クロッケンフラップ(Clockenflap) @ 香港セントラル・ハーバーフロント・イベントスペース 2017.11.17-19

煌くビルの間で
テキスト・レポート「煌くビルの間で」 @ 香港セントラル・ハーバーフロント・イベントスペース 2017.11.17-19

Clockenflap

 今年もClockenflap(クロッケンフラップ)にいってきた。香港の中心地で3日間にわたっておこなわれるフェスティバルである。チケットについてなどは、一昨年のレポート昨年のレポートを参照してもらいたい。基本的には大きく変わらない。

Clockenflap 今回感じたのは、いろんなところが後退しているな、ということで、DJブース(いくつかあった中のひとつ)や演劇やヴァーチャルリアリティが体験できるようなエリアがカットされていた(昨年それらがあった場所は空き地になっていた)。飲食店も減ったうえに同じくチェーン店がいくつかの場所に出店していて種類も減った。経費の節減なのかその他いろいろ残念に思うところはあった。

 香港の街全体もそれまでと比べて後退しているのではと感じた。それでも、ライヴ自体はそれを吹き飛ばすような素晴らしいものが多く楽しめたのだった。

 会場は昨年と同じく香港島のセントラルで、スターフェリー乗り場に近いところだった。地下鉄の駅も徒歩で利用できるし、ショッピングモールもいくつかある。そして周りは高層ビルに囲まれ、海を挟んで対岸にもきらびやかなビルがみえるというロケーション。究極の都市型フェスであることは変わりない。

Clockenflap ステージは、大きなもの(朝霧JAMのレインボーステージくらいの大きさ)が2つ、レッドマーキーくらいのステージがひとつ、DJブースが2つである。会場はコンパクトにまとまっていて歩き疲れるということはない。

 金曜日はあまり混んでない(仕事からスーツで直行みたいな人がいる)けど、土日は混んでいた。だけど、飲食やトイレですごく並ぶということもなく快適に過ごせるといっていい。

Clockenflap ごみやトイレのマナーはそんなによくない。清掃の人が回っているので、最悪にはならないという感じ。お客さん同士の雑談はすごくて基本的に仕事で駐在している欧米人や地元の富裕層の社交の場になっていてステージ前でも、喋ったり、仲間で自撮りしたり、友人を紹介して輪が広がっていく姿に当たることになる。真剣にバンドに集中したければ、最前か周りに人がいない後ろで聴くしかない。

 あと、荷物チェックは割と厳しく、飲料の持ち込みはダメ、それと今年は雨傘もダメだった。香港で雨傘禁止とは。会場に行くまではどうするのだろうか(ただツイッター情報では雨が降りだしたら、主催者がポンチョを配布していたとの書き込みがあった)。

■フェスごはん

Clockenflap 先述の通り店の種類が減って、例年楽しみにしていたものがなくなっしまったけど、それでも旨いところは旨かった。ただし、会場内のビールや食べ物は高い(ビールで約1000円)。水はタダで飲めるけど。会場をでれば酒税のない香港では安い酒も食べ物もいくらでもある。

Clockenflap 場内の飲食店はいかにも中華というものはあまりなく、ピザ、ハンバーガー、タイ料理、メキシカンが目立っていた。その中でもタイカレーは質量ともになかなかのものだった。ビールはカールスバーグとクローネンベルク。

 ライヴ開始は金曜日が夕方、土日が昼過ぎからで、市内で観光やショッピングしてから現地にいく余裕がある。終わりの時間も公共交通機関が動いているので、香港の中にいれば十分に帰ることができる。

■初日はカイザー・チーフスが貫禄をみせる

Clockenflap 初日のヘッドライナーを務めたのは、カイザー・チーフスで、オーソドックスなUKギターロックを聴かせてくれた。ヴォーカルのリッキー・ウィルソンがステージ上を駆け巡り、元気な姿をみせる。代表曲は大合唱になり、やはりイギリス出身のお客さんが多いことが伺える。また日本でも観たいと思わせた。

■2日目はブートレグビートルズが盛り上げる

Clockenflap 2日目は、ビートルズのトリビュートバンドであるブートレグ・ビートルズが圧巻のステージだった。初期から後期までちゃんと衣装も変えながら完全再現する。顔や声まで本人たちに似ていて、よくこのメンバーを揃えたなと思う。どうやらスタジオミュージシャンを集めたようで、1980年から活動を始めているけど、オリジナルメンバーは誰もいない。演奏されるのはビートルズの王道の有名曲ばかりで、お客さんも盛り上がる。ライヴの中盤に初期から後期の衣装替えがあるのだけど、ポール役の人がひとり残ってアコースティックギターで弾き語る。あのイントロから客席が「Yesterday?」と歌いだす。するとポール役の人が「声が小さい、もう一回」とやり直す。あのイントロから「In the town where I was born~」とポール役が歌うと客席は大爆笑。そして客席でみんな「イエローサブマリン」を合唱する。もちろん「イエスタディ」をやり直してから後期の曲に入っていった。

また、サハラ砂漠の遊牧民、トゥアレグ族によるティナリウェンも盛り上がっていた。こういうアフリカのミュージシャンも毎回このフェスに呼ばれている。

■3日目はマッシヴ・アタックが圧巻のステージ

Clockenflap 3日目はロンドン発ナイジェリア人女性がリードヴォーカルを務めるイビビオ・サウンド・マシーンが気持ちのいいファンクを聴かせてくれて盛り上がった。来日公演直後のテンプルズもサイケデリックなサウンドは極上の響きで、煌めくビルの間で観る彼らも素晴らしかった。そして、なんといってもマッシヴ・アタック。最高だった。現地の言葉なんでよくわからないけど、スクリーンには毎度おなじみ時事ネタも絡めてのメッセージも強力。MCでちょろっと香港が独立したところであるようにというようなことをいっていた。

 やっぱりロケーション、アクセス、バンドがすばらしいので、長く続くフェスになることを願いたい。すでに来年は11月9日から開催されることがアナウンスされている。

Clockenflap

写真:イケダノブユキ

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Text:
Nobuyuki "Nob" Ikeda
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