セロ@ 朝霧アリーナ 2013.10.12

サポートメンバー追加で、新たな表情を見せたエキゾチカ・ポップ
テキスト・レポート – 「サポートメンバー追加で、新たな表情を見せたエキゾチカ・ポップ」 @ 朝霧アリーナ 2013.10.12

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 開始直前、ステージ前から外側に移動して会場を見渡すと、後ろの方までものすごい数の人で埋め尽くされている。レインボーステージからムーンシャイン・ステージに移動する途中に「セロはみたい」、「セロ見ようよ」、「セロ、セロ・・・」と幾度も耳にした。なんだか彼らのライブ入場前に流れるSE、じゃがたらの”クニナマシェ”が「せろ、せろ」と連呼し、ライブへの期待感を煽っていくのと同じ状態をリアルに体感した気がした。

cero 2011年のフジロック、ルーキーステージ出演から翌年にはフィールド・オブ・ヘブンに飛躍し、今年に至っては追いきれないくらい様々な音楽フェスに出演している。この日の翌日には、岡山のStars onに出演と引っ張りだこの様子からもその人気が伺える。「今か今かと」期待が高まる空気の中、よいしょと船をこぐようなイントロからドラムが入り、一気に空気が変わる。1曲目”マウンテンマウンテン”が始まると、たちまち歓声が上がる。

 スタートからの興奮を引っ張って、1stアルバム『World Record』から”ワールドレコード”へ。イントロは、柔らかい笛の音色がThe Beatles”ノルウェイの森”を奏でて始まる新しいバージョンだった。固定パートはあるものの、楽曲ごとに楽器を変えることの多いこのバンドであるが、バンド構成に変化が見られた。オリジナルメンバーの3人とドラムス、スティールパンのサポート、という通常体制に、ベースとドラムスが固定でサポートとして加わっている。これまでにもサポートとして活躍しているMC.シラフ、あだち麗三郎(この日はドラムスからパーカションに徹していた)は2人ともセロと昔からの縁である大所帯バンド片想いのメンバーである。

cero そしてライブ毎に挑戦を感じさせられる”エキゾチック・ペンギン・ナイト”はノリノリのビートが朝霧のコア側ステージでもあるムーンシャイン・ステージに集まる人たちの心をぎゅっと掴んでいた。スカパラにトロージャンズに、ADFにしかり、今回朝霧ジャムに登場した大御所たちはフェスに欠かせない「踊れる音」をもってお客さんを楽しませてくれた。セロもそれに違わず踊れる音楽だが、スティールパンやフルート、パーカッションなど多彩な音色が伴って、「心踊る」感覚がプラスされ、音源でもライブでもそれぞれで感じられるのがこのバンドの魅力である。

 それが最高潮に現れているのが、普段のライブでもアンセム的な位置づけとも言える”Contemporary Tokyo Cruise(コンテンポラリー・トーキョー・クルーズ)”では大合唱が起こる。さらに続いて、今年の12月にリリース予定の新曲”yellow magus”が披露されライブは早くも終盤へ向かう。年明けにはこの曲のリリースツアーが東名阪で予定されている。 そしてラストには、3年前に所属レーベル、カクバリズムから初めてリリースされた10インチ『21世紀の日照りの都に雨が降る』に収録されているレアな楽曲”deerhuneter(ディアハンター)”が演奏された。「ハイホ、ハイホ」と目の前の富士山を軽快に駆け上がっていっていくように、今後も人気をどんどん拡大していくのだろう。

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–>フォト・レポート or ザ・マン (THE MAN)

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Taio Konishi
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Text:
Hiromi Chibahara
tammy@smashingmag.net

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