キングブラザーズ @ 神戸バリット 2017.03.25

何もかも同じではない19年
フォトレポート @ 神戸バリット 2017.03.25

キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ<br />
<img src=
キングブラザーズ
キングブラザーズ
キングブラザーズ

 ザ・ニートビーツ結成20周年、キングブラザーズ結成19周年を記念したイベントが神戸バリットで行われた。先行は、イベントで最初に演奏するのが珍しいキングブラザーズだ。この日、暗転するもおなじみのSE、アンドレ・ウィリアムスの「ザ・ブラック・ゴッドファーザー」は鳴らず、静寂を割るように鈴の音が響いた。歌うようなゾニー(Dr)のドラムと共にステージを覆っていた緞帳が開くと、片手にハープを持ち、片手でタンバリンを打ち鳴らすケイゾウ(G/Vo)が「19周年と20周年を祝うパーティへようこそ」と口火を切った。この「シンパシー・フォー・ザ・バツバツバツバツバツ(Sympathy For The XXXXX)」はブルージーなマーヤ(G/スクリーム)のギターしかり、今の3人の個性が際立つ名刺代わりのような楽曲だ。
 
 「ビッグ・ビート」「魂をうりとばせ」「ゲット・アウェイ」と、違う夜にはピークをもたらせるだろう曲たちが、この夜はさらりとフロアを温める役割を担う。「☆☆☆☆」を挟むのは、去年生まれた「ソング6」と「ソング7」で、途切れることなく演奏されたこの3曲の交じり合うグルーヴに、フロアは次第に熱を帯びていった。

 「ありがとう」と控えめな声でつぶやいたケイゾウが次の瞬間「スパイボーイズ!」と叫ぶと、ガッと見開く客の目がいくつも見えた。「今からおもくそ行くぞ!」とマーヤが絶叫するやいなや客に飛び込むと、フロアの温度は沸点へと動き始める。この奇をてらうことのない緩急のついたセットリストの凄味に、このバンドが培ってきた19年のドラマが詰め込まれているように感じた。

 「ソング8」では客に担がれたままギターを弾くマーヤを、ケイゾウは西宮の誇りだと称える。「どんどんぶっこんでいくからよろしくお願いします、マッハ・クラブ」こんな丁寧なケイゾウのMCで客は狂喜し、一層ステージへと前のめる。「どうでもいい事ばかりで退屈な欠伸がとまらない」と唸り心の限り叫ぶ、ケイゾウの揺るぎなさに19年ブレはない。

 短い「マッハ・クラブ」に間髪入れずマーヤが「ダダダッダダ8っつ数えろ」と叫び、「8っつ数えろ」へと続く。マーヤのカウントが差し込まれるサビのフレーズで沸点を迎えると、頭上で何度もスティックを大きくクロスさせながらリズムを打ち出すゾニーが殊更絵になる「のりおくれんな」が投下される。バンド加入後、黒シャツに白ネクタイだったゾニーが、この日ケイゾウとマーヤと並び、白シャツに黒ネクタイという出で立ちで現れた意味を想うも、マーヤのキレキレのスクリームに重なるケイゾウの切り込むギターに、ステージから視覚聴覚をこれでもかと刺激される息もつけないステージングに、頭はうまく働かない。

 最後の曲「キング・オブ・ブギー」を含め、後半を大きく占めたのがバンドの初期ナンバーであることに、ただただ絶句する。キングブラザーズらしさは19年前から何も変わらないのに、何もかもがまるで違う。違っているから今が最高だといい切れるほど、彼等は日々進化し続けているのだ。

— set list —
Sympathy For The XXXXX / 魂を売り飛ばせ!/ GET AWAY / Song6 / ☆☆☆☆ / Song7 / スパイ・ボーイズ / Song8 / マッハ・クラブ / 8っつ数えろ / のりおくれんな / King of Boogie /


3月31日(金) @東京, 町田SDR 『忘れてモーテルズ vs KING BROTHERS』
4月1日(土) @千葉, 新松戸ファイヤーバード 『新松戸ファイヤーバード10周年イベント』
4月2日(日) @下北沢THREE『撃鉄 vs KING BROTHERS』

 詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

Share on Facebook

Information

Photos:
Tomoko "tommy" Okabe
tommy@smashingmag.net

Tomoko "tommy" Okabe's Works

Write a comment