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筆者は、この歳になって過去最高のペースでライヴに通っているのだが(昔は年に6本観たら多い方だった。年に1回だけとかザラ)やはりライヴの場、空気は大切だなと思う。会場に入るとまずチェックするのが、非常口と避難経路というのは嘘だけど、ライヴに来ている人達の年齢層は気になる。特にこのところ最年少か最年長になることが多く(最近で「おれ、平均年齢ジャストじゃん!」というのはティーンエイジ・ファンクラブかな。「ティーンエイジ」というのが笑えるが)、この日の会場をチェックすると確実に最年少組にいてひと安心である。スーツ姿の人も多く、そういう人達にとって19時開場、20時開演というのもうなづける話である。というかもっとこういう時間に始まるライヴがあってもいいと思う。飲んでいるときに「あ、そういえば今日〇〇のライヴがあるけど行こうか」という気軽な感じになれば、もう少し音楽が身近になっていいと思う。 話は戻ってこの日はまた、外国人が多かった。筆者の隣には日産の社長のカルロス・ゴーンにそっくりな人がいる。それも一人だけでなく、背のデカいカルロス・ゴーン、 カジュアルなカルロス・ゴーン、ハゲたカルロス・ゴーンなどバラエティに富んでいた。そういえば、この日は頭が光り輝いている人が異様に多かった。筆者も他人のことは言えないけど。 開演前は、ジミ・ヘンドリックスやアンビエントなテクノがBGMで流れていて、その中に突然クラウデッド・ハウスの「ドント・ドリーム・イッツ・オーバー」が流れて、とても懐かしい思いをした。だけど、この日の会場にいた人にとってはクラウデッド・ハウスですら若手(もう解散しているが)扱いなんだろうな。 そしてようやくリチャード・トンプソンが登場する。この日はソロ・アコースティック・ライヴということなので去年12月のエリオット・スミスのような(Tour Reportsを参照してください)淡々としたステージになると思ったけども全く違って初めからビシビシと躍動感ある演奏であった。マイク内蔵のアコースティックギターから奏でられる多彩な音に驚く。どんなふうに弾くのだろう、と手元を見たいがために背伸びをしていたところ、足の痛みが翌日まで残ってしまった。ピックで低音の弦を弾き、中指と薬指(と小指かな?)で高音の弦を弾くのである。スピード感があってギター一本とは思えないほどいろんな音が響く。ホント、ギターをやっている人は観ておいた方がいいよ。 もちろん、リチャード・トンプソンの魅力はギターだけでなく声にもある。溌剌として、かつ温みが伝わってくる声である。この声とギターでフォークやロックなど渾然とした世界を作り出している。特に深くリバーヴをかけてギターと声に独特の音響を加えた曲は、サイケデリックでとても素晴らしかった。 それから客席の外国人とコミュニケートしながら笑いをとり(会話の内容はほとんどわからなかった。MCは「(イギリスの)階級についての歌です」と「子供が古代エジプトについて学んでいる」という感じのものが辛うじて聞き取れた。英語がわかればなぁ)、エルビス・プレスリーのモノマネ(?というかパロディだったのでしょうか?)も面白かった。まるでロンドンのパブで観ているような親密な雰囲気のあるライヴはフェアポート・コンベンションは名前しか知らない筆者でも十分に楽しめることが出来た。 ライヴの間、この素晴らしい演奏を誰に勧めようかと考えてた。先に書いたように、ギターを弾く人に聴いて貰いたいのはもちろんのこと、キャロル・キングやサイモン&ガーファンクルのファンにも気にいってもらえそうだ。ニール・ヤング好きもOK。昔、FMで聴いたトッド・ラングレンのソロ・アコースティック・ライブの感じにも近い・・・とあれこれ思ったのだけど、やはり、このライブは音楽が好きな人すべてに聴いてほしい。こう言うのも当たり前過ぎるけども、それくらい素晴らしかった。知らないアーティストのライブも良い出会いがあるものだと、改めて思い会場を後にした。
http://www.thebeesknees.com/bk-rt-bi.html
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