ザ・ストライプス (The Strypes) @ 渋谷クラブクアトロ 2015.07.16

共に成長する喜び
テキスト・レポート「共に成長する喜び」 @ 渋谷クラブクアトロ 2015.07.16

The Strypes

 19時15分、まずモデルのマギーがステージにでてきて、テレビの取材があることを伝え、バンドを呼び込んだ。そして登場したリードヴォーカルのロスをみたとき、「あれ?! 背が伸びてない?」と思った。10代といっても後半だから本当に背が伸びることはあるかどうかわからないけど、見た目でも成長したと感じさせることは大事だ。実際、音楽も成長をみせていたのだから。

 新しいアルバム『リトル・ヴィクトリーズ』は、ブルースや古いロックンロールの磁場から離れ、ラウドなロックを志向をみせ、ロック史をなぞるような成長をみせたものだった。その曲をライヴで演奏すると、より荒々しさを増したものになった。ライヴをみて思ったのは、ウケた路線をそのまま踏襲せず、小さくまとまらなくてよかった、ということだ。

The Strypes まずは、「ナウ・シーズ・ゴーン」から始まり、2曲目の「ホワット・ア・シェイム」で一瞬音が小さくなり、マイクの故障? とか思ったら不敵な笑みを浮かべフェイクを入れてくる。新しいアルバムからの曲は気合を入れ直し、迫力を持ちながら鋭くなって、レコーディングされたものよりも、目の前の演奏のほうがインパクトあった。1stアルバムの曲も新しい曲と違和感なく溶け込んでいた。

 「エイティ・フォー」でロスとピートがエヴァンのハイハットに合わせて一緒に顔を振ったりなどの仕草にもステージでの見せ方への自信と余裕が感じられた。やはりライヴを重ねてきたおかげなのか。そしてジョー・ジャクソンの「アイム・ザ・マン」のカヴァーも演奏して、彼らの音楽趣味の幅が広いことを感じさせる。

The Strypes  もはやサングラスはトレードマークであるロスのヴォーカルは、堂々としたものになり、ジャージみたいなのを着て髭を生やしイメージ激変のジョシュのギターはより荒々しくなり、ラウドな印象をもたらす。ピートのベースはうねりを作り出しバンドのグルーヴを支える。そして一番成長を感じたのはエヴァンのドラムだ。割と手数多く、若々しさを感じさせる豪放なリズムを叩く。たまに勢いに任せてしまう場面があったけど、それくらいはむしろOKだ。

 当然 「ミステリー・マン」「ホームタウン・ガール」「ブルー・カラー・ジェーン」などの1stアルバムの曲は盛り上がる。そして「アイ・ニード・トゥ・ビー・ユア・オンリー」で本編が終わる。

 アンコールに応えてMC5の「キック・アウト・ザ・ジャム」のカヴァーからボ・ディドリーユー・キャント・ジャッジ・ア・ブック・バイ・ザ・カヴァー」のカヴァーへ。最後は「ユー・キャント・ジャッジ・ア・ブック・バイ・ルッキング・アット・ザ・カヴァー!」とフロアに大合唱をさせる。すごい。

 最後にサングラスを外したロスはまだ10代の目をしていた。ストライプスの魅力は、ファンを含め周りの人たちを「ここで私たちが頑張れば、もっとデカいステージにいけるんじゃないか」と思わせてしまうところにあるのではないか。それは、今のAKB48とか日本のアイドルシーンで、アイドルとファンとの関係に似ているのではないだろうか。おれたちも頑張ろう。そうすればこのバンドはもっともっと成長する。この日いけなかった人は11月に確かめてほしい

The Strypes

— set list —

Now She’s Gone / What A Shame / Best Man / ‘84 / What The People Don’t See / Cruel Brunette / I’m The Man / I Don’t Wanna Know / Three Streets / Queen Of The Half Crown / Get Into It / Scumbag City / Mystery Man / Hometown Girls / Blue Collar Jane / Still Gonna Drive You Home / I Need To Be Your Only

注)原文ママ。「Three Streets」の後に「 A Good Night’s Sleep And A Cab Fare Home」を演奏。「Scumbag City」は「Hometown Girls」の後に移動。アンコールに「Kick Out the Jams」と「You Can’t Judge a Book by the Cover」を演奏。

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Photos:
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Text:
Nobuyuki "Nob" Ikeda
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