われる日本最大級のライヴケース・フェスティバル「ミナミホイール2012」の最終日、14日に登場予定である。しかも会場でフリーCDが配布される予定だという。見逃せない。そして11月には彼ら主催の入場料無料(!)イベントも開催予定。繰り返しになるけれど、これは見逃せない。そう、今後当分の間は「オトコ漁り」はマスト、という事なのである。
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Photos:
Izumi "izumikuma" Kumazawa
izumikuma@smashingmag.com

Izumi "izumikuma" Kumazawa's Works

Text:
Yoko "jet-girl" Oda
jet-girl@smashingmag.net

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