キングブラザーズ @ 梅田シャングリラ 2016.12.18

惜しみない愛と喝采と
フォトレポート @ 梅田シャングリラ 2016.12.18

キングブラザーズ
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 11月のオーストラリア、ニュージーランドでのツアーを終えてすぐ12月は、東京・名古屋・静岡でのワンマン・ライヴを行ってきたキングブラザーズ。ツアー最終日はここ大阪シャングリラにて、「マッハクラブ」から幕を開けた。毎回と言っていいほど演奏される彼等の初期ナンバーは、メンバー全員の瞬発力がいかんなく発揮される。手加減なしの夜の予感は、すでに熱気に顔を高揚させる客からも読み取れた。「69」「ソング2」でマーヤのギターとゾニーのドラム、ケイゾウの煽りが高速ラリーを続ける。普段どこにせき止められているのかと思うほどのパワーを乗せ、音塊は右へ左へ後ろへ前へとせわしない。

 「黒くぬれ」「×××××」と続き、海外ツアー中にバッサリと髪をカットしたケイゾウが『タイムスリップするぜ、この曲は最初の「ビッグ・ボス」』と静かにMCを挟み「ビッグ・ボス」が放たれる。セットリストの曲名に「NEW」と書き添えられた曲はこの日、アメリカのレーベルからデビューした彼等の、1999年日本で初めて発売されたミニ・アルバムの『★★★★★★★』(通称:星盤)でのアレンジで演奏された。初期のアレンジを「新しい」と言い切る2016年の彼等は、見事にすべての過去を凌駕していた。マーヤの高速リフに会場から大歓声が沸き起こる。「加速するぜ」とケイゾウが言い放った瞬間、すっかり馴染んだと思っていたゾニーの26インチのバスドラが巨大な音像を生み出す光景に、観客はハッと息を飲み、熱狂する。

 「★★★」では煽るだけ煽り客席には飛び込まず、滝のような汗を落としながらギターを弾くマーヤ。今年産みだされ、ケイゾウのハープが印象的な「ソング4」。「キング・オブ・ブギー」はデビュー・アルバムの若さのまま突っ走るアレンジとは違い、ゾニーの重量感のあるビートに掘り進むようなケイゾウの声が、歌に説得力をもたらす。

 新旧交互に演奏される楽曲に、いち音たりとも聞き逃すものかと、前のめりで一心にステージに目を向ける観客の姿があった。お互いがその瞬間必要なものを察知し理解し、導くように動いていくバンド・メンバー。同じ時間を体感してきた同士互いにいざなわれ、今ここにあるというステージングだ。

 青いライティングにステージが満たされて始まった「虹と雲」。うつむきながら優しいメロディを奏でるマーヤの全身から汗がとめどなく流れ落ちた。過去を背負うことから分かちあう存在になったゾニーの、初めてのキングブラザーズとしてのライブは3年前の12月だった。伸びやかなケイゾウの歌声が会場の隅々に沁み込む。「お前はひとりで歩くんだ」という歌から、その字面とは裏腹に彼等の惜しみない愛を感じることが出来る。放たれる熱意の全てを受け止めようとする観客の真っ直ぐな眼差しは、一人も置いてきぼりにせず巻き込んでいくこのバンドの合わせ鏡のようでもあった。

 最後は会場全体が一丸となる着火曲「ルル」へ。マーヤは人の上に乗り、キングブラザーズの今年のテーマは「どこまでできるか挑戦」だったと言う。「みんなのお陰で立ててます、なのにみんなの上で俺はファック・ユーと言う」と叫び、観客の笑顔を引き出す。何度も叫びあう「ニ・シ・ノ・ミ・ヤ」コールは繰り返し乗りたくなるジェットコースターのようなものだ。

 今回のワンマン・ライヴは客席に楽器は降ろされなかったという。最終日は「小山雅史”マーヤ”、ミスター・ゾニー、松尾ケイゾウと皆さんと、まだまだどこまでも行きましょう」というケイゾウのMCで始まったアンコール「魂を売り飛ばせ!」の途中から、3人を囲んでの床演奏へとなだれ込んだ。本編のストイックさを投げ捨て、マーヤは狂ったようにギターをかき鳴らし叫んでいた。

 自分達が確信しているロックンロールを、その身に誠実に担うこと。人が人と出会い、重ねていく時間が生み出す熱量と可能性をまざまざと見せつけられた今年最後の夜は、3人に向けられた観客の眩しい笑顔と拍手で締めくくられた。

 2017年、キングブラザーズのライブ詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

— set list —
マッハクラブ / 69 / Song2 / 黒くぬれ / ××××× / Big Boss / ★★★ / Song4 / King of Boogie / Song1 / Big Beat / ☆☆☆☆ / スーパーX / 虹と雲 / ルル

— encore —
魂を売り飛ばせ! / Spy Boys

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Information

Photos:
Tomoko "tommy" Okabe
tommy@smashingmag.net

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