イースタンユース @ 札幌カウンターアクション 2016.11.11

そうやって生きていく
フォトレポート @ 札幌カウンターアクション 2016.11.11

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 開演前。フロアから、サウンド・チェックを終えた吉野寿(G/Vo)へ次々と「おかえり!」と声がかかけられた。昨年2月、前のベーシストの二宮友和の脱退が発表され、観客の戸惑いと緊張のなかでライヴを行った、カウンターアクション。昨年6月のツアー最終日、二宮在籍時のラスト・ライヴの地となった、札幌。観客の「おかえり」には、イースタンユースが28年前に札幌で結成されたバンドであるという事実以上の感慨が込められていた。

「ありがとうございます。またカウンターアクションでできてうれしいです。ちょっと見ないうちに、ベーシストの髪の毛が伸びましたんで」

 吉野は村岡ゆか(Ba)を紹介し、沸き起こった拍手と歓声に「ま、いろいろあるんですよね。生きてるとね」と応える。「今日はローディーが同行してません。昔ながらに、自分たちで上がってセットしてプレイします」と語り、ギターを奏で始めた。

 イースタンユースが札幌のファンとっていかにかけがえのないバンドであり、いかに愛されてきたのかを痛感した1時間だった。バンドは代表曲で固められたセットリストで、観客の気持ちに応えていく。昨年6月のツアーで最後の曲として演奏された「夜明けの歌」を1曲目に演奏し、メンバーチェンジを経てなお前進するバンドの姿を提示する。「街の底」では吉野の「生きてる!」の絶叫と観客の大合唱がフロアを満たす。曲が進むごとに、すかさず歓声が沸き起こり、床がモッシュで揺れ、無数の拳が突きあがる。札幌ならではの熱い反応である。

 吉野はこの日の共演バンドであったスラングとザラメのライヴを観た感想として、「(みんな世の中の型にははまらず、自由に大人になったが)こんな風に生きていてもいいじゃないの、って強く感じましたね」と語り、大歓声が沸く。「それをジャマされると、アタマくるんだよね。反撃の仕方はこれしかないですよ」と言って始まった「鳴らせよ 鳴らせ」は、「ほどなく雪になるんだろう」と歌詞を変えて歌われた。

「月影」以降も怒涛の展開を見せた。「青すぎる空」は後方まで観客の合唱が響くさまに圧倒されたが、最後の「いずれ暮らしの果てに散る」ではスッと静まり返って吉野の歌とギターのみが響き、フロアは盛大な拍手に包まれる。再始動以来よく演奏されている「たとえばぼくが死んだら」も大歓声で迎えられ、フロアの熱はさらに高まっていく。

 開演前に降っていた雪について、「思いっきり降ってますね。嬉しいですよ。歓迎されている気分。雪に降られると、意地はっても意地はっても、どっかに寂しさが残るんだよね」と語って始まった「故郷」から、間髪入れずに始まった本編ラストの「夏の日の午後」。吉野と観客によるコーラスが大いに響き、最高潮の盛り上がりを見せた。

 熱烈なアンコールに応えて再びステージに登場した吉野は、「この街を捨てて僕はいきましたよ。それでもテレビ塔が見えますよ」と、「テレビ塔」のフレーズをつま弾きながら17歳のころのテレビ塔にまつわる思い出を語る。

「時間も流れてさ、変わっていくよ。もういない人もいっぱいいる。コウちゃんは相変わらずだけど。でもちょっとずつ変わっていくさ。自分のことに置き換えればわかるでしょ。それでもきちんと時間は流れて季節は巡っていくんだね。今日みたいに雪も降ってさ。そうやって生きていくのかなと思っています」

 落涙しつつの絶唱が胸に刺さった「テレビ塔」。そして、ラストの「裸足で行かざるを得ない」。田森篤哉(Dr)のパワフルかつ堅実なドラムと、村岡のツボをしっかり押さえつつ、しなやかさを増したベースに支えられ、吉野は「そうやって生きていく」意志を鋭いギターで、絞り出す叫びで、全存在で表現していた。札幌のファン待望のライヴは、割れんばかりの大歓声と、しばらく鳴り止まなかった拍手で幕を閉じた。


— set list —
夜明けの歌 / 街の底 / 沸点36℃ / 荒野に針路を取れ / 鳴らせよ鳴らせ / 月影 / 青すぎる空 / たとえばぼくが死んだら / 故郷 / 夏の日の午後

— encore —
テレビ塔

— encore 2 —
裸足で行かざるを得ない

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Photos:
Keiko Hirakawa
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