極東最前線 ~ええじゃないかRIOT渋谷~(eastern youth, 切腹ピストルズ) @ 渋谷クラブクアトロ 2017.07.15

響きと迫力
テキスト・レポート「響きと迫力」 @ 渋谷クラブクアトロ 2017.07.15

eastern youth

 この日の「極東最前線」は切腹ピストルズがゲストだった。開演予定時刻5分前くらいには準備も完了、演奏が始められるようになっていた。フロアの半分は和太鼓の人たちがスペースをとっている。自分の位置からは全体がみえなかったけど、だいたい総勢20人くらいがいた。和太鼓や笛、鐘、三味線と和楽器のバンドである。

切腹ピストルズ

 この名前はどこかでみたことあるな……と思って記憶を手繰り寄せていくと、2003年に三軒茶屋ヘヴンズドアでみたことある。音楽性も人数もこのときと全く別のものになっている。もしかすると同じ名前だった違う楽隊なのかもしれない。

 まずは「武蔵の国、○○宿に生を発し……」口上から入り、和太鼓の迫力が会場を揺るがす。舞台前のお客さんたちはすぐに和太鼓隊と混じりあって踊りだす。笛の音にお祭りのお囃子を感じるし、和太鼓の拍子には高円寺阿波踊りで観た最凶の連である苔作を連想してしまった。

切腹ピストルズ

「ある時、『粋じゃねえな』って気付いて。粋にしてみたら、こうなりました」といいながら演奏された、シャム69カオスUKデッド・ケネディーズの曲は切れ味、迫力がすごかった。三味線には電気的な加工がかかって荒々しいものになっているところに、和太鼓の突き上げるような拍子が持続していく。

 曲が終わるたびに次々と隊員たちが口上を述べるのだけど、まだ慣れてない隊員は緊張しているのか噛み噛みで、周りの笑いを誘う。そして群馬か栃木からでてきた八木節を「自棄(やけ)節」と変えて歌い踊る。一見さんを巻き込む乗りがすごい。

eastern youth

 セットチェンジ中は、カーティス・メイフィールドが流れる。それがゴダイゴの「ザ・バース・オブ・ジ・オデッセイ~モンキー・マジック」に変わり、イースタンユースのメンバーが登場する。

eastern youth 吉野は切腹ピストルズに触発され、口上を真似てから、キリキリと唸りあげるギターが鳴り「砂塵の彼方へ」が始まる。イントロだけで歓声が上がる「夏の日の午後」。この日の気温は30度を超えて渋谷自体が熱せられているような真夏といっていい暑さだった。そんな日に聴く「夏の日の午後」。初期の「故郷」今の方がより成熟した音が鳴っている。髪がショートになった村岡ゆかもすっかりバンドに馴染み、田森との鉄壁のリズム隊を構成する。

 この日、一番思ったのは吉野のギターは音響的に最高だなということだった。最近でた『ギターマガジン』(2017年8月号)では「ニッポンの偉大なギタリスト100」という特集で、そのランキングに選ばれた人たちには文句はない。だけど、その100人に吉野寿が入ってないのはいかがなものかと思うのだ。まあ、ブラッドサースティー・ブッチャーズの吉村が入っているからな……。

eastern youth それにしても「男子畢生危機一髪」の後半、ギター1本で表現された重層的な響きは吉野ならではのもので、いつまでも浴びていたいと思うくらいだった。「青すぎる空」や「グッドバイ」でノイジーなんだけど、寂寥感あふれるギターも、一音目で惹きつけられる「荒野に針路を取れ」や「街の底」など、「ギターが上手い」には、指が速く動くとか、リズム感がよいとか評価があるけど、「響きがよい」というのも評価のひとつだろう。その意味ではニッポンの偉大なギタリストだと思う。もちろん、それは村岡と田森の支えがあってこそであるし、歌詞も声もメロディもすばらしい総合力が備わっているからだろう。

 アンコールはまず「ズッコケ問答」そして、もう1回の熱烈な拍手に応えて「裸足で行かざるを得ない」でフロアは湧き上がり締めくくった。このあとイースタンユースはアルバム発売とツアーが控えている。この日はほぼベスト選曲だったけど、それは変化の前触れか。まだまだ転がっていく彼らをみていきたいと思う。

eastern youth

–>フォトレポート(eastern youth)

–>フォトレポート(切腹ピストルズ)


— set list — (eastern youth)

砂塵の彼方へ / 夏の日の午後 / 故郷 / 夜の追憶 / ギラリズム夜明け前 / 青すぎる空 / 男子畢生危機一髪 / グッドバイ / 夜がまた来る / 荒野に針路を取れ / 沸点36℃ / 街の底

— encore —
ズッコケ問答

— encore 2 —
裸足で行かざるを得ない

 


極東最前線/巡業2017~おれたちのSONGentoJIYU~

 
10月21日(土) 千葉 LOOK
10月28日(土) 札幌 cube garden
10月29日(日) 弘前 Mag-Net『 弘前Mag-Net20周年記念』
11月 4日(土) 京都・磔磔
11月11日(土) 仙台 CLUB JUNK BOX
11月12日(日) 新潟 CLUB RIVERST
11月25日(土) 岡山 ペパーランド
11月26日(日) 福岡 DRUM Be-1
12月 2日(土) 名古屋 APOLLO BASE
12月 3日(日) 大阪 umeda TRAD
12月 9日(土) 渋谷 TSUTAYA O-EAST

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Text:
Nobuyuki "Nob" Ikeda
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