ザ・ミッドナイト・ランブル・バンド (The Midnight Ramble Band) @ オーディトリアム・ショアーズ・ステージ in サウスバイ・サウスウェスト 2013.03.16

レヴォン・ヘルムの偉大さと… 喪失感を再認識させられた夜
フォト・レポート – ザ・ミッドナイト・ランブル・バンド @ オーディトリアム・ショアーズ・ステージ in サウスバイ・サウスウェスト 2013.03.16

The Midnight Ramble Band
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 当然ながら、レヴォン・ヘルムが亡くなった後に作られた『Love for Levon(ラヴ・フォー・レヴォン)』のような、あるいは、生前最後の公式ライヴ作となった『Ramble at the Ryman(ランブル・アット・ザ・ライマン)』に顔を見せたような大スターがステージに出てくると期待していたわけではない。が、世界中から無数のミュージシャンが集まり、関わりのあった伝説的な人物もちらほら… となると、大きなサプライズが待ち受けているんじゃないだろうか… と、実は、密かに期待していたのは少数派なんだろうか。

 そんな思いを抱きつつ、SXSW最大となる野外ステージのフォトピットに入る。セッティングを見ると、ドラムスの位置が奥ではなく、手前になっている。これを見ると、やっぱレヴォン・ヘルムのためのライヴと思わせてくれるんだが、当然ながらそのストゥールに腰掛けるのは彼ではない。すでに彼が他界してからほぼ1年が経過しているのだ。

 ライヴ開始は40分押しで、撮影許可が下りたのは頭から3曲のみ。というので、当然ながら、ゲストの撮影はほとんどできなかった。ド頭の曲はザ・バンドの『Stage Fright(ステージ・フライト)』に収録されている「ザ・シェイプ・アイム・イン」。オリジナルではリチャード・マニュエルがヴォーカルではなかったか… なんて思いつつも、演奏が始まると感じるのはザ・バンド、そして、レヴォン・ヘルムの世界。言うまでもなく、それが嬉しくないわけがないのだが、ライヴが進行するにしたがって、奇妙な悲しさがこみ上げてくる。このバンドがザ・バンドを意識して演奏すればするほど、ヴォーカリストがレヴォンのように歌えば歌うほど『違い』がはっきり浮き上がってくるのだ。もちろん、彼への愛情やザ・バンドが大好きなことは理解できる。でも、彼らがそうすればするほどにレヴォン・ヘルムの喪失感が浮き上がるのだ。スティーヴ・アールが「The Mountain(ザ・マウンテン)」や「Rag Mama Rag(ラグ・ママ・ラグ)」を歌ったときですら、それは変わらなかったように思う。

 唯一、ドキっとさせられたのは独自のスタイルでソウルフルに「Don’t Do It(ドント・ドゥ・イット)」をカバーしたキャロリン・ワンダーランドぐらいだったように思えるんだが、その後、アイヴァン・ネヴィルやザ・ノース・ミシシッピー・オールスターズのルーサー・ディクソン、前述のスティーヴィー・アール、それにロバート・ランドルフらが全てステージに集まって歌ったフィナーレ、名曲「ザ・ウェイト」ではさすがに胸を締め付けられた。特設されたスクリーンでアップにされるレヴォンの娘、エイミーを見ていると、目が潤んでいるように見えたからだろうか。どこかでこういったトリビュート・ライヴも終わりが近いような、そんな雰囲気も感じていた。

 このレポを公開するのはそのレヴォン・ヘルムが亡くなってちょうど1年目となる4月19日。今日この日に、あらためて彼の冥福を祈りつつ、史上最も重要なロック・バンド、ザ・バンドの要が実は唯一のアメリカ人だったレヴォン・ヘルムじゃなかったろうかという思いを強くしてしまうのはどうなんだろう。

–>ラ・クネタ・ソン・マシン(テキスト・レポート)

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