イースタンユース (eastern youth) @ 石狩湾新港 ライジング・サン・ロックフェスティバル 2017.08.12

物語を生きる
フォトレポート @ 石狩湾新港 ライジング・サン・ロックフェスティバル 2017.08.12

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 ライジング・サン・ロックフェスティバルにイースタンユースが登場するのは、2014年以来。今回は村岡ゆか(Ba)加入以降、初の出演となった。

 前日から雨が降り続いていた。出演したのはデフ・ガレージという屋内ステージで、演奏開始時間は18時50分。ザゼン・ボーイズの次の出番だったので、そのまま同じステージにとどまって、イースタンユースを待っていた観客も多かったのではないだろうか。吉野寿(G/Vo)がステージに登場するなり、次々に声援が飛ぶ。吉野が観客に、アンプの上に置いてある中指を立てた形のモデルハンドを向けてみせると、拍手と声援は一層大きくなる。吉野はギターを手に取り、村岡、田森篤哉(Dr)とともに轟音を響かせる。

「マツリスタジオからやってまいりました。ザゼン・ボーイズです。ウソ! イースタンユース!」

 まさかのツカミにワッと湧き上がった歓声とともに「砂塵の彼方へ」。キレよく硬質な音塊と、吉野の渾身のボーカルが、テント内を震わせる。息つく間もなく「夏の日の午後」。イースタンユース屈指の代表曲は、観客の絶妙な合いの手に彩られる。間奏は吉野の情熱的なギターソロを、村岡と田森がダイナミックに支え、吉野と観客によるコーラスがテント中に響き渡った。演奏後、ステージに声援が次々と送られるなか、「吉野寿ー!!」 の声援には、「フルネームで呼ぶな!」と吉野がすかさずツッコミを入れたりして、ドッと笑いが起こる。

「あいにくの雨ですが、それでも雲の上にはね、空がありますよ。見えるものだけが、大事なものじゃないんだよ」

と語って、「青すぎる空」。イントロで田森の刻むリズムに村岡のベースが乗った瞬間に起こった歓声や、間奏直後、吉野と観客の「いずれ暮らしの果てに散る」の歌声がシンクロしてキマった様には、胸が熱くなった。「男子畢生危機一髪」も、観客のシンガロングとともに駆け抜ける。

「ロックで心をひとつになんかする必要、ねぇんだ。むしろ、ロックでバラバラになって、自分を取り戻せ」

 いままでも同様の発言はあった。あちこちのステージで「一体感」が満ちあふれるロックフェスで、毅然とこんなセリフを放つことができるのは、吉野だけである。20年以上演奏され続けてきた「裸足で行かざるを得ない」とともに、イースタンユースの矜持をかけた一貫性が立ち上がる。演奏後には「村岡さん最高!」の声援もあり、村岡も笑顔を見せた。

「俺たちもう一回、雪のテレビ塔の下で会おうぜ」

の言葉とともに始まった「テレビ塔」。肌寒さのある湿った空気の中、身体中から湯気を立ち上らせながら歌う吉野。一音一音に魂の込められたギターの音色。曇った眼鏡。不安定な歌声と、絶叫。両頬を伝う涙。

 ’99年、第1回目のライジング・サン・ロックフェスティバルで、夜明けの時間に演奏したのは、ブラッドサースティー・ブッチャーズだった。吉村秀樹がギターを天高く投げた場面は、伝説となっている。年月が流れ、18回目の同じフェスで、イースタンユースは壮絶な演奏を繰り広げ、この曲で吉村に想いを馳せた観客もいたことだろう。袖では、深夜に同じステージに出演するスラング(SLANG)のメンバーも、演奏を見守っていた。この日観客が立ち会ったのは、北海道の地で始まり紡がれてきた、「俺たち」の物語の一幕だった。

「すっかり日も落ちてしまいました。我々、街の底に帰る時間がやってまいりました。イースタンユース、『街の底』、ありがとう」

 大歓声に迎えられた「街の底」。間奏で吉野は一歩一歩力強い足取りでステージ中央まで踏み込んでいき、飛び立つように両腕を広げた。’15年9月の村岡新加入時の初ライヴの1曲目は「街の底」だった。この曲で再始動したイースタンユースが、2年をかけてふたたび「街の底」へと帰結していくような堂々のラスト。「テレビ塔」が「俺たち」の物語を体現したのならば、「街の底」はこれからも進み続ける、イースタンユースのヒリヒリとしたリアリティーに満ちた物語を象徴しているのだと思った。

 3人は満場の拍手に見送られて、ステージを後にした。この物語は、9月27日(水)に発売される、村岡加入以降初のリリースとなる新しいアルバム、『SONGentoJIYU』(ソンゲントジユウ)、そして10月21日(土)、千葉ルックから始まる全国ツアーへと続いていく。


— set list — (eastern youth)

砂塵の彼方へ / 夏の日の午後 / 青すぎる空 / 男子畢生危機一髪 / 裸足で行かざるを得ない / テレビ塔 / 街の底

 


極東最前線/巡業2017~おれたちのSONGentoJIYU~

 
10月21日(土) 千葉 LOOK
10月28日(土) 札幌 cube garden
10月29日(日) 弘前 Mag-Net『 弘前Mag-Net20周年記念』
11月 4日(土) 京都・磔磔
11月11日(土) 仙台 CLUB JUNK BOX
11月12日(日) 新潟 CLUB RIVERST
11月25日(土) 岡山 ペパーランド
11月26日(日) 福岡 DRUM Be-1
12月 2日(土) 名古屋 APOLLO BASE
12月 3日(日) 大阪 umeda TRAD
12月 9日(土) 渋谷 TSUTAYA O-EAST

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Keiko Hirakawa
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