イースタンユース @ 渋谷クラブクアトロ 2016.07.29

変わらぬ味
テキストレポート「変わらぬ味」 @ 渋谷クラブクアトロ 2016.07.29

eastern youth

 ライヴ中のMCで吉野寿(G/Vo)は、対バン相手のハスキング・ビーのことを「変わらないんだよね。いつまでも変わらない味」といっていたけど、それはそのままイースタンユースにも当てはまることだった。

 昨年、長きに渡ってベーシストとしてバンドの一角を占めていた二宮友和が脱退して、村岡ゆかが加入した。それでなにか大きな変化があったかとというと、驚くほどなにもなかった。別に二宮と村岡が似ているというわけでもない。もちろん、バンドをやっている当人には技術的に思うところはあるかもしれない。しかし、フロアからの立場で聴くと、あの鉄壁のアンサンブルであるイースタンユースの音になっているのだ。

HUSKING BEE 渋谷クラブクアトロでおこなわれたイースタンユース主催の極東最前線、ゲストはハスキング・ビーであった。吉野は「変わらない」と評したハスキング・ビーであるけど、今年になってメンバーが変わったのだった。疾走感ある演奏にポップなメロディが乗る彼らの音楽は、相変わらず青さがあって2000年の夏を思い出させてしまう。

 2000年にイースタンユースが製作したオムニバス・アルバム『極東最前線』に収められた「海の原(わたのはら)」について、磯部(ヴォーカル&ギター)は「(当時ハスキング・ビーは英語詞だったので、吉野に)日本語で、といわれたので古語辞典を使って作詞した」と思い出を語る場面もあった。代表曲も新曲も演奏され、「変わらない」けど、前を向いた姿勢が伝わるライヴだった。

eastern youth 30分弱くらいのセットチェンジを経てイースタンユースの登場。吉野のギターと静かに会話するような村岡のベースから始まり、それが「夏の日の午後」であることがわかると、フロアから歓声が上がり、爆発的なギターが切り込んでいく。たくさんの拳が突き上げられ、大合唱になっていく。続く「砂塵の彼方へ」でさらに熱気は上がる。ごく初期の「故郷」、『極東最前線』に収められた「曇天と面影」、シングルのみに入っている「路傍の影」と続ける。

eastern youth「踵鳴る」の吉野の絶叫とバンドの一体となり、音の塊をぶつけられたような手応えもすごいし、「茫洋」のあてどもなく彷徨う寂寥感、「尻を端折ってひと踊り」の泥を被っても生きていく決意など、どれも胸に迫る。キーボードの音をお客さんたちが合唱して補った「寄る辺ない旅」もインパクトを残した。

 本編は「街の底」で終わる。アンコールで吉野が村岡をイジって笑わせる場面もあり、「街頭に明かりが灯る前に」と「矯正視力〇・六」。客電が一旦点いて終わったかと思わせたけど、残るお客さんたちの声に応えて、再びのアンコールで「テレビ塔」。大切な人を失っても四季は巡っていく時間の残酷さとどうしようもなさを歌い、締めくくったのであった。

eastern youth

–>フォトレポート(イースタンユース)

–>フォトレポート(ハスキング・ビー)


— set list — (HUSKING BEE / 原文のまま)
#4 / 8.6 / Feedback Loop / Once So Close / 1 Minute / Carry You / 海の原 / New Horizon / 欠けボタンの浜 / THE SUN AND THE MOON / Across The Sensation


— set list — (eastern youth)
夏の日の午後 / 砂塵の彼方へ / 故郷 / 曇天と面影 / 路傍の影 / 黒い太陽 / 踵鳴る / 茫洋 / 尻を端折ってひと踊り / アバヨ、風の残像 / 寄る辺ない旅 / 街の底

— encore —
街頭に明りが灯る前に / 矯正視力〇・六

— encore 2 —
テレビ塔

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Photos:
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Text:
Nobuyuki "Nob" Ikeda
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