キングブラザーズ @ 京都ナノ 2016.03.26

憂うことのないメッセージ
フォトレポート @ 京都ナノ 2016.03.26

キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ

 100人も入れば一杯になってしまう京都ナノは、ずいぶん前からソールド・アウトの知らせが伝えられていた。12周年を祝うこの日のイベントでキングブラザーズはトップ・バッターだった。起爆剤として投下された1曲目「ルル」からライヴは始まる。「京都一発目、飛び込みます」とマーヤは叫び、早々とフロアに身を投げ出す。12回叫ぶぜ、と「ニ・シ・ノ・ミ・ヤ」コールを連呼し、担がれながら移動すると会場全体にバンドのエネルギーが循環する。続く「☆☆☆☆」ではフロアが上下に揺れ、ケイゾウは「飛べ、飛べ」と煽り、マーヤと二人ジャンプを繰り返した。

 後半「魂を売り飛ばせ!」の途中で3人はフロアへ。広くはない会場にただでさえ大きなゾニーのドラム・セットが組まれると、バンドと観客の境界線はなくなる。3人を取り囲むどの位置にいても、バンドの中枢に潜り込んだような高揚と緊張を感じ取ることが出来た。

 そして、左手で押さえるフレットを凝視したマーヤが奏でたメロディに、一転フロアの空気がガラリと変わる。「メッセージ」だ。ゾニーの全身全霊をこめたそのドラムに息を飲み、ただ圧倒されていく。こんな「メッセージ」を聞いたことがなかった。ドラムから風が起こる。その音圧を全身に受け、鳥肌が立ったまま治まる気配のない皮膚感覚を、どう表現すればいいのだろうか。ひときわ光彩を放つゾニーの姿から目が離せなくなり、移動することも出来ず、撮ることを忘れてしまう程の絶対的な肯定感がそこにあった。
 
 ケイゾウが声を振り絞るように歌っていた「だけど前に進まなきゃ 悲しみに飲み込まれてしまう」のゾニーの叩き壊すようなタメのドラム。この歌詞を、やるせなく、切なさを抱きながら聞いてきた過去は、一夜にして塗り替えられてしまった。まるで憂いを帯びることのないメッセージ。本来この楽曲で伝えられたかった命のようなものが、この夜の演奏に吹きこまれていた。

 「行きましょう!」とケイゾウが叫び、曲の終わりに向かう大団円の美しさといったらもう言葉も出ない。感動した、という単純な言葉で締めくくって後悔がないほど、明確なバンドの完成されたバランスがあった。

 奇跡のような、眩い一夜だった。

— set list —
 
ルル / ☆☆☆☆ / スーパーX / Keep on Rollin’ / 魂を売り飛ばせ! / メッセージ / マッハクラブ /

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Photos:
Tomoko "tommy" Okabe
tommy@smashingmag.net

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