ストーリー・オブ・ザ・イヤー (Story Of The Year) @ 名古屋クラブクアトロ 2013.06.26

走・叫・飛。節目の10年。そして、新しい10年へと進む
テキスト・レポート「走・叫・飛。節目の10年。そして、新しい10年へ」@ 名古屋クラブクアトロ 2013.06.26

Story Of The Year

 毎年に近いぐらいのペースで来日を重ねているアメリカのロック・バンド、ストーリー・オブ・ザ・イヤーが昨年の10月以来、再び来日を果たした。今回はなんと驚くことに、彼等のデビュー作にして最高傑作と評されることの多い『Page Avenue(ページ・アヴェニュー)』が10年の節目ということで、アルバムを完全再現するスペシャル・ツアーを開催。バンド人生に置いても重要な一枚であり、日本との深い繋がりを生んだこの作品が再現されるのだから、このツアーにかけるファンの期待はかなり大きかったことだろう。著者自身も高校生の時に発売された本作を良く聴いていたのだが、10年経ってこうして完全再現されるとは感慨深いものがある。

Story Of The Year サポート・アクトを挟み、20時手前にスタートしたライヴは、当然のように1曲目を飾った「アンド・ザ・ヒーロー・ウィル・ドラウン」から熱気がムンムン。轟くアグレッシヴなサウンドにお客さんは走り、叫び、飛びまわる。これまで絆を深めてきたファンが埋め尽くしただろう会場は、早くも異常なまでに熱い。そして、彼等のアンセムとして君臨する名曲「アンティル・ザ・デイ・アイ・ダイ」へ。いつもならライヴの締めくくりに演奏されることの多い曲なのだが、1stアルバムの曲順通りにここに組み込まれ、ステージと会場が一体となっての大合唱が最初から最後まで続く。演奏後には充実感からか、ヴォーカルのダンから「アリガトゴザイマス」という言葉も飛び出す。

Story Of The Year その後も『ページ・アヴェニュー』の曲順通りにライヴは進んでいくのだが、10年で培ってきた経験や表現力が楽曲にプラスされ、収録された12曲は新たな輝きを放つようになっていた。彼等らしいアップテンポでエモーショナルな「イン・ザ・シャドウズ」はよりパワフルであったし、赤い照明を背にしっとりと歌い上げる「スワロウ・ザ・ナイフ」、美しい旋律と伸びやかな美声が包み込むように響いてきた「サイドウォークス」といった聴かせる曲では年齢を重ねてきたことでの深みを実感。それに加えて、ちょくちょく挟むMCは、相変わらずに陽気で、ジョークを挟みながら客席とのやり取りを楽しんでいたのは、実に彼等らしい。この後もライヴはヒートアップし続け、ラストの「フォーリング・ダウン」までを力強く駆け抜けてみせた。

 そして、アンコールへと突き進む。…というよりは、もう”第2部”と表現してしまった方がいいかもしれない。それぐらいにとても盛りだくさんな内容で、ファンを楽しませてくれた。まずは、2nd~3rdアルバムの人気曲を連続で披露。「アンチドート」「テイク・ミー・バック」「アワ・タイム・イズ・ナウ」「ウェイク・アップ」と畳みかける様に演奏し、会場は楽しそうにぶつかり合ったり、歌ったり、飛んだりとさらなる熱気で包まれている。そして、ハイライトともいえるシーンへ。

Story Of The Year

  「ぼくらは世界をツアーしているけど、日本が一番好きだ。ページ・アヴェニューの10周年記念を、ここでできて光栄です。みんなが来てくれる限り、僕等は帰ってくるよ。あと10年頑張るぞ。」

 とベーシストのアダムが、日本語でたどたどしくもスピーチ。しかしながら、当然の様に大きな反応があり、拍手や歓声が一際大きかった。“日本でのライブは毎回特別で、ファンも特別で、アーティストとして日本ツアーが出来る事自体が本当に特別なのです。日本以上に訪れた回数が多い国は今までにありません。” とオフィシャルサイトの方にも記載されているが、こんなにも大きな愛を持って彼等は日本ツアーに毎回挑んでいるのである。そして、「ピクチャー!ピクチャー!」というメンバーの声に続くように、会場の人々が両手を精いっぱい高く上げ、ステージからの記念撮影も行われた。(写真はバンドのフェイスブックに掲載されています)

Story Of The Year 撮影もしたし、これでもう終わりかなと思ったら、ありがたいことにライヴはまだまだ終わらない。今度はパンテラの「ウォーク」を引き金に、スペシャル・メドレーがスタート。パンテラや次のガンズ・アンド・ローゼズは本当にすぐ終わってしまったのだが、イエローカードやユーズドといった同世代のバンド達の曲をワンフレーズずつ演奏していく。これにはファンも大喜びで、多くの人々が笑顔でその光景を見守っていたのが印象的。その勢いを持って最後は、「ステレオ」と「イズ・ディス・マイ・フェイト?」というアグレッシヴな楽曲を叩きつけ、ライヴは締めくくられた。

 徹頭徹尾、楽しく、熱過ぎるライヴ。ストーリー・オブ・ザ・イヤーというバンドの真骨頂が如何なく発揮されたステージであったように思う。初心を忘れずに駆け抜けてきた彼等が見せてくれた宝物のような10周年記念ツアー。「あと10年頑張るぞ」の言葉通りに、喜怒哀楽を含む新しい10年が待ち構えるが、このバンドなら心配はいらないだろう。また20周年で共にお祝いできれば、嬉しい限りだ。

— set list —
And The Hero Will Drown / Until The Day I Die / Anthem Of Our Dying Day / In The Shadows / Dive Right In / Swallow the Knife / Page Avenue / Burning Years / Sidewalks / Divide and Conquer / Razorblades / Falling Down

— encore —
The Antidote / Take Me Back / Our Time Is Now / Wake Up / Special Medley(Pantera「Walk」, Guns N’ Roses「Sweet Child O’Mine」, Yellowcard「Ocean Avenue」, Taking Buck Sunday「Cute Without the ‘E’」, My Chemical Romance「I’m Not Okay」, The Used「Taste of Ink」) / Stereo / “Is this my Fate?” He asked Them

Story Of The Year
*写真は大阪公演のものを使用しています。

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Text:
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