モグワイ (Mogwai) @ EX シアター 六本木 2015.03.09

最新型のモグワイへ
テキスト・レポート「最新型のモグワイへ」 @ EX シアター 六本木 2015.03.09

Mogwai

 今まで観たモグワイのなかで一番繊細で美しかった。そして轟音が効果的に鳴っていた。自分はたまたま昨年11月に香港の野外フェスでモグワイを観る機会があり、そのときと比べて、音の密度が高まり、生々しく響いたのだった。このところのモグワイを観ていると野外で観るよりは、こうしたライヴハウスやホールで観たほうがいいのではないかと感じる。

Mogwai 六本木EXシアターは、開演時間ころになるとスタンディングのフロアはほぼ埋まる。男女比は半々でやや男が多め。場所柄か外国人が目立つ。ステージ背後には最新作『レイヴ・テープス』のジャケットのような無機質な図柄(眼のイメージなのだろうか)のバックドロップが掲げられている。開演前は、アルゾ&ユーディーンエラ・オーリンズヤング・ホルト・アンリミッテッドベルブリー・ポリーブラック・サバス(この曲の終盤部分のみ)ルボシュ・フィシェルチャールズ・ブラッドリーミルトン・ナシメントなどなど流れていて、節操ない選曲に思えるが不思議と統一感ある。フジロックにでたことあるムラトゥ・アスタトゥケが流れて19:10ころバンドが登場する。

 まずは最新アルバムより、「ハード・アバウト・ユー・ラスト・ナイト」から始まる。シンセサイザーとギターの音が解け合い新鮮な印象を抱かせる。次の「アイム・ジム・モリソン、アイム・デッド」がビンビンきた。ギターノイズで壁がビリビリ震え、モグワイはこうして壁の振動も含めて彼らの音楽なのだと改めて思うのだ。

 曲によっては、ヴァイオリン、ギター、パーカッションをこなすマルチなプレイヤー、ルーク・サザーランドがサポートに入る。「メキシカン・グランプリ」ではヴォーカルもとる。

Mogwai 確かに、以前と比べれば、轟音が少なくなった。ここ数年のライヴはその傾向がずっと続いていて、ライヴは静と動を繰り返しながら進行していき、ギターの響きの美しさを表現することに比重が置かれている印象だ。。静かなパートは、ルークのヴァイオリン・ソロが特に美しく研ぎ澄まされ、ギターが激しくかき鳴らされるところは、新鮮なギターノイズがあふれ出す。そして、今までの曲はよりドラマティックな感触を持つ。一方で前作『ハードコア・ウィル・ネヴァー・ダイ・バット・ユー・ウィル』あたりからエレクトロニカな音作りやジャーマン・プログレのような反復するビートの曲が増えたのを反映したステージにもなった。選曲は新旧取り混ぜ、今までのキャリアを総括し、最新型のモグワイというフィルターを通して、繰り広げられたのだった。

 アンコールは「オート・ロック」、そして「モグワイ・フィアー・サタン」。「モグワイ~」はやっぱり皆がこの曲を待っていたのであり、フロアの反応も一番である。ライヴの間、ここにたどりつくまで一歩一歩階段を上がり、最新型のモグワイを体験させ、ついに到達したのだ。曲の途中、一瞬の静寂から凄まじいギターノイズが放たれるとき、やっぱりこの容赦のない、重厚なギターが会場全体を振動させ、空気や壁までもが、モグワイの音楽の一部の中にいるのだと感じたところがこの日のクライマックスであった。やっぱりモグワイを体験するなら屋内の会場なのだ。

Mogwai

 

— set list —

Heard About You Last Night / I’m Jim Morrison, I’m Dead / Travel Is Dangerous / Hunted by a Freak / How to Be a Werewolf / Rano Pano / Christmas Steps / Teenage Exorcists / Deesh / Remurdered / 2 Rights Make 1 Wrong / Mexican Grand Prix

— encore —
Auto Rock / Mogwai Fear Satan

–>フォト・レポート

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Photos:
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Text:
Nobuyuki "Nob" Ikeda
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