ザ50回転ズ @ 新宿ロフト 2015.06.19

ガキに還る
テキスト・レポート「ガキに還る」 @ 新宿ロフト 2015.06.19

50回転ズ

 ソールドアウトが伝えられて新宿ロフトは満員。開演前には、ラモーンズの「マイ・バック・ページズ」などの小気味よいパンク・ロックが立て続けに流れている。それがルースターズの「レッツ・ロック(ダン・ダン)」になって、場内が暗くなり曲が中断され、いつもの登場曲であるドクター・フィールグッドの「ライオット・イン・セル・ブロック・ナンバー9」に変わり、まずはドラムのボギーがひとりでてくる。そしてすぐにビートを叩き始め、ベースのドリー、次いでギターのダニーが現れる。

 まずは、「ウィ・アー・ザ・キッズ」で始まる。今回のツアー・タイトルが「バック・トゥ・ザ・キッズ」なのでそれを象徴する曲である。テンポを落とした曲から一転、自己紹介ナンバー「50回転ズのテーマ」でスピードを上げてフロアを沸かせる。ドリーがヴォーカルをとる「ハートブレーカー・ブルース」の途中、ダニーがギターを置いて「せっかくのワンマンなのに盛り上がってないので、これで終わりにします」とお辞儀をする。するとフロアに火がついて歓声が一段と大きくなり、満面の笑みのダニーは再びギターを弾きだす。ベタな演出だけど楽しい。

50回転ズ 「レッツゴー3匹!!」「サンダーボーイ」「キラー」とフロアが盛り上がる曲を立て続けに演奏する。「キラー」ではギター・ソロをスタジオ版とは変えていた。こうした変化を感じるのもライヴの楽しさだ。ボギーがヴォーカルをとる「エイトビートがとまらない」、ハードな「ゴキブリ讃歌」ときて、新曲の「ドキドキの証明」。タイトル通りの甘酸っぱい曲。ライヴでさらに練り込まれることを期待する。

「ティーンエイジ・ショック」、「レット・ミー・ロック」のあと久々に聴いた「少年院のソナタ」や「拝啓、ご先祖様」。「少年院のソナタ」では、お客さんたちも一斉に頭を左右に振る。「気になる女の子」は「ザッツ・ザ・ウェイ・ア・ウーマン・イズ(Thats the way a Woman is)」が原題のザ・メッセンジャーズのカヴァーである。フィンガー5もカヴァーしていて、「ロックンロール・マジック」に通じるような50回転ズが持つ青春的な一面を表したカヴァーである。

 今回のツアーのテーマに通底した「ノー・ノー・ノー」、そしてドリーの「1976」、ダニーの「プリーズ・ドント・セイ」を経て、新曲「ネムレナイ」。70年代の歌謡曲とロックの中間みたいな感触を持つ曲だ。

50回転ズ「アイ・キャン・ノット・ビー・ア・グッド・ボーイ」。今回はノスタルジー、甘酸っぱさを抱えながら疾走する青春的な曲を聴かせるライヴだった。50回転ズはパンク、ロックンロールという大きな芯があるけど、そこからさまざまなジャンルに手を出していく柔軟さがある。ギターがギャンギャン鳴って激しかった印象があるのに、バラエティ豊かで起伏に富んだ構成だったように思える。大人しい曲は次の、エレキギターのままで演奏された「故郷の海よ」くらいだった。これがちょうどよいアクセントになり、ひと息ついてから「涙のスターダスト・トレイン」を挟んで定番曲の連打へ。「ヤンガーズ・オン・ザ・ロード」「ロックンロール・マジック」「サンキュー・フォー・ラモーンズ」とステージ前は熱気が高まり、それがフロア全体に広がっていく。「おさらばブギウギ」で恒例のコール&レスポンスを決めてメンバーは去る。

 アンコールは、ルイ・アームストロングのカヴァー「この素晴らしき世界(What a Wonderful World)」。アレンジはもちろんサッチモのヴァージョンでなく、ジョーイ・ラモーンのヴァージョンのカヴァーである。そして「たまにはラブソングを」。「ヘイホー!レッツゴー!オオオオー!」とフロアからの掛け声もバンドとぴったり合い、メンバーはステージから去る。場内の明かりが点き、バーズの「マイ・バック・ページズ」が流れても、ステージ前にお客さんたちが残り、アンコールを要求する。するともう一回メンバーが現れ、最後の最後に「ミスター1・2・3・4マン」。超高速の演奏は、あまりに速すぎて笑ってしまうくらい。これでスッキリと締めたのだ。爽快感を残してメンバーは去っていった。

「ガキに還る」ツアーはこれで終わり、次はどう変わるのか(変わらないのか)、次の展開が待たれる。

— set list —
WE ARE THE KIDS / 50回転ズのテーマ / ハートブレイカー・ブルース / レッツゴー3匹!! / サンダーボーイ / KILLER / エイトビートがとまらない / ゴキブリ讃歌 / ドキドキの証明 / TEENAGE SHOCK / LET ME ROCK / 少年院のソナタ / 拝啓、ご先祖様 / 気になる女の子 / NO NO NO / 1976 / Please Don’t say / ネムレナイ / I can not be a good boy / 故郷の海よ / 涙のスターダスト・トレイン / YOUNGERS ON THE ROAD / ロックンロール・マジック / Thank You For RAMONES / おさらばブギウギ

— encore 1–
What a Wonderful World / たまにはラブソングを

— encore 2–
Mr.1・2・3・4man

50回転ズ

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Text:
Nobuyuki "Nob" Ikeda
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