コンヴァージ (Converge) & オールド・マン・グルーム(Old Man Gloom) @ 名古屋ボトムライン 2013.02.20

光が差す壮絶なるライヴ
テキスト・レポート「光が差す壮絶なるライヴ@ 名古屋ボトムライン 2013.02.20

Converge

 約3年ぶりとなる新作『オール・ウィ・ラヴ・リーヴ・ビハインド』を引っさげて、ハードコアの雄、コンヴァージが久々の来日公演である。グラインド・コアの重要バンド、ブルータル・トゥルースと激闘を繰り広げた前回の来日から早くも3年。見る者全てをぶっ飛ばす壮絶なライヴ、それが再び体験できるのを楽しみに足を運んだ。

 まずは、スペシャル・ゲストのオールド・マン・グルームが登場。何がスペシャルかというと、そのメンバーである。ネイト・ニュートン(コンヴァージ)、アーロン・ターナー(ex-アイシス他、昨年9月にマミファーとしても来日)、ケイラブ・スコフィールド(ケイヴ・イン)、サントス・モンターノ(ゾゾブラ)というボストンのハードコア界を出自に一時代を築きあげてきた面々が揃う。ただ、ケイラブは今回のオセアニア/日本ツアーには同行しておらず、同じケイヴ・インのスティーヴン・ブロズキーが代役を務める。

 ライヴは、それぞれが成し得てきた事の大きさや凄みを感じさせるものであった。コンヴァージやケイヴ・イン、アイシスとそれぞれのバンドが持つ要素を所々で感じるのだが、単なる足し算に終わってない。ネイト、アーロン、スティーヴンの3人が猛々しい叫びを浴びせ、スラッジコアの色濃いヘヴィなサウンドが全身にビリビリと伝わってくる。ハードコア風の瞬発力のある楽曲から、鼓膜を押しつぶすような重厚な楽曲まで容赦なく、この面々が揃えば当然といわんばかりの迫力だ。その中でも、アーロンが客席にギターを委ねたり、スティーヴンがシンバルを叩いたりとラストの曲「ベルズ・ダーク・アバヴ・アワー・ヘッズ」は、特に混沌としていたように思う。現在までに発表された5作品から満遍なく選出したベストにも近いセットリストで50分弱、この後にコンヴァージが控えているとはいえ、あまりに贅沢なライヴが繰り広げられたのであった。

Converge

 そして、美しき混沌の世界へ。力をじっくりと溜めるようなイントロから一気に弾け、激流が身も心も飲み込んでいく「ハートエイク」から、コンヴァージの渾身のライヴの開演である。瞬間瞬間がハイライトとなるような激音を刻み、所狭しとステージを走りまわりながらジェイコブは悲痛な絶叫を繰り返す。2セット目となるネイトも疲れを見せず、ベースをかき鳴らしている。続いては「コンキュバイン」、「ダーク・ホース」という必殺の連撃で、この怪物はもう手がつけられない状況に。あまりにも激しいサウンドを前にしてフロアの熱気もグングンと上昇し、モッシュやダイヴが自然と巻き起こる。「攻め」あるのみ。この日もコンヴァージは誰にも止められない。

Converge 90年代から精力的に活動を続け、カオティック・ハードコアというジャンルにおいて『ジェーン・ドウ』という金字塔を打ち立てても、なおも自らを超えていく彼等。生々しさにこだわったという新作『オール・ウィ・ラヴ・リーヴ・ビハインド』も非常に強力で、ライヴでさらなる輝きと衝撃を放っていた。1曲目を飾る「エイムレス・アロウ」では複雑な展開をスリリングに走り抜けて、衝撃と興奮を約束する。中盤に披露された表題曲「オール・ウィ・ラヴ・リーヴ・ビハインド」では、ネイトの重々しいベースからバンド屈指のドラマティックな展開を繰り広げており、終盤でフロントの3人が一斉に叫ぶ場面には思わず胸を打たれてしまった。ただ激しいだけでは獲得できない美しさ、それが彼等にはある。

Converge その後も、気を抜いたらすぐに叩きのめされるような激しい曲が続く。セットリストは、大名盤『ジェーン・ドウ』から新作までの5枚からの選曲がメインであったが、「古い曲をやるよ」っていうジェイコブの言葉から、アゴラフォビック・ノーズブリードとのスプリット作に収録の「ローカスト・レイン」の演奏もあって、喜んだ人も多いのではないか。終盤のMCでは、「残り4曲だ」「10曲やってくれよ!」といった感じのお客さんとのやり取りで場も一瞬だけ和んだが、「アックス・トゥ・フォール」「エンプティー・オン・ジ・インサイド」「イーグルス・ビカム・ヴァルチャーズ」の畳み掛けに再びの炎上。『ナゴヤアアアー』と気合いの雄叫びも混じった「ザ・ブロークン・バウ」で獰猛に駆け抜け、ライヴは一旦締めくくられた。

 ジェイコブが、オールド・マン・グルーム等の日本リリースを手がけているデイメア・レコーディングスのボスに対して、設立10周年のお祝いの言葉を送ってから始まったアンコール。祝福のあとで鳴り響いたのは、「ファースト・ライト」、そして「ラスト・ライト」だった。壮絶なライヴの果てに、まるでひとつのストーリーを描ききったかのように感じられた美しいクライマックス。これに思わず僕は拳を握り締め、突き上げた。ハードコアの偉大な希望は、やはりコンヴァージとともにあるのだ。

Converge

— Old Man Gloom : set list —
Gift / Flood I / Branch Breaker / Common Species / Regain/Rejoin / Hot Salvation / Jaws of the Lion / Skullstorm / Sleeping With Snakes / Rape Athena / To Carry the Flame / Zozobra / Afraid Of / Bells Dark Above Our Heads

— Converge : set list —
Heartache / Concubine / Dark Horse / Heartless / Aimless Arrow / Trespasses / Bitter and Then Some / All We Love We Leave Behind / Sadness Comes Home / Locust Reign / Glacial Pace / Cutter / Worms Will Feed/Rats Will Feast / Axe to Fall / Empty on the Inside / Eagles Become Vultures / The Broken Vow

— encore —
First Light / Last Light

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Text:
Takuya Ito
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