リーヴ・ゼム・オール・ビハインド(leave them all behind) 主催者インタビュー – part.1

震撼必至の轟美重音フェスティバルに迫る
インタヴュー 「リーヴ・ゼム・オール・ビハインド(leave them all behind) 主催者インタビュー – part.1」 2012.10.17

Isis

photo by saya38

 数多の人々を熱狂させてきた、あの轟音フェスティバル、「リーヴ・ゼム・オール・ビハインド(leave them all behinad)」が約1年ぶりに開催される。2009年の第1回は、アイシス(Isis)やサン O)))(Sunn O))))をはじめとして、国内外から迎えた総勢5組が6時間にもわたって恵比寿リキッドルームを轟音で包んだ。昨年に行われた第2回は、連続出演となるボリス(Boris),エンヴィ(envy)に加えてモノ(MONO)が参加。世界を舞台に活躍を続ける国内3バンドが共演を果たし、関東関西でそれぞれが美しくも強き音を刻んだ。

 そして、このたび迎える第3回は、第1回以来の出演となるサン O)))に加え、ついに日本の地を踏むゴッドフレッシュ(Godflesh)をヘッドライナーに据え、国内外から集結した総勢8組が2日間に渡って代官山ユニットを揺らす。そのリーヴ・ゼム・オール・ビハインドについて今回は、主催者であるデイメア・レコーディングス(Daymare Recordings)の濱田忠氏にメール・インタビューを敢行。この轟音フェスのこれまでの歩みについて、また、間近に迫った第3回についてお話を伺った。
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__ まずは、leave them all behind(以下: ltab)の開催のきっかけや経緯を教えていただけますか。

濱田忠(以下:濱田): 大きな理由がふたつありました。ひとつは自分がそれまでにやってきたツアーやライヴ・ブッキングよりも規模が大きい、スペシャル感のあるものをやりたかったこと。2007年9月のペリカン(Pelican)とKTL、2008年11月のトーチ(Torche)とコロシアム(Colisium)といった組み合わせのツアーをやったことに意義を感じていたので、そこからさらに広げたかったんです。

 もうひとつは、アイシスとの計画を実現させるためでした。2008年のかなり早い段階から「次のアルバム(『ウェイヴァリング・レイディアント』)を出したら日本に二度来る」 「ワールド・ツアーは日本で始めて日本で終わるイメージで」と話していました。そのためにまずは日本ツアーをやる前に彼らをヘッドライナーにしたショウをやろうと、そこが始まりです。スペシャルと言うからには他にも呼ばないと、サン O)))はどうだろう、日本勢はボリス(Boris)とエンヴィ(envy)を呼ぼうか、普段観られないようなバンドも入れたいからグロウイング(Growing)かな、と広がっていきました。

__ ltabは、国内の既存のイベントやフェスティバルとは違う印象が強いです。ラインナップからすると、オランダのロードバーン・フェスティバル(Roadburn Festival)に個人的には近い感じを持っているのですが、モデルにしたものはあるのでしょうか?

濱田: 特定のお手本は無かったです。もちろん、どういうものかは知っていますが、僕はロードバーンには行ったことが無いですし、観ていないものはあまり参考にならない。強いて挙げるなら、少なくとも日本においては自分だけしか組めないラインナップにしたい、と常に考えています。それはブッキングに関してで、運営に関しては日本のイベントやフェスティバルは一般的に丁寧だと思うので、そこは見習いたいです。

Envy

photo by saya38

__ アイシスやサン O)))、ボリス、エンヴィ、グロウイングが出演した第1回目は、ラインナップが発表された時に「日本でもこんなイベントができるんだ!」と本当に驚きました。チケットもソールド・アウトを記録していますし、僕も当日のライヴに足を運びましたが、ただただ圧倒されました。実際に第1回を開催してみて、手応えや感想などを教えてください。

濱田: ある程度の動員は見込めるはずだと期待していましたが、ソールド・アウトにできるとは思っていなかったです。単純に多くの人に観て楽しんでもらえたのは、嬉しかったですし。この1回目で自分の考える基本形がだいぶ形にできたと思うので、次回以降はここからさらに磨き上げていこう、という気になれました。この時からブッキングは100%僕がやっていて、運営や実務に関しては、スマッシュ・ウエストの南部さんにフォローしていただいています。きちんとした後ろ盾があるので、ある程度思い切ったことをやっても場として悲惨なものにはならない、そういう安心感も自分の中に芽生えました。

Boris

__ それから約2年半。個人的には、失礼ながらあの奇跡はもう起こらないのではないかと諦めていたところで、昨年9月に第2回が開催されました。この時は、ワールド・ワイドに活動を続けるボリス(Boris)、エンヴィ(envy)、モノ(MONO)という国内勢3バンドが一堂に集うもの。さらに関東・関西での2公演が行われました。この第2回についてもお話を聞かせてください。

濱田: まず2010年は、ヘッドライナーを絞り切れなかったのでやりませんでした。そしてこのまま2011年もやらなかったら、次はやりづらそうだとも考えました。ただ去年は日本が大変な時だったし、「絶対に安全だから来て下さい」と海外勢に胸を張って言うことが、僕にはできなかった。そんな時にあの3バンドが三つ巴で、という案はスペシャルだな、と。今まで3バンド全てが一度に集まったことは無かったですから。そして彼ら全員も気持ち良く賛同してくれました。そこに海外勢を1組入れることも少しだけ考えたんですけど、それだと三つ巴の持つ特別さが削がれるから入れませんでした。

 関西は、単純に西部講堂でやりたかったからです。3バンドとも日本に限らず全世界を相手に自立した活動をしているのに、日本ではなかなかロックの正史で語られていない。そう感じたので、歴史の舞台である西部講堂で、真正面から向かい合ってもらいたかったんです。

__ そして今回、第3回目の開催ですね。ついに日本の地を踏むインダストリアル・メタルの最重要バンドのひとつであるゴッドフレッシュ(Godflesh)、 第1回にも出演した圧巻のヘヴィ・ドゥーム/ドローン・サウンドを轟かせるサン O)))をヘッドライナーに据えた初めての”2日間開催”となります。この2日間開催というのは、当初から予定されていたのでしょうか?

濱田: 元々は1日で考えていましたが、会場を2日間押さえられたので、だったらそのままやろうか、と。2日間あれば日ごとでテーマも分け易いですし。

__ ヘッドライナーの2組は早い段階で決まったのでしょうか。

濱田: 今回、実際に声を掛けたのはこの2組だけです。2日間ともヘッドライナーがドラムレス、というのが面白いと考えました。どちらかができなければ、1日にするつもりでした。

__ それぞれのヘッドライナーに合わせて各日のラインナップは、決まっていったのでしょうか?

濱田: ヘッドライナーはライヴの性格を左右しますからね。常にヘッドライナーとの関連性や音楽的傾向を考えて組んでいます。サン O)))に他に誰を選ぶのか聞かれてチェルシー・ウルフ(Chelsea Wolfe)と答えたら、2人とも凄く喜んでいました。ボリスと朝生愛さんは海外の2組とも相性が完璧ですから。エンヴィは、ジャスティン・K・ブロードリックがやっているイェスー(Jesu)とスプリットを出していますし、グラインド・コアの礎を作ったジャスティンに完成形のひとつ、モータライズド(MORTALIZED)を当てたい。音楽的に大胆な他の3組にデフヘヴン(Deafheaven)というのもぴったりだと思います。

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Text:
Takuya Ito
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