サニーデイ・サービス (Sunny Day Service) @ 朝霧アリーナ 2015.10.11

昼下がり、恋の話をしよう
テキストレポート – サニーデイ・サービス (Sunny Day Service) in 朝霧ジャム – イッツ・ア・ビューティフル・デイ! @ 朝霧アリーナ 2015.10.11

Sunny Day Service

 前夜から降り続いた雨は、13時ごろようやく止んだ。朝霧ジャム2日目の13時半、レインボー・ステージに登場したサニーデイ・サービス。音源化された、4月の渋谷公会堂で15年ぶりに行われたワンマン・ライヴに、香港、台湾、韓国を巡ったアジア・ツアーと、今年はライヴ活動が充実している。フジロック・フェスティバルをはじめとする数々のロックフェスへの出演も果たし、その締めくくりが、朝霧ジャムとなる。

 出演時間が近づくにつれて、ステージ前へ続々と人が集ってくる。ドラマーの丸山晴茂が体調不良のため、サポート・ドラマーの鈴木正敏(初恋の嵐)とともにステージへ現れた曽我部恵一(Vo / Gt)と田中貴(Ba)。ゆったりと始まった1曲目は、「ベイビー・ブルー」。ワンコーラスが終わるや否や、観客から歓声があがる。彼らの出演が発表されて以来、このときを楽しみに待っていた人が多いに違いない。

Sunny Day Service 曽我部のボーカルと、田中のコーラスのハーモニーが心地よい「恋におちたら」。「スロウライダー」の間奏でふたりは向き合い、飾らない実直なアンサンブルを聴かせる。「ナウ」は歌い出してすぐに中断。曽我部は「さっき赤ちゃんが、ウェーンって泣いたのよ」「そこで気を取られたのよ。うちの子かなと思って。そんな小さい子いない」と語り、笑いが起こる。家族連れも多い、朝霧ジャムならではのハプニングか。「サニーデイ・サービスです」と自己紹介してやり直す。抜けのよいメロディーに、自然と笑顔になる。

 名曲「白い恋人」では歌声がよく伸びる。18年くらい前、この曲をはじめて聴いたころと変わらない、瑞々しい響き。「青春狂走曲」は、イントロや間奏のたびにお客さんから歓声があがり、バンドと一緒に歌っている人もたくさん見える。続く「シルバー・スター」。牧歌的な曲調が、広い空や芝生の光景とよく似合う。「週末」ではスローに歌われるメロディーに酔いしれる。曽我部の透明感あるハミングは、薄いグレーの空の向こうにある富士山まで響くようだった。

Sunny Day Service 「胸いっぱい」では一転、リズムがはずむ。身体をゆらして楽しむ観客に囲まれながら振り向くと、なだらかな傾斜の上の方まで、ステージを見下ろすようにキャンプ・サイトが広がっている。いくつものテントの前から、椅子に座ってのんびりとステージを眺める人たちが見えるのだった。たたみかけるように「若者たち」へ。アウトロで曽我部はギターを頭上に高く掲げて振り下ろす。ステージに残されたギターの残響音と観客からの惜しみない拍手が、バンドを見送った。

 終わってから、セットリストに最新アルバム『サニー』の収録曲が含まれていないことに気づいた。初日が1ヶ月後に迫った、再結成後初となる全国ホール・ツアー『サニーデイ・サービスTOUR 2015』、発表されたばかりの年末の恵比寿リキッドルームでの自主企画イベント『魔法の言葉・十二月』では聴くことができるだろうか。期待したい。

 サニーデイ・サービスの音楽が描く情景。「あなた」や「君」への想い。代表曲をリアルタイムで聴いていたころから年月が過ぎ、自分自身最早若くはない故か、いっそう美しさと切なさを増して胸に迫ってくる。いつまでも色褪せない珠玉のメロディーと追憶に誘われる恋の詩を、朝霧ジャムのユートピア的な風景の中で堪能できた50分間。素のままのバンドが奏でる音に身をまかせているだけで、なんとも満ち足りた気分になることができた。今度はメンバー3人が揃ったサニーデイ・サービスを、快晴の朝霧ジャムで観られる日が来るようにと願っている。

Sunny Day Service

— set list — (原文のまま)
baby blue / 恋におちたら / スロウライダー / NOW / 白い恋人 / 青春狂走曲 / シルバー・スター / 週末 / 胸いっぱい / 若者たち

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Text:
Keiko Hirakawa
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